わたしのいえ・プロジェクト

マイホーム新築の記録と、それにまつわる、アレやコレ。

08/06/14 配筋検査・現場定例

2008-06-14 19:21:23 |  Ⅱ.地業・基礎工事

配筋を検査するのだ。

配筋検査は、私の職場では、構造設計者の仕事です。

私は、建築計画の専門なので、主に平面プランを練ったり、デザインしたり、構造設計と設備設計の取り持ちをしたりして全体をまとめ上げることが、職能です。
高層ビルの構造は、「資格はあっても」検査できません。
この、「資格はあっても」というのが、現在の一級建築士制度の矛盾点です。
それぞれ要求される職能が、まったく異なるにもかかわらず、建築設計、構造設計、設備設計、全員、「一級建築士試験」という、同じ試験制度によって与えられる、「一級建築士」という同じ資格を持つのです。
でも、わたしが構造設計をできないのと同じで、構造設計者は、建築の設計や、はたまた、設備の設計はできません。
餅は餅屋です。

構造設計のインチキ事件に端を発し、現在、一級建築士制度の見直しが行われています。

さて、本題にもどります。
木造2階建ての、わたしのいえ・プロジェクトでは、建築設計の専門であるわたしが、構造、設備、全てを担当しなくてはなりません。
でも、木造2階建てであれば、高度な専門知識を必要とする構造計算はないので、基本を抑えれば、わたしでも充分、設計・監理できる範囲です。

さあ、配筋検査です。
9:15に現場に到着。現場監督のNさんを待たずに一人で検査開始。
本日は晴天。巻尺持ってウロウロするだけで汗が垂れてきます。暑いです。
現場監督のNさんとは、9:30の約束でしたが、少々遅れて9:45にNさん到着。
 

配筋・型枠検査のキモは・・・

1.型枠のゆがみや隙間がないか。
目視で、型枠がきちんと立てこまれているか。ゆすってみて、がっちりと固定されているかなど、検査します。
見た目にきちんとしているかどうかでは、判断できないこともありますが、少なくとも、見た目がきちんとしていないと話しになりません。
見た目は大事。

2.鉄筋間隔・鉄筋径
正しい鉄筋が、設計図どおりの間隔で配列されているか。基本中の基本です。
たとえば、我が家の底盤はD-13@200=異型鉄筋13mm呼径を200mmピッチで井桁上に組む設計になっているので、各鉄筋が200mm間隔以下になっているか検査します。
また、鉄筋どうしの最低限の離れ寸法も規定されています。
あんまりくっつきすぎだと、鉄筋と鉄筋の間にコンクリートが充填できなくなるからです。

底盤は、綺麗に200mmピッチで配筋されてます。

3.かぶり厚さ:
鉄筋を包み込みコンクリートの厚さを「かぶり厚さ」といいます。
十分な厚さを取ることで鉄筋を保護し、鉄筋コンクリート構造が長持ちします。
最低限のかぶり厚さは、建築基準法で、部位ごと、場所ごとで、それぞれ規定されています。
基礎で土に接する部分は、もっとも厚く、6cm必要です。
基礎や梁で土に接しない部分で4cmが最低限のかぶり厚さです。
鉄筋と型枠の隙間を巻尺で測って検査します。将来にわたって耐久性を確保するために、これが一番大事な検査です。

かぶり厚さでもっとも重要なのは、土中に隠れる基礎の配筋が、きちんと6cm以上のかぶり厚が取れているか、です。
この現場ではピーコンからのネジ棒と、スペーサーでかぶり厚を確保してます。
6cm取れていないところがソコココに散見されます。
やはり、コンパネ型枠と手造り鉄筋では、現場監理が重要です。

4.重ね長さ
鉄筋を継ぐ場合は、必ず鉄筋の直径(正確には、呼径)の40倍以上の長さで重ねます。
たとえば、D13の鉄筋どおしを継ぐ場合は、13x40=520mm以上の長さ重ねます。
コーナーや、立ち上がり、など各部位で巻尺をあててチェックが必要です。

主筋のD-13だから、520mm以上の重ねしろが必要。OK。

立ち上がりはD-10なので、400mm以上の重ねしろ。立ち上がりを横に繋ぐ主筋はD-13だから、520mm以上の重ねしろ。 OK。

風呂場は、コンクリートの立ち上がり壁が高いです。配筋も替えてます。
設計図書通りに配筋されてます。折り返しもついてます。OK。

5.結束
鉄筋同士が、堅固に、なまし針金で固定されているか目視で検査します。
ブラブラしている鉄筋は、コンクリート打設時にとんでもないところに移動してしまうかもしれません。

底盤、立ち上がり、きちんと結束できているか。OK。

ここまでが本日の配筋検査。まだ作業が終っていない分については、来週月曜日の出勤前に確認することにします。

本日の「ダメだし」。
ガムテープでマーキングして、現場監督のNさんと、一箇所ずつ確認します。
結構、直し箇所は多いかも。
底盤下側のかぶり厚不足は、スペーサーの追加で修正できます。
基礎側面のかぶり厚不足は、配筋のやり直しが必要。
この調子だと、今日一日は直しで手一杯かな。

その他、今後、確認すべき項目は・・・

5.補強筋
人通口の開口、配管スリーブなどの周辺には通常の配筋に加えて、補強の意味で配筋を増強して、コンクリートの強度が周辺と同じになるようにしてあげます。
目視にて、適切に補強筋が敷設されているか確認します。

6.アンカー位置確認
これも大事です。設計図書どおり正しい場所に、ホールダウンアンカー、アンカーが敷設されているか確認します。
立ち上がり鉄筋にキチンと緊結されているか、基礎の中心に立ち上がるように配置されているか、柱からの離れ寸法は正しいか、巻尺で確認します。

開口部補強筋の作業は、今日の作業でできるでしょう。
スリーブ設置も今日の作業になります。明日確認します。

アンカー位置の確認は、場合によっては、コンクリート打設当日の確認になるかも

現場での鉄筋加工は、この二つのマシンで行います。左が曲げ加工、右が切断。
おぉ、ローテク万歳。

現場監督のNさんから指示を受けた職人さんが、早速、配筋の直しを開始します。

頑張って直してねぇ~!

 

その他、現場定例での確認事項。
本日は、配筋検査のため時間がもったいないので、ファミレスに移動せず、現場にて打ち合わせ。

□工程確認
・コンクリート打設には立ち会いたいので、曜日の調整。来週の火曜日か水曜日。
・打設後1日開けて立ち上がりを打設。
・養生期間は5日間。散水養生をお願いしたが、通常はそのための人区はかけないとのこと。 
自分でもできる作業なので、現場の水道にホースをつけてもらうことにする。
出勤前に水撒きしよう。 
散水養生については、後日、また、詳しく。
・上棟式をやりたいので、建て方は土曜日にならないか調整をお願いする。

□外装サンプル
・サンプルの鋼板の仕様が間違っていたので、正しいサンプルを受領。この中から選びなおし。

□電気メーター設置位置など
・電気の配線工事担当者が来ていたので、メーターの位置や、コンセントプレートの仕様など確認。
・施工図と、器具リストを提出してもらう。
・ケーブルテレビの引き込み方法を検討してもらう。

□軸組み図
・未提出。早く出してください!
・ホールダウンアンカー、アンカー位置を図面上で確認。

□サッシ
・玄関扉は、カタログにてYKK製品を確認。もひとつ下のグレードでコストダウンするか迷う。
・承認は、今月いっぱい。

以上。