オストメイトで山賊と海賊・・・銀座のコテコテ周旋屋のよもやま話

去年は100の山を愛し、今年は108の山に恋をする。
夏は太平洋の大波で泳ぎ続け、日本の自然を愛して66年。

穴熊と狸、ヤシオとミツバツツジ

2019-05-22 10:58:32 | 銀座の周旋屋

 

 アナグマによく出会う。

 狸ではなくって、アナグマ。

 夜行性のはずなんだが、なんでかこの頃はあちこちでよく出会う。

 ・・・俺に惚れてやがんのか? ・・・な訳も無い。

 ・・・同じ穴のむじな・・・このアナグマの掘った縦横に延びる巣穴に、狸が棲みついて育児を始めたりすることから、そんな諺が生まれている。

 ムジナとは、狸やアナグマやハクビシンのことを言っているが、里によって違って来る。

 これや大猪を見誤って熊だと大騒ぎし、登山口に熊出没注意の看板が出てることもある。

 鹿の角研ぎ痕と、熊の爪とぎ痕を見間違ってる話は笑い話だ。

 臭いで解るだろう・・・強烈な熊の臭いは、銀座の公園に暮らすホームレスなんかじゃ敵わない。

 犬や猫クラスの大きさの獣でも、相当に臭い。

 風下にいると、ひっくり返るくらいに臭い。

 オストメイトになって、そういう時は風上に立ち、腹のパウチのガス抜きをしてやる。

 オナラ10回分くらいが溜まった奴だから、さすがの獣たちも退散する。

 山では臭いの凄さが権威のしるし、同行者が居る時はいつも教えてやってるが、俺が腹のパウチを取り出しにかかると、みなとっとと先に登って行く。

 ・・・障害者を差別してやがる・・・言い放ってやっても、振り向くことなく小急ぎで距離を開ける。

 ・・・あたしを置いていかないで~

 

 標高1000m超える山で葉が出るよりも先に花が咲くのがアカヤシオ、1000mに満たない低山で、葉と花が同時に咲いているのはミツバツツジ、そんくらいのことは、知っているだろう。

 ただ俺みたいな例外モノもいるが、見ればわかるだろう。

 菖蒲の花もあちこちで見るようになった。

 マムシやヤマカガシと言ったヘビたちは、この菖蒲のまわりを好む。

 逆にノミやシラミと言った痒くなる虫たちは菖蒲を嫌う。

 山で炭焼きをしているオヤジや、山で暮らしてる連中は、寝床の下に菖蒲をわざわざ敷いたりしてるくらいだ。

 四季に生きて来た日本人の生活の知恵は愉しいくらいにたくさんあるが、文明が進んだとはいっても、作りモノ・マガイモノ・人造のモノばかりの現代社会、自然界ではナンの役にも立たないシロモノばかりになっている。

 

 ところで、この春くらいから同世代の独身者が親を引き取って同居するという話が多くなってる。

 田舎は日本のあちこちだが、その親を呼んで広い家に住むという相談が増えて来た。

 当社は売買でも賃貸でも成約数の9割を超えるお客さんがご紹介やリピーターになってる周旋屋だが、飛び込みでも 近所で聞いて! という方が増えている。

 古ければ安心ということでもないが、銀座に住んで銀座で周旋屋をやってる爺ィの方が安心?

 山の話をしてあげると喜んで聞いてくれるのも、子供の時分を思い出してる高齢者には違いない。 

 なんでこんな息苦しい世の中になってしまったのか? 

 そんなことを言いながら、俺は笑っている。

 俺は、じぇんじぇん息苦しくないからだ。

 もう、今週末の山行、山歩も考えてある。

 


勘違いばかりの山歩きも、愉しい

2019-05-20 09:36:54 | 地球と生きる

 

 山の地図を見ながら、その時の天候や体調に合わせたコースを考えるのは当たり前のことだが、この距離と標高差の設定の計算がずいぶんと杜撰になっておって、同行者がいたりすると下山時にはぶ~ぶ~言われてる。

 山はどこでも解ってるから道迷いはないが、人の歩かないコース取りが多いから、その距離の足し算の時点で間違ってることや、勘違いからそうなってることが多い。

 ・・・ちゃんと降りてこれんだからエエやろが・・・

 ・・・聞いてた話と違ってたっぷり歩かされた・・・

 ・・・ほれほれ、キツツキが穴を掘ってるがな・・・

 

 昨日は午後の2時には戻ってきて、広島・阪神戦のアドゥアの投球を見る、そんなことから行程が決まった。

 目指す群馬の山々は、ガスの中なのは解っておったが、降られても小雨だろう、そんな感じで出掛けた。

 深夜にオストメイトの腹のパウチの交換を済ませて、2時間ばかりのんびりして、真っ暗な2時過ぎに車に飛び乗った。

 今日は睡眠はとらずに行ける、そんな体調だった。

 途中で関越のいつもの上里SAで地紛の美味いうどんを喰って、登山口に着いたのが4時過ぎ、軽く目を閉じて平衡感覚を慣らして、が眠ってしまって、慌てて出発した。

 ザックにはカバー、腰には雨具。

 腰痛と膝痛と息苦しさが酷くなっておったから、のんびりと人もいない山に入って行った。

 獣の臭いが相変わらず凄い。

 眺望はなくとも、アカヤシオには出会えるだろう。

 1000mまで登って、あと300mくらいか、腕時計の高度計で確認した。

 尾根に出るとガスが酷く、視界は無いに等しい、風も強くなって、小雨も振り出したり、ま~ま~想定どおり。

 ぬかるんだ岩場の急斜面と笹原の道を交互にこなしながら、転んだらエライこった、でゆっくり歩いた。

 自分では300mは登っただろうと思っても、相変わらず眺望の無いガスの向こうに黒い大きな影が見え隠れしていた。

 ・・・新しい山でも盛り上がったか? おかしいな・・・とは思った。

 降ったりやんだり、ガスもやもや、獣の臭いに注意しながら、大汗かいておった。

 そこからひ~こら30分は登っただろうか、やっと山頂に辿りついて標識を見たら、1600m超えておった。

 ・・・おやおや、またやっちまった・・・

 毎週のようにあちこちに登っておると記憶がこんがらがってしまってることは多い。

 尾根に出れば記憶を頼りに道迷いなどは無いが、距離と標高差の数値の記憶は怪しいもんだ。

 アカヤシオは、ところどころで満開だった。

 下山は違うコースをとり、もうひと山当てるかと、アカヤシオ見物にしたが、これも予定の距離よりも長かった。

 1000mくらいまで降りてくると空から日差しが届き始めた。

 やっと登って来る登山者に会い・・・上は雨でしたか?

 ・・・いやいや、あんたが登る頃には絶景だろうよ、悔しいけどな

 ・・・じゃ~、代わりにたっぷり見て来ます!!  嬉しそうな顔に腹が立ったもんだ。

 下山して、麓の源泉に浸かることも予定に入っておったから、昼前から温泉三昧、少し露天で居眠りした。

 いや~、良い天気になっておった。

 こういうことも、ちょくちょくあるさ。

 で、とっとと関越に乗って、2時試合開始を少し過ぎた頃、無事に戻って来た。

 山梨方面の山は、中央道が工事してるという話を聞いてるから、平日深夜と言えども縁起悪いから、次も長野の北の方かな・・・。

 

 去年は800mチョイの里山で、獣道と作業路とが入り組んでるのに騙されて、あげくに道がなくなり絶壁がドカン、仕方ないのでよじ登ったこともあるが、尾根から近くの山頂に出ると、なんと隣の山だったという、笑い話もあった。

 60歳過ぎてる皆さんは、じゅうぶんにお気をつけあそばせ。

 

 さ、仕事すっぺよ。


高い山の上でも、あ~で終ってる

2019-05-17 10:38:31 | 地球と生きる

 

 2000m以上の山頂からの見事な雲海、朝焼けに浮かびあがる山脈・・・見たことの無い人や、初めて見る人たちは興奮して、歓声をあげたりするんだろうが、何十年も普通に見てるジジィには、あ~、それだけで終わってる。

 そこが普通の居場所のような感じ、銀座の街で見聞きする贅沢三昧な話もまた、あ~、で終わってる。

 登山地図にも無い道を歩いて、こんな凄い目に遭って、そんな驚くようなことがあった、も、あ~、それだけ。

 経験の数が多くなってくると、男女の話の相談だって、あ~、それだけでいちいちメンドクサイ受け答えも無い。

 人間の社会では、感情が動くこともなくなって、自然の中におっても、それほどでもなくなって、あ~、そうなってくるといよいよお迎えが近いということなんだろうか・・・。

 ・・・あ~ その一言で生き仏になる、これが理想だろうか。

 

 米国の長短金利の逆転がまた起きている。

 話題にすらなってないが、むかしから景気後退の合図とも言われている。

 

 政治家と言うものは、長くその椅子に座っていることに意義があると、みな思っている。

 金のかかる現代の政治では、かかった費用を取り戻し、余計に良いことを貯めこんで、名を遺すことが目的だ。

 トランプ米大統領はその再たるもので、まず再選することが今の一番の目的でもある。

 ただ違うのは、悲劇をすべて喜劇にしてしまい、アメリカと言う国家の価値観を根底から揺すってる。

 世界の中心から、降りるための大統領だ。

 そんなトランプに、窮したら安倍と言われ、尻ぬぐいと貢ぎ金ばかり喜んで出してるマゾ国家は、どこの国だろう?

 

 築地の場外市場はそのまんま残っているが、そのど真ん中にあるマンションで退去があったので、昨日は午後から蒸し暑いなか自転車でノコノコ向かったわけだ。

 本願寺のあたりから怪しい外国人観光客が一気に増え、歩道を自転車で抜けるのも困難なほどに、トロトロ右往左往する連中が邪魔だった。

 場外市場の中に入ると、もう前に進むのも大変、相変わらずの芋の子を洗う状態だった。

 携帯弄りながら、異国の言葉が飛び交って、これまた右往左往、ずんずんどかしながら歩いて来た。

 知り合いの店やらもイロイロあるが、みな昼時は商売繁盛、気張っておった。

 そろそろ梅雨の空気を感じた。

 登れるうちに、山にはとっとと登っておこう。

  

 今日も本業とはまったく関係の無い相談事が、朝から舞い込んできてる。

 ・・・あ~ 


自然の中には、守秘義務はないさ

2019-05-15 11:14:31 | 銀座の周旋屋

 

 現役バリバリのベテラン弁護士や司法書士とは常日頃から関わり合いが多いけんども、昨日も売買の決済でいろんなオモシロイ話をたくさん聞いておった。

 仲介は俺だけ、他の不動産屋は入れない取引がずっと続いている。

 利益は双方から、そうしてその利益は多くの扶養家族の手に渡るだけ。

 ゼニカネなんてそんなもんだ。

 ヒソヒソ話がオモシロイ。

 こういう業務に関わる愉しい話は、ここでも書くことはできない。

 そう、周旋屋には守秘義務というものがある。

 40年近くで溜まりに溜まった守秘義務だけで、全集10巻は軽く超えるだろうか・・・。

 山の頂で絶景を眺めながら、一服して笑って話すことはある。

 守秘義務は人間界・社会での決まり事であって、自然界では関係のない法律となる。

 人間の世界とは常に縮小と膨張を続ける地球の薄っぺらい表層でウジウジやってるみみっち~世界のことで、自然界となると限りのない無限の可能性が必然として、ある。

 とてもじゃ~ないが、人間には手に負えない。

 

 観測史上最高の・・・いままで経験したことのない・・・人類誕生以来最大の・・・とは言うが、そもそも地球の表面に人類が巣食ってワサワサ蠢き始めたのは地球の歴史で言えばごくごく最近の話だ。

 人類が知らない話なだけで、地球にとってはたいしたこともない普通の話、そういうことばかりだろう。

 隣地境界で揉めてるのは人類の話で、地球の表面はねんじゅう伸びたり縮んだりを繰り返してる。

 そうやってじきに日本の地下に潜り込んで、ドロドロに溶けてマグマに戻る。

 仰々しい銅像や墓石だって、家や他の人間が持つ財産とともに、骨すら地球の内部へと引きずりこまれる。

 数万年もすれば、人類が表面に巣食っていたことすら、跡形もなくなっていることだってある。

 思い上がってるのは人類の方で、地球や宇宙にはどうでも良いことには違いない。

 

 周旋屋の稼業はひとつ決まると次はまた白紙からとなる。

 その日暮らしの典型みたいな商売だから、今日はぼんやりと山のことを考えて居った。

 ・・・ドアのノブが壊れて開かない・・・階段の手すりがブラブラになってて怖い・・・原状回復の清算をして・・・賃貸の解約をしたい・・・ビルの定期清掃が手抜きで酷い・・・裁判所がスムーズに動いてくれない・・・空室を早く埋めてよ・・・相続人がバラバラの意見を強硬に言い張ってる・・・腰が痛い・・・膝が痛い・・・親戚の独り暮らしのオジサンがタバコの不始末で火事を起こして焼死して、保証会社が相続人を尋ね歩いてる・・・朝からいろんな話が舞い込んできてるけんども、さ~て・・・昼はナニを喰うっぺか・・・。

 


今宵の月も、今宵かぎりだ・・・

2019-05-13 11:05:22 | 地球と生きる

 

 日光の山々は山藤の花があちこちで咲いておった。

 背の高い杉の木のテッペンまで、山藤の花が占領しているものまであった。

 ・・・お前は杉か? 藤だろう?

 そんな頑丈なツルでしがみついてる藤の花は、杉にとってはいい迷惑な話だろう。

 寄生花、山の鳥にも他の鳥の巣にヒナを生んで、一緒に育ててもらってるのがおるが・・・。

 まだ気温は一桁、午後でも涼しかった。

 

 帰路、わたらせ渓谷の最上部からのろのろ下ってきたが、足尾銅山が暇そうだったから、トロッコ電車に乗って中をブラブラして来た。

 身障者は無料だった。

 どこに行っても、障害者手帳を持っているとこういうことは多い。

 銅山の中はもっと涼しくて、寒いくらいだった。

 身長176セントだと、ずっとしゃがんで歩いてるような感じだった。

 江戸幕府が出来た頃から銅が発見されて・・・という観光案内ビデオをしっかり見てきた。

 閑散とした土産物屋で・・・銅のたわしを勧められたが、10円玉だって銅だろうが・・・土産にはならんがな。

 

 赤城と言えば麦豚だ・・・

 ・・・今宵の月は今宵かぎり・・・では、話がすぐに終わってしまう。

 ・・・赤城の月も今宵かぎり・・・

 いやいや・・・赤城の山も今宵かぎり・・・だ。

 誰だって? え? 次郎長だったか? いやいや国定のおっさんか・・・。

 とちゅう下道で美味い麦豚を喰って古城巡り、戻ってきた。

 なにをやってるのか、ボケ老人の徘徊みたいな登山になりつつある。