アカバナシモツケソウ、1000mを超えた山稜でゼ~ゼ~言ってる時、ときどき出会う花だ。
高山植物には女王だの淑女だのと言われる花々はあるけんども、勝手に言ってりゃ~いいことで、俺が一番に好きな花はこれだ。
厳しい四季に色濃く染まって、ほんの短いあいだの線香花火、そんな華奢で可憐な姿をしている。
この季節は小蠅や小虫や爬虫類も多くなってるが、みんな生きて春を喜んでると想えばこそ、山を降りて来て髪の毛やザックや服にくっ付いておっても、鼻をかんで小蠅が出て来ても、ま~ま~愉しいことではある。
オストメイト(人工肛門)でも山に登れるよ! 海でも泳いで潜れるよ! スキーもスノボも出来るよ!
こういう台詞はいろいろあるが、具体的にどういう風な仕掛けで、どういう姿で、どういう装備で、どういう状況でやるのかという話になると、ナニも無い。
聞きかじりの、受け売りの、又聞きの精神論ばかりでは、行動は出来ない。
いつも腹部に付けているパウチだって、海外のメーカーが良いと言えども、その生産工場や生産時期によって商品の仕上がりにムラがある。
不良品だってある訳で、そんなのを付けて山や海で遊んでるとエライ目に遭うわけさ。
だからいつも2ケースづつ買ってはすべてをチェックして、一個一個の換気フィルターを封鎖してからでないと俺は使わないし、不良品があればメーカーに電話して苦情も言って交換してもらってる。
・・・山の中で、海の沖で、アクシデントが起きたらどうするんだ? 誰が責任をとるんだ? そういうこと。
オストメイト(人工肛門)になる手術自体は失敗が少なくなってるが、その後のケアは 大丈夫! と言うだけで、ナニが起きるのかなどの説明はぜんぜん無い。
ちゃんと介護や看護や相談室もあるから・・・外科医は簡単に言うが、いろいろ話してるとあんたナニも知らないじゃ~ないのか? そういうことも多い。
俺の場合は周旋屋の仕事いがいの動きの方が多彩で広範囲になっておって、その全部を健常者とおなじようにこなしたいと考えておるから、とんでもないトラブルや失敗は数えきれないほどにある。
山に登るといっても、どこの馬の骨が言ったのか知らない百名山だとか、山小屋やトイレのある富士山やアルプスの有名な山ならば良いが、そんなのはとうの昔に飽きてしまって、人のいない2000m前後の山ばかり歩いて登ってる訳だから、アクシデントは数えきれないほどある。
最初からこうしておけばナンと言うことも無かったのに・・・そういう初歩的なトラブルも多かった。
海で泳ぐたって、太平洋の荒波のなかで沖まで泳ぎ出てる訳で、危険がつねに傍にある状態で泳いでることは多いから、これまたアクシデントは数えきれないほどにある。
どんどん行動して行くタイプのオヤジは、講演会や会合などに呼ばれても、そんな時間があれば山や海で遊んでるほうを選ぶから、どんどん独創的なオストメイトになっているだろう。
大病院やWOCでたまに話すことはあっても、どうにも理解の度合いが違い過ぎて、あんたらは本当にオストメイトを理解出来ているのか? そんな拍子抜けするような話が日常になってしまってる。
これが我が国でのオストメイトの現状だ。
ひで~後進国だと言って良い。
途上国と言えば聞こえは良いが、ではその為にナニをやってるのか? となると明確な行動などナニも無い。
オストメイト・トイレを作ってやってんだから満足しろよ! そんな感じだ。
オストメイトがトイレでナニをするのか? 便座が普通のサイズではなんの意味も無い。
どいつもこいつも、哀れな提灯だ。
で、俺のようなオストメイトは業界メーカーや協会や団体の閉鎖的でイジイジ陰湿な連中は無視を決め込んで、知らないことになってしまうのが、今の日本の現状だろう。
ここは、おおいに笑って良いとこだ。
さ、長期休暇の前後は、善良なる庶民の皆様がたの群れはジッとしているから、とっとと山にさ登ってくるべよ。