食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『抗がん剤治療の副作用、縮れ毛』

2012年10月18日 18時05分09秒 | 抗がん剤治療、回想

抗がん剤治療の副作用について、自覚症状が見られなかったために書き忘れてい

たものに『縮れ毛』なるものがあった。5FU+シスプラチンのコラボで脱毛は少々みら

れたものの、頭皮が透けて見えることもなく、傍目からは何の変化も無かったのだっ

た。この治療を受け、手術を終えて退院の頃になって髪の毛が天然パーマのように

なってきた。洗髪し乾燥させた直後なんかはフワフワの状態で、しかもチリヂリが際

立って見えた。私の髪は直毛で加齢とともに細くなっていたが天然パーマのようにな

る要素は全くなかったのに。風が吹くとサラサラとしていたものがフワフワに変わり、

何か美容室で手入れをして貰ったかのようで、少しだけ得した気分だった。

抗がん剤治療から約2か月後くらいに変化がわかり、今でも少しだけその名残りはあ

るものの説明しなければ気づかないほどだ。大量の脱毛に至るほどのダメージはな

かったにしても、髪にはこうした影響があったのだと思われる。

 

『其々の冬支度』

今朝の温度は10℃ちょっとだった。ついこの前までは暑い暑いと騒いでいたのに、

急に秋めいてTシャツだけでは過ごせなくなった。昼間の太陽の下で身体を動かせ

ば少しだけ汗ばむこともあるが、それも稀なことになってきた。

夜露も沢山おりるようになり、朝方の畑は草取りもできないほど濡れている。その上、

一昨日からの雨で畑の草はやる気満々になり、元気なこと。いつも思うが、雑草に接

木した雑草に負けない野菜は出来ないものかと。畑以外のことで畑を離れるとお草

様の御なり。それでも、美味しい冬野菜を目指して頑張るしかない。

こうした季節、イノシシも冬に向けて栄養をたっぷりと蓄えるべく餌探しに余念がない。

NPOの梅や桜が10本くらい倒されてしまった。先月の末に肥料をやったから、その臭

いに反応しているらしく、木を植えるために盛り土をした部分を掘り返した為、木はひ

っくり返されたり、折られたり。

また周辺に積んであった枝木や10㌢くらいの木も軽々とひっくり返していた。足跡から

すると母親と子供が2~3頭、昨晩のことだが、もしミミズなどが沢山いたとすれば、また

お出ましになる公算が高い。

私たちは動物と違って季節を多少なりともコントロールでき、生活環境を改善できるが

野生動物は、脂肪を増やし冬に備えることでしか守れないから、私たちがブツブツ言

うようなことに耳を貸している暇はないのだろう。


『抗がん剤治療の糞闘記』

2012年09月26日 17時59分23秒 | 抗がん剤治療、回想

 便秘のことなど聞きたくも見たくもない、これは誰も本音だ。抗がん剤治療を受けていた

時のことだ。治療前に懇切丁寧な治療内容と出るかもしれない副作用について説明があ

た。そこには日常生活の中でも起こりうることも、その副作用に含まれており、ひっそり

と『便秘』もあった。。

抗がん剤治療、シスプラチン+5FUの投与で、一般的に言われる、食欲不振、吐き気、目

まいなどを中心に注意していたが、幸いなことに目に見える副作用はなかった。最初の5

日間で投薬治療し、その後は安静にして体力の回復を図る日程で治療を始め約2週間

定だった、この治療は2回受けている。何れだったのか、はっきりしないが、いつもは

に行く大便が止まってしまった。毎日の検診でトイレの有無は報告するから2~3日後

『下剤』の投与を指示された。

しかし、こいつは根性なしで一つも効き目がなく4~5日目くらいになると心配になって

きた。それまでの人生で一度だけ『蓄便』の経験をしたことがある。経緯や経過は覚えて

いないが所謂、糞づまりになり大便が出なくなった。事が事だけに、どうしたものかと思

案に思案を重ねた結果、踏ん張るしかないと、トイレの中で格闘が始まった。肛門の出口

付近まで出かかっているが、余りにも巨大化した糞の頭の部分が顔を覗かせている状態

った。踏ん張るも、力むも、汗をかく、冷や汗に変わる。

この時は、糞闘努力の甲斐があり何とか始末できた。しかし、そいつが肛門を出る時は破

裂するのではないかと思うほど痛い思いをした。通過してからは、『天よお力を頂き、感

謝申し上げます』と腰が抜けるほど安堵した。

下剤を飲んでも効き目はないことから、以前の事が頭をよぎり『浣腸』でもしないと解決

できないかもと思い始めていた。便秘による腹の張りやゴロゴロなど一切なく、ただ便が

出ないだけだった。

ある日の夜中、便意をもよおしトイレに座る。ところが、自分の思いとは裏腹に便は一向

に出てこようとはしない。どうも、状況が以前に経験した肛門の出口付近に頭があるの

同じであるらしい。ならばと、経験のように頑張れば危機を脱出できるかもと、あの手

の手を尽くすが,所詮トイレに座っているだけのこと、何にも変わらなかった。

よーし、とばかりに洋式便器の便座に上がり和式のように座ってみるも、姿勢が不安定

こともあり功を奏さなかった。頭が出ているのであれば、汚い話だが爪楊枝のようなも

で少しづつ削ってやればいいのではと考え、出ている部分を手探りで試掘してみる。

便は水分をすっかり吸収され切っているから非常に硬く、最初は怖かったが段々,要領

分かってくると何とかなりそうな感じになり、その内、少しくらい手が便に触れても平気

になってきた。この域に達すると、危機脱出は夢ではなり詳細は省くが、叶うことになる

のだ。このバトルの格闘タイムは約1.5時間くらいだった。

抗がん剤治療という大それた治療中に、夜中のトイレの中でウンチをほじくっている馬

鹿げた姿を思い返すたびに、『それでも、良かったよなー出て』と思うのである。


リンク