オストメイトで山賊と海賊・・・銀座のコテコテ周旋屋のよもやま話

去年は100の山を愛し、今年は108の山に恋をする。
夏は太平洋の大波で泳ぎ続け、日本の自然を愛して66年。

人の為に生きる時間が自分の時間

2022-11-14 10:28:08 | 神々の話

 

 田舎の大型商業施設の入り口で、借りていた車椅子を戻しに来たのだろう少女が、一生懸命に車椅子と格闘しておったから・・・どうした? なにをムキになってやっておるんじゃ?・・・たためないから・・・そうかそうか、こうやれば一発だ・・・と代わりにたたんで仕舞ってやると、遠くの車の傍にいるお婆さんに手を振って、お婆さんもピョコンとお辞儀をしておった。

 ・・・お姉ちゃんえらいな~、気をつけろよ、世の中は馬鹿な大人ばかりだからな~

 ただね、こういうケースは多々あるが、お婆さんは俺より若かったりするんだぜ。

 

 ITやネット電波を使った商売でボロ儲けをしていた連中が、仮想の現実の連鎖破綻によって、その富を失って行く時代になると、安易に金儲けをしていた体質は抜けず、コミュニケーション能力も欠如した人工猿では人を惹きつける魅力もなく、取り巻きやメディアからも無視されるようになると、一人では犯罪を犯すしか生きる道はなくなる。

 卑しい素性が丸出しになってくる。

 たまたま儲かった連中や、メディアを使って賄賂と談合を繰り返して、淫乱な体質を共有することで仲間を抜けられなくなりながら金儲けを続ける連中は、そもそもがまともな取り巻きなどいない訳だから、じきに哀れで惨めな最期しか待ってはいない。

 いまは、自分は大丈夫だと自惚れている自意識も、世界の趨勢には木っ端みじん、可哀相にな。

 

 昔から、当社には世界中の外国人もやってくる。

 ここは日本だから、精一杯の日本語を話してもらって、あとは片言の英語と、身振り手振り、おなじ獣であれば目を見て意味を探り合う。

 近所には、香港生まれで揃って日本の国立大学を出て飲食店をやっている仲良しの顧客がいるが、二人とも俺より5~6歳若いから、いろんな話を聞いてはアドバイスをしてきてる。

 うちの高齢者たち用に、特製のお粥を作ってくれたりしてたが、息子は北京大学を出て医者になり、日本でも医者の免許をとっていたり、頑張り屋であれば国籍を問わず応援し、調子の良いこと抜かす外人ならば叩き出す周旋屋だから、昨日も外壁の補修の相談で出掛けていた。

 挨拶で頭を下げる父ちゃんの髪の毛が薄くなってるのを見て

 ・・・ダンガー! 父ちゃん ヘア~!

 ・・・オ~マイガッタ 

 ・・・ガッタ? ボディーも ガッタガタかい!?

 ・・・そう、もう歳よ~

 ・・・50代でナニ抜かすか! ここは元気いっぱいだろう!

 そう言いながら、父ちゃんの股間を叩いてやったら、それを見ていた母ちゃんが

 ・・・ダメダメ! 使い物にならな~い!! ヘルプ・ミー! よ

 100均で、ウイッグとバナナの玩具を買って来て、プレゼントしてやろうと思ってる。

 

 暗くなって、元プロボクサーで、いまは年齢がいっても鍛えあげており、ボディービルの世界でも常に日本の上位に位置しているお兄ちゃん、とはいっても良い歳だが・・・いつもいるかな? と見て通るんだけど、ぜんぜん店にいないから、良かった~~・・・とやってきてた。

 大会の報告を写真で見せてもらって、鍛え上げた身体を突いてみると、見事なもんで、山や海で遊び惚けている俺の筋肉とは違って、ガチガチで割れまくっていた。

 山や海で必要な筋肉は、ほどほどに柔らかくなければ動けなくなり、怪我をする。

 ・・・見せる筋肉は凄まじいキモさがなければダメなんです・・・そういう意味も解るような気がした。

 俺の息子らが鍛えたがっているので、そのうち連絡させるよと、頼んでおいた。

 スプリングボクスに憧れて毎日毎日泥だらけになってたラガーマン時代は、俺もガチガチだったがな・・・いまは見る影も、ない。

 こういう格闘技系や、元ヤンチャだった連中は、昔から何故か俺のところによく報告に来る。

 反社から足を洗った奴らとか、男1匹というフレーズが、大好きな若者たちだ。

 ただね~、も少しオツムも鍛え上げたほうが良いと、いつも笑って言ってやってる。

 

 そんな風に、まいにち色んな人たちと関わり合っているが、銀座には、占い師やエステ・ネール・美容関係に針灸の店を営むオバサンたちが、素敵でお洒落な宣伝でニコヤカに営業を続けているが、その長くやってるベテランオバサンたちとは、色んな愉快な関わり合いも多い。

 霊感が強い、何かが見える、感じる、いろんな不思議なことが起きる・・・女性たちには昔から大好きな話題があるが、黙らせるには抱き締めて、その口をキスで塞いでやるのが一番だが、この頃はそれをやると犯罪になる。

 そんな喧しいオバサンたちでも、俺の日常をよ~く知っているから、いつも俺のまわりには光があって、澄んで清々しいとほざいている。

 神や仏を見下して、自分がそれらを超えてしまってると威張って生きて居るジジイには、通用しない。

 周旋屋の店の神棚にも、いつも俺が神として入っているのは、知る人ぞ知る有名な話になっており、手を叩いて拝んで行くオバサンもいる。

 ・・・偉いぞ、良いことあるぜ、お賽銭は俺のポケットに入れてくれ!・・・そんな愉快な関わり合いもある。

 俺が大手術を前にしたとき、そんなオバサン連中が中には涙ぐんで、占いや霊感によると・・・手術はしない方が良い! やめて!・・・と騒々しかったもんだったが、こうやってオストメイトになっても、なにも変わらずに山に登り海で泳いでいるのを見て、信じられない!! と、笑っている。

 そう、とうの昔に神や仏を超えてしまってるから、常人には理解不能の獣なのさ。

 それよりも、霊感が強い・何かが見える・感じるの・・・という、40歳50歳にもなって嘯いているお前さんたちに憑りついている幻の方が、オジサンには理解不能で、いつも・・・地獄に落ちろ!!・・・と大声で怒鳴ってやってる。

 オバサンたちは、いつものことで、喜んで聞いて笑っているがな。

 厄落としをしてもらってるつもりなんだろう。

 スッキリした顔になっている。

 

 貧しく追い込み、郷愁に染まらせて、牙を抜く、人民管理の基本だが、富を追わせて競わせて、貧しい中からも夢を掴めると憧れの存在を作り、お祭り騒ぎで狂わせて、その社会全体をまとめて管理下に置くという、ずいぶん古典的で幼稚な方法も充分に通用している島国だけども、そこには酒と薬が必ず置いてある。

 夢を掴み貧しさから抜け出せる総数は常に調整してあるという事実は、決して猿の群れには知らされることもない。

 あ~あ、だな。

 

 紅葉の山を歩いて来た。

 いよいよ登山も冬支度になってきた。

 使い込んだ道具類も、磨きをかけている。

 今朝は早くから車椅子を押して、爺様をお洒落な銀座風の散髪に連れ出していた。

 たいして髪の毛もないくせに! とドヤしているが、本人はニヤニヤ笑って楽しそうだった。

 俺は1回1200円の簡単バッサリで充分だから・・・あんたの1回分で五回は行ける・・・

 昭和の無意味な無駄も、他に楽しみも自分で作れなかった生涯には、大事なことなんだろうよ。