食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回顧録、術前抗がん剤治療』

2013年01月16日 18時17分42秒 | 回顧録

9月14日~29日 

8月19日の初診から数えて延べ9日にわたる検査を終え、一週間後からは術前の抗

がん剤治療が始まる。抗がん剤治療で知っていることは『人によって副作用が酷く、

途中で中止した人もある』これだけ。コンビニの本売り場の棚に『抗がん剤治療時の

食事』なる本が並んでいた。副作用が出たからといっても入院中に自分で食事

をコントロール出来る訳ではなく『ケ・セラ・セラ』しかなかろうと、立ち読みで終

えた。肝心の食道がんは何の治療もされていないから猛スピードで増殖を続けてい

たと思われるが、この頃でも食事以外に自覚症状は何もないし、調子がよければ食

事も上手く食べられた。酒も煙草も一時中止、手術に備えて肺を活性化させるスー

フルという機械をブーブーと吹いていた。入院の手続きに行き部屋の選択をする。

個室の上は8400円/日、並は4200円/日、部屋の大きさや設備には興味はなくネッ

ト設備の有無には関心があった抗がん剤治療と名付けられているものの、使用する

薬はシスプラチンと5FU、癌細胞をやつけるのと同時に正常細胞にも攻撃をかける。

癌細胞だけに効き目あり、正常細胞には影響なし、これが良いに決まっているが癌

に対する治療、薬はそれほど進化していないことの証でもある。

おまけに副作用が酷くなり治療どころではなくなり中止することもある。それほど強

烈な薬、いや毒と同じだ。この治療に関する内容、特に副作用については詳しく説

明を受けた。自分の身体がどのような反応を示すのか全く予想できず、構えようにも

構えようを見付けられないでいた。昔々、30代前半に野球をしていて酷い捻挫で2

週間ほど入院したことがある。初めてのナイターの試合で、四球を選び2盗、3盗と俊

足ぶりを発揮したつもりが、これも慣れない初めての固定ベースに足がひっかかり、

3盗はセーフになったが瞬間から足首がおかしく代走を頼む。ベンチに戻るのも足

着くことが出来ないからチームメートに抱えられての帰還。

ベンチに座ったまま観戦しやがて試合終了、遅くなったけど数人と我が家で呑むこと

になり、酒を呑むと痛かった足が嘘のように軽くなり足を着いて歩けるようになった。

良かったと安堵したのも束の間、酒が切れた夜中から足首が疼きだし、おちおち寝て

おられるような状況ではなくなった。悶々と朝を迎え、友人に頼んで病院に連れて行

って貰ったら、即刻入院の宣告。食事は外科なのに一汁一菜の修行僧のようなもの、

風呂は垢だらけで湯船に入る気にはなれず、二人個室という名目だが、まるで投げ込

み部屋を急遽、病室にしたようなもので窓辺に花を飾っても『掃き溜めの鶴』といったと

ころ。入院のイメージは『汚い、不味い』だが、今回はきれいな病院だから『汚い』からは

解放されたから、あとは『不味い』かどうかだけで入院ライフの質が決まる。

副作用のないように、食事が不味くないように・・・・。

 


『景気回復はあるのか』

2013年01月16日 18時16分27秒 | 日記

政権交代し自民党主体の政府が『日本病』の治療と声高に叫び、それを待ってま

したとばかりに財界の禿鷹どもが呼応している。国の借金を増やしたのは長い自民

党政権下でのこと、経済や産業の空洞化を招いたのは誰ならぬ経済界自身である。

ともにA級~C級までの戦犯が『今までの事はデフォルト、今回こそは・・・』と

言わんばかりに景気回復への期待感づくりに躍起となっている。確かに景気は『気』

だから空手形だけでも景気回復になることがあるかもしれない。私も景気回復を望ん

でいる一人だから、どの政党や政権であろうがそれを上向きにして欲しい。

しかし、安倍さんも麻生さんも以前に総理大臣をやっていたのに、成果はゼロだった

のではなかろうか。今回こそは何か秘策でもあるのかと思ったら、予てから禁じ手とも

言われたことのあるインフレターゲットだとおっしゃる。

ふーん、デフレだからインフレを起こしてプラスマイナス0ならばいいのだが。ここで日

本国民の皆さんは大切なことをお忘れになっている。

『金融危機で銀行が倒産したら日本経済は立ち直らなくなる。何としてでも銀行救済

と騒いで、公的資金と名前を変えた私たちの税金をお貸ししたり、預入利息を限りな

くゼロにした』そのお蔭を以って銀行の殆どは倒産を免れ、再生を果たし空前の利益

を上げるにまで回復した。当時、注入された公的資金の殆どは返済済みである。

『国民の皆さんのお蔭で銀行は立ち直りました。今までゼロ金利で大変ご迷惑をお掛

けしました。当行の体力に合わせた金利に戻させて頂きます』

これが本当のエクセレント・バンクの台詞ではないか。

ゼロ金利で国民はどれだけの金利を損したのかご存知の方はいますか?一説には数

10兆円とあったが、正確でないとしても相当な個人負担を強いられていることは確かだ。

銀行の利子をもとに戻し景気回復の一助にでもしてくれ。この声が一番怖いのでは?


『回顧録、心臓カテーテル』

2013年01月15日 17時36分37秒 | 回顧録

これまでの検査のための通院は先生のお達しのあった『奥さんと一緒に・・・』の時を

除き一人で出掛けていたが心臓カテーテルは『同伴者』を求められており妻と出掛

けた。検査の途中に何が起こるか分からないことの証明ではなかろうか。私に限って

癌にならないはずが2つの癌を持ってしまったことからすれば、心臓カテーテルで何

万人、何百万人に一人であろうが『死神』を伴侶にする可能性が私であっても不思議

ではない。癌の本格治療を開始する前に死神と束の間のアバンチュールでは犬死に

等しい。2階の心臓カテーテル検査の受付に行くと控室に案内され、検査後はここで

2時間余り安静にして異常がなければ帰宅を許される。丁度、昼食時にかかるから昼

食の弁当を注文するか否かを聞かれ、どうせ拘束されるからと弁当を注文した。控室

で待っていると先客が検査を終えたらしく奥さんと思われる人に支えられながらヨタヨ

タと帰ってきた。『うーん中々、難敵らしいな検査後はあんな風に弱って帰ってくること

になるのか? 』しかも、カーテン越しのお隣さん、見えなくても何となく様子が分かる。

大変なことになるかもしれないが今更、ジタバタしても妙手があるはずはなし、もうどう

にでもなれと開き直るしかなくなった。悶々としながら暫く待っていると声がかかり、い

よいよ戦闘開始である。

部屋に連れられて行くと見慣れない仰々しい機械があり、検査用衣服に着替えるとす

ぐに診療台に乗せられ手首の血管からカテーテルが入れられていく。心臓の専門家

だから私の心臓がバクバクしており不安がっているのを手に取るように把握しており

『緊張しないで楽にして下さいね』とお酒のことできついお言葉を頂いた女医さんは優

しい女神に変身。手首からのカテーテルは血管の中を動いて感覚は何となく分かるも

のの、今この辺りにいるなんてことは分からなかった。『造影剤を入れるので身体が少

し熱くなります』の声と同時に、体がカーッと熱くなり少し動悸を打つのが分かった。こ

の辺りでは未だ余裕はなく次に何が起こるのか、不安はあったが徐々に様子が分か

り、肉体的な苦痛は伴わないことから『これは、精神的な不安に押しつぶされそうにな

っているようだ』と分析できるようになってきた。その後も何かの機会を捉えては『気分

如何ですか』とアスキングがある度に『特にないです』

と答える内に、『これなら多分、このままじっとしていれば楽勝かも・・・』少し余裕が出

て目を斜めにしてディスプレーを見ると血管の中をグニュグニュとカテーテルが動い

ていた。

『ははーん、カテーテルがこの細い血管を傷つけたり、運が悪いと心臓にグサリ』

本当は心臓に刺さるはずなどないであろうから、今までは取越し苦労だったと言うこ

とにして、リラックスしていくことに切り替えができた。時間は30分くらいだったと思うが

正確なものを覚えていない。検査終了の声を受けて、ソソクサとその逃げ足の速いこ

と。検査以前と何にも変わらないからルンルンで部屋に戻るが、椅子に座って静かに

しているなんてことが苦行だから、部屋の外に貼ってあるお知らせや説明文などを見

に行ったり、他の部屋の様子を見に行ったりしていた。

お隣さんの付き添いの方が『お宅は元気そうで羨ましいです。うちのは定期的に検査

を受けているのですが、いつも気分が悪くなるんですよ』と声をかけられた。同じ検査

を受けたのにこちらは馬鹿みたいに元気、お隣さんは検査で虐められベッドで横にな

っておられる。そして、頼んでいた弁当を食べることになるが先ほどの元気は少しトー

ンダウンし、静かにゆっくりと食す。

検査からの解放はまるで癌が完治したかのような錯覚を覚えるほど嬉しく、心の中にあ

った何かの呪縛から解き放たれたようでもあった。何はともあれ天王山を越え、これか

らは治療のための闘いが始まる。

 

 


『雪のせいにするな』

2013年01月15日 17時32分44秒 | 日記

都会人は学習能力に欠けるのか、都会の交通システムは余りにも脆弱なのか、いず

れにしても今回の雪騒動には呆れてしまう。一寸した雪が降る度に、このような馬鹿

騒ぎになり過去の経験が全く活かされていない。

だから起こるべくして起こっていることなのだから、ニュースになんか成りえないと思う

のにTV各社は何かスクープかのような扱いをしている。こんな雪の中しかも歩くのに

も大変な風の中、レインボーブリッジ近くの船着場に人がいるはずもないのに、わざわ

ざ出かけ『こんな風の中だからお客さんはいません』なんて馬鹿なことを放送している。

日本列島は南から北まで、北のノウハウを南の人が、南のノウハウを北の人が、幾らで

も活かせるではないか。こんな馬鹿な放送している暇があるなら、後者のことを研究し

て放送すべきだと思う。まあ、民放だからスポンサーから文句を言われなければ良しか。

小型の小物入れの制作に力が入り、大まかな組み立てを完了し、開き戸と抽斗の加

工までやってきた。明日にはこれらの組み立てを終え接着剤の乾燥待ちになりそうだ。

細々とした箇所の修正やら、研磨、カシュー塗料(漆)を塗り、木工オイルで仕上げて

いく。塗装といっても、ペンキなどのようなものではなく、透明色だから木目や肌などは

そのまま残るので、保護材的な役目になる。


『下部消化管検査』

2013年01月14日 17時53分23秒 | 回顧録

カテーテルが千秋楽ならば下部消化管はその露払いに値する。普通、露払いは前座

のように軽い意味で使われるが、ここでは同じ勝ち星で千秋楽を迎えたもの同士が共

に勝ち名乗りを上げ、決定戦に臨むことが出来るかどうかの勝負にも値する意味で使っ

ている。それは恐怖という点に於いて。

実は、この検査も初めてで、人の話によると随分辛いものらしい。腸に空気を入れ送りな

がら肛門からカメラを入れて検査し、もしポリープがあれば、それも摘出する、おーっと怖

いではないか。検査のため、院内のコンビニで検査キットを購入し前日から、そのキットの

食事を摂り、指定された薬を服用し腸内は空っぽにする。ところが思いとは裏腹にトイレ

に行っても肝心の便意を催さない、頑張ってみるもジャブ程度のもので、どのような状態

が腸内空っぽか感じは分からないが、どう考えても空になっているとは思えない。仮に腸

に残っているとカメラがウンチの素とぶつかって汚れてしまうから、期待する映像は映らな

くなる。うーん、困ったなーになる。ところが、急なのかどうかは分からないが

『今日はカメラではなくXX映像にします』と先生の説明があり、回転台の上に乗りあちこ

ち角度の撮影会が始まった。例の肛門からカメラ紀行はない変わりに、直腸チェック程度

のカメラ紀行はあったが、こんなもの楽勝。やはり便の出が悪かったみたいで

『便が沢山残ってますねー』と先生のウンチレポート。

思いがけず難関と思われた検査は、非常に簡単なことになり、嬉しい拍子抜けとなった。

この関門を通過し、残るは耳鼻咽喉検査と心臓カテーテルの2つになり検査の難行苦行か

ら解放されるのだから、回転台から降りる時には、ルンルンのステップになりそうだった。


『小型太陽光発電』

2013年01月14日 17時41分38秒 | 日記

ソーラー・バッテリー・チャージャーなるものを山小屋のバッテリーに接続して様子を

見ているが、効果の程ははっきりとしない。曇りの陽でも14V位の電圧は出ており晴

だと18V位まで上昇する。問題は小容量で電圧は頑張っても電流は頑張れないか

ら効果を実感するには至らないようだ。

LEDを16個搭載した照明モジュール、バッテリーにつなぐと電気スタンドくらいの威

力を発揮する。こいつをソーラー・バッテリー・チャージャーに接続するとバッテリー

接続にはかなり劣るが非常灯くらいには使えそうだ。こんなことをしていたら、小規模

の太陽光発電への興味がわき、20Wくらいのものを自分で作ることは可能か検討する

に至った。元々、仕組みさえよく知らないから調べて勉強を要するが、そんなに難しい

話ではなさそうだ。発電容量によってパネル、コントローラーの組み合わせさえ間違わ

なければ、メーカーの制約はないから値段との勝負になりそう。

こうした小規模のものを使っている先人の話によると中国勢が値段、バリエーションとも

幅を効かせているそうだ。バッテリーやACコンバーターは既に持っているから、消費電

力の少ない100V機器もここから利用できる。ACコンバーターは変換ロスが大きそうだか

ら、12Vで使えるものを探せばもっと便利になるはずだ。夢を描きながら片側ではパネル

の設置はどこに?とか駆け巡っている。

20年くらい前のこと、ソーラー発電がこれから世に出て、将来のクリーンで効率的なエネ

ルギーとして普及させる政策がとられた。システムは500万円以上、政府の補助は250万

円とか300万円などの数字が踊っていた。この頃からドイツは普及に力を入れ本格的に

取り組んだ。日本でも暫くこの政策が続けられていたと思うが、いつの間にか尻つぼみに

なり、太陽光発電は忘れ去られたかの印象がしていた。

近年、発電システムの価格は下がり、法律改正で売電も手伝い一般家庭にも普及しつつ

ある。過ぎ去ったことを悔いても仕方はないが、当時の環境省と通産省が連携して太陽光

発電にもっと熱を入れていたら、価格低下とともに普及率はもっと高くなっており、原発論

議の方向にも影響力を持ったと思う。

                        バッテリーに直結

    ソーラーバッテリーチャージャーに直結のLED、発光量が少なくLEDが見える


『回顧録、心臓エコー』 

2013年01月13日 17時49分27秒 | 回顧録

心臓は女医さんの担当で、弱りかけている私を少しは勇気づけて貰えるかと期待して

いたのに、ここでも長年の煙草の影響について聞かされ、勇気どころか更に弱りそうだ

った。何でも、煙草の害は毛細血管に現れある部分で急に細くなったりし、先端に血

液が送られなくなったり、そこが固くなりやがては・・・とか、心臓では等々恐ろしい説明

のオンパレードだった。

おまけに『未だ酒の匂いが残ってますよ。禁煙、禁酒を言われてますよね』ときついお叱

り。煙草は前日の8月26日を一時禁煙の日と決め苦しい2日目に入ったばかりなのに、

相棒の酒まで留目を刺されることになろうとは。殊勝な面持ちで寡黙になりヌルヌルの薬

の上を例の機械でエコーチェックを受ける。この検査も楽勝だった上に異常はなく連戦

連勝に気分はハイになるものの、この女医さん追い打ちをかける。

『詳細の検査はカテーテルをやってみないと分かりません。資料に沿って説明しますの

で、後からよく読んで承認されるなら署名、捺印して提出して下さい』

説明を受ければ、その内容は一時的に理解できるが、納得できるかと言えば『???』とな

る。素人目に見れば、カテーテルを手首から入れて心臓の辺りをゴソゴソさせる、もし間

違って心臓にグサッとなったり、血管が破れたりすれば癌の手術より先にお陀仏なんて

ことになるかも。

『先生、カテーテルだけは勘弁して貰えないですかねー』と懇願するもケンモホロロ。続

けて『先生、検査の死亡率が0.0xx%だったとしても私がそれになったら、100%の死亡率

ですよ』と変な小理屈を言ってみるものの効果はない。こんな患者の弱音や屁理屈など

お見通しの女医先生。

『それにしても、読めば読むほど署名なんてできないなー』と抵抗するも暖簾に腕押し。

心臓カテーテルは本当に怖いと思っていたから、何としてでも逃れなければと必死なれ

ど、必要な理由は理解しているから矛盾を感じながらの抵抗だ。子供が注射怖いと同じ

レベルで、本当は往生際が悪いだけの話。カテーテルの恐怖に打ち勝つには酒でも飲

んで、元気を取り戻す必要があるから、もう一寸だけ頂いてから本格的に一時禁酒すべ

しと都合のいい考えが浮かんできた。

そして、最終期限は心臓カテーテル検査の2日前までとし、それ以前に決心がついたら

一時禁酒とするのがベスト、いい具合にソフトランディングできそうな案ではないか。

実際の最終日をはっきりと覚えていないが、概ねこの案に沿って実行されたのだと思う。


『その後のザーサイ』

2013年01月13日 17時45分45秒 | 日記

昨日も今日も天気は穏やかで貴重な外仕事日和だった。昨日は陽も差しており風は

なかったから、午後から少しだけプルーンの剪定作業をすることが出来た。今日は朝

から小物入れ作りに精を出していたら、外に出掛ける機会を失い山小屋からの帰り畑

に寄ってみる。久しぶりに見ると高菜は大きくなったものが雪を被り、枯れてみすぼらし

いことになっており、不要の葉を取り除くことにする。

帰り際のちょい仕事の心算なのに、この作業は面倒ではかどらない。その内、辺りは薄

暗くなってきたから、途中で放り出し帰宅と相成った。

隣にザーサイがあり見てみるとコブが育って、はっきりと分かるようになっていた。

もっと大きくなると思っていたが、肥料不足なのかコブの長さは10cm弱、径は7~8㎝くら

いしかない。今の時期、葉とコブ(茎)の部分をサラダなんかで食べることが出来るとのレ

シピがあった。私はどうも勇気が出ないのでパスしている。このまま育てて、ザーサイの

漬物を目指そう。

 


『回顧録、透視造影TV』

2013年01月12日 17時56分54秒 | 回顧録

 8月25日

 透視造影TVによる消化器の検診を行う。がんの患部は透視検査、CT検査で特

定できており、しかもこの検査機器は通称レントゲン写真のビデオ版だから精密度

合いから言えば先述の機器の方が上と思われる。この装置はX線造影剤の使用前

と使用後の差分で血管だけを映し出すX線血管撮影ができる。私の場合は食道下

部、胃の吻門部のがんを摘出後に再建するのに、腸を代用する案があり、血行状

態により可否を判断すると説明を受けていたが、その判断材料づくりの一つでもあ

ったと思う。手術説明の時に私の血管図を見せて貰ったが、ただただ赤い血管だら

けの気持ちの悪いものだった。

検査そのものは痛くも痒くもなく、回転台の上で医師の指示通りに身体を動かすだ

けのことだから、楽勝ではあるが未だ胃も食道も健在だったから空腹の方が辛かっ

た。検査を終え院内のコンビニに直行し、サンドイッチを買い缶コーヒーと共に遅い

朝食にありつく。空腹、食べ物の罠に落ちまいと意識していたのに、欲の深い人間

はそれが薄れてしまい、結局は嘔吐でしか回復できない戒めを受けざるを得ないこ

と度々。ああ情けなや。

 

 

明確な記憶なし、この検査の時の説明書と思われるが違っていたら何かの参考に。

 


『ハンディー・スキャナーの使用感』

2013年01月12日 17時54分53秒 | 日記

大晦日に注文、1月2日に配達と世間の動きとは異なるパターンで入手したハンディ

ー・スキャナーを少しずつ使っている。利用範囲はとても広いと思うが、取あえず思い

ついたことから試験的か本格的は別として使ってみている。

情報を切り取り保存するという点では、以前紹介したWindowsのsnipping toolと似通っ

ており、PCからの情報はこのツールで、外部からはハンディー・スキャナーから取り込

める。スキャナーにOCRソフトが添付されており、読み取ったデータをWORD/EXCEL

形式のデータに変換してくれる。

ただ、アナログからデジタルに変換するのに精度はコストだから、添付ソフトに高いパ

フォーマンスを求めることは出来ないが、そこそこ使える。

現時点で使ってみたケースとして、新聞記事、雑誌の気になる記事、梱包用の箱に

使用方法が書かれているもの等をスキャンしてPCに取り込む。

そのデータはWindowsのOneNoteの中に分類して保存している。また別の使い方とし

て,一時的にせよ必要と思われるものは取り敢えずスキャンしておく。低い精度のLo

モードだと4000枚、Hiモードでも740枚をMicro SDカードに記録できるから、手当り次

第のスキャンも可能だ


『回顧録、治療方針の説明』

2013年01月11日 17時58分11秒 | 回顧録

多分、最初だったと思うが病状説明と今後の治療方針について説明を受けた。消化器

系等の絵で癌の部分の説明や5年生存率を示すグラフなど、一般的に使用される資料

だ。また多臓器への浸潤、リンパ節への転移などは確認されていないことから、摘出手

術を考えている、これが今までに分かったことと、これからの大筋道だ。

この時から先生は長期の喫煙と酒によるダメージが食道手術と言う大手術に与える影響

について、しきりに心配されていた。肺は肺気腫になったものが自然治癒し、その痕跡が

CTから見て取れる。肝臓のγ-GTPは50以下の基準に対し2090と論外の値を示していた。

癌が2ヵ所もあり、こんな状態なのに、いつも一人で診察を受けているから先生が

『奥さんはいらっしゃるのですか?』と唐突な質問。

『はい、いますけど・・・何か』

『こんなんですから、奥さんにもきちんと理解して戴かないといけないので、一緒に来てくれ

ませんか?』

『大丈夫ですよ、妻には私が説明しますから』と答えたら、先生は少しムッとした感じで

『そんな問題じゃないでしょう』と、今から思えばあの先生にしてはかなり怒っていたようだ。

この場面後にやっと理解できたのは、大方の人が診察室に二人連れで入って行くことだ。

子供や未成年ならば何の違和感は覚えないが、しっかりとした大人が、殆どが夫婦のよう

見える。心配だから付いて行くのか、一人では怖いから付いて貰っているのかは分から

ない。だから、それが普通で私のように一人寂しく診察室に入る人は稀なのだ。

明日、病院に行くという日、妻が『一緒に行ってあげようか』と言ったので『一人で大丈夫』

と応えた。自分で癌と診断しその確認と治療に行くのに付添いは考えの中に微塵もなかっ

た。もし、原因が不明で一人で行動するのに危険と判断したら、妻に付き添いをお願いし

たと思う。次の診察日、妻と二人で出かけた。心の中で『先生、これが私の荊妻です』と紹介

する。食道や胃の図画やグラフを見せながら疾患の状況、5年生存率、手術の危険性、治

方針など沢山のことについて、詳細な説明を受けた。自覚症状が段々と顕著になってお

り、そんな説明より早く治療をして欲しかったので、先生の説明は上の空のように聞いてい

た。憶えているのは、胃と食道の多重癌、他臓器、リンパ節への転移はなく生存率は40%くら

い、手術による食道・胃吻門部の摘出、関門は肝臓が弱っていること、長年の喫煙による肺

のダメージ(肺気腫の跡がある)により、大手術に耐えられるか心配、術後のICUでの治療は

長い場合2週間くらいになる可能性があること。

今回の手術はこの病院でも最大級の手術で約10時間かかる。各検査の結果をみないと手

術の可否が決められないので、指定された日に検査を受けるように指示された。

この時の説明では食道の再建方法などの具体的なことはなかったと思う。


『蕗の薹Ⅱ』

2013年01月11日 17時56分19秒 | 日記

晴天なれど風強し、山小屋でストーブを焚いていると、本当に常夏の国のように温まっ

ているから、外の寒さの事を忘れがちになる。天気もいいし家内工業日和とは言い難く、

先日来の先送り『エンドウ豆』の種まきを思いつきハウスに向かう。

外はやはり寒い。ハウスの中は風もないから温かく感じ、これまた外とは大違い。

ポットに春撒きエンドウの種を撒き、遅ればせながらエンドウの苗を育てる。ほかの人の苗

はもう10cm位に育ち、支柱やネットの準備だというのに、我が家は『種まき権兵衛さん』なの

だ。それにして晩秋に4袋も種まきをしたのに1つも芽が出ていない、ひょっとしてこれから

芽がでるのではなんて、淡い期待をしている。

山に蕗の薹があったので、蕗が沢山ある畑ではと覗いてみると、立派なものが沢山出てい

るではないか。本当に今年は早いのではないかと思われる。好きな人がおられるので毎

年、春の香をお裾分けしているが、『もう、出ている?』と、尤もな言葉。


『回顧録、閻魔様の声』

2013年01月10日 23時14分18秒 | 回顧録

『回顧録、閻魔様の声』

平成21年8月21日

血液検査、最初の診察時にも採血したように思うがはっきりしない。この時の数値が基

なり以後の検討に使用される。基準値を超える項目には*がつけられるが、その多

いこと。ここで、しっかりと油を搾られたのが肝臓の数値γ-gtpは規定値50以下を大きく

超える2090と42倍もあり、若い先生は胡散臭いおっさんにどう対処していいのか戸惑っ

ているようにも見えた。しかし先生の使命は崇高なのだ。

『禁酒、禁煙』は免れないと観念していたら、案の定のこと、ボールペンで『きんえん』と

平仮名で書きながら禁酒についても然り。これくらい漢字で書いて説明しろと八つ当た

り気味の癌患者。しかしどうせ手術をするのだから今更、慌てて禁酒・禁煙をしなくても、

癌は急に大きくなったりはしないだろうから、もうちょっと様子を見ながら決めようと、寛容

な取り計らいをした。食べることが好きなのに、食べることが苦痛になりつつあり、落ち込

んでいるのに、その上『禁酒・禁煙』が加わったら、もっと落ち込んで癌細胞の好きな負の

栄養を与えることにもなりかねない。そんな馬鹿な屁理屈をこねていた。

平成21年8月24日

CT検査と心肺検査を受診。CTを撮ればリンパ節に転移しているのか分かるだろうし、先

日の胃カメラでの検査との整合性、精査が可能になる。胃カメラの場合は前日夜9時以降

が絶食だが、CTの場合は4時間前からの絶食だ。CTはただ寝転がっていればいいだけ

だから楽勝もの。

心肺は喫煙の責苦を打ち破るべく、いい結果が欲しかった。心電図、肺活量検査、走りな

がら心電図をとる動体何とか検査を受けたが何れにも問題はないとの結果を得た。心臓、

肺ともに手術中に少しでも不具合が生じると重篤な結果が容易に考えられるから、今後の

治療方法にも大きな影響を与える。この時点では未だ消化器内科に所属していたので後

に主治医となる先生とは未だ顔を合わせていなかった。CT検査とそれから1週間ほどして

CT・造影剤検査があり、『消化器内科』の所属から治療を担当する『消化器外科』に転属

になり、主治医の先生が決まった。

 

***** 過去のブログ、タイトル一覧 ****************************

*  2012年11月25日のブログに記載 2011.12.24~2012.04.31  *

*  2012年11月26日のブログに記載 2012.05.01~2012.08.31  *

*  2012年11月27日のブログに記載 2012.09.01~2012.11.18  *


『蕗の薹』

2013年01月10日 17時40分58秒 | 日記

 

『蕗の薹』

 

今日は3ケ月に一度の定期健診日、血液採取があるのでいつもの通り絶食をして、私

にとっては朝一番の8時前に出発。昨日に比べるとかなり温度が下がっており、フロン

トガラスには霜が降りたように白くなり、一瞬だが雪で道路がさーっと白くなる。楽勝のつ

もりで血液採取に行くと、40席くらいの椅子は満席、追加の椅子も出されていた。年明け

したばかりで私のように今年初めての人も多いようだ。ここでのつまづきは、後の診察に

も影響があり、いつもは9時半には終わるのに、長い待ち時間で10時40分までかかった。

腫瘍マーカーSCCの検査結果は後日、他の結果は異状なしだった。駐車場から出よう

して料金所に来ると、駐車待ちの長い列を追い越させてバスやらマイクロを入れようと

ていた。対向車線の事情で私は動くことが出来ず暫く待たされてしまう。動き出してか

ら、その列は数100mにも及ぶ長いものだと知る。正月明けの影響だろうか、こんな場面

は初めての事。病院から帰り山小屋に出勤する。

外を眺めていたら、蕗の葉が目に入り、ひょっとして『ふきのとう』はと思い、覗いて見ると

寒い中、2つも芽を出していた。昨年のブログでは2月12日に蕗の薹の記事を書いている

から、それよりも1か月も早いことになる。

昨年が遅かったのか、今年が早いのか、何れも異常なのか。

 

 


『回顧録、初診にして癌告知Ⅱ』

2013年01月09日 17時53分08秒 | 回顧録

『小物入れの作成』

小型茶箪笥は製作中でこれの行き先は決まっている。しかし、納めるのはまだまだ先

の事なのに、冬仕事に丁度いいと始めたもので明らかにオーバーペース気味。

事情というのは実に都合よく動いてくれることもあり、これより先に納めなければならな

いものができた。一寸したサプライズの贈り物を計画してしまったのだ。この度の作品

は松材を使って、幅・高さとも50cm位のもので使い勝手はいいと思う。

同じものを山小屋で使っているが、使い勝手はとてもよくお気に入りの作品の一つだ。

小型茶箪笥は暫くお休みにして、小物入れに集中。外は、一時的に陽が差したりして

いたが風は冷たいし、いざ外に向かうと陽が陰り、やはりこの時期は家内工業が一番。

『回顧録、初診にして癌告知Ⅱ』

これが終われば楽になれると励まし続けた。ところが、この作業は時間がかかり、身体を

よじるような仕草が見えたのか、看護師がすかさず励ましのエールをくれる。

先生はしきりに『目を閉じないで画面を見るようにして』と促すが、そんな余裕はゼロのア

ップアップで馬耳東風、だが一瞬目の中に入ってきた画像は『食道の癌の姿だった。ほ

んのちらりだったがグロテスクなイボのような形状にみえた。』ピンク色の食道に素人目で

見ても癌と認識できた。普段なら好奇心からもっと見ていたであろうが兎に角、串刺しが

苦しくて野次馬根性も何処かに逃げ出していた。

時間を正確には計っていなかったが、30分から40分はかかったと思う。腰砕け状態に近

い姿で診察台から降り、やっと生気を取り戻したような気分。結果よりも解放された喜びは

大きくオーバーに言えば、まるで治療の全てが終わったかのように思えた。現実に戻ると

絶食だったから腹は減っており何でもいいから食べたいのに、喉の麻酔をかけているの

で暫くは食べることができず飲み物で空腹感を満たすしかない。

別室で結果発表。開口一番『食道下部にがんがあります。』『やはり、癌だったか。これは

早く手術して貰わねば』と意を強くすると、医者は続けて『それと、胃の入口にも癌があり

まして・・・』完全にフェイントをかけられ、何か聞こうにも聞けない状態になってしまった。

辛うじて『食道がんが転移したものですか?』と質問できた。『検体検査をしないと確実なこ

とは言えないが、別物だと思われる』と告げられた。

この時点で『食道がんが胃に転移していた』と『食道がんと胃がんは別物』この違いの意味

することの重要性を全く認識していなかったが転移していない、この一言は妙に安心感を

与えてくれた。何でもいいから、早く癌を切り取れば、今のような不快な思いをしなくてもよ

くなる。本当に単純な思考回路が働き、治療することに相変わらず前向きな患者。

ただ、この日に閻魔様のお言葉『禁酒・禁煙』のお告げはなかったから、ジタバタせずに暫

くは今まで通りということにする。こんな状況が許されるはずもないことは承知の上だ。

食道がんは自覚症状もあるから分かり易い。胃がんは私の頭の中では認知されず、何かあ

ると『食道がん』の言葉が出て来る。

ずっと後に知ったのが私のような複数の癌を『多重がん』という。癌の告知をされ予想通りと

喜ぶはずはないが、やはりとガッカリすることもなく、先にあるであろう治療、手術に思いを馳

せ、現状からの脱却への意欲満々だった。

家に帰り妻には『食道がんだけかと思っていたのに胃がんもあった』と告げる。本人は落ち

んでいないから聞く方も沈痛な想いで受け止めるようなことはなく、よくある『頭の中が真

っ白になった』こんな情景でもなかった。先に自己診断による癌の自己告知のお蔭だ。


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