先生とは毎日、回診で顔を合わせているが術後の説明と今後について話があるか
ら、妻と二人で聞くように指示された。妻は術後すぐに手術内容の説明を受けてい
るが私は今回が初めてだった。PCの画面に映し出された摘出の食道と胃の写真を
見せられたたが、頭の中に残っている食道の『これぞ正しく癌』のようなものではなく、
安物のホルモンのようで、説明を受けたものの素人受けしないものだった。
病理検査の結果、食道と胃の癌は別物でリンパ節への転移はなかったが念のため
に32個のリンパ節郭清と胆嚢の摘出を行った。CT検査での結果から縫合した部分
に異常なしで順調に回復ししているとのこと。退院後、体力回復した後、念には念を
いれるため抗がん剤治療を行うことが望ましいが、私自身どういう考えかを問われた
ので迷うことなく『受けます』の一言。
リンパ節の郭清や疾患部の摘出はするものの、未確認のものや見落としもありうるか
ら、そうしたことを払しょくする為にも術後の抗がん剤治療は安心を増すと、そんな言
い方だった。先生としてもそうしたリスクが少しでも低くなるなら、受けて欲しいのだと
思われるが、それよりも副作用もゼロの私だから、断る理由はこれぽっちもない。仮
に、多少の副作用が出ていたとしても癌の再発リスクを低下させる可能性がある限り、
そちらに掛けるべきで、副作用と闘うことを選んだと思う。
退院後、1か月もすればその治療をと言われた時、以前我が家にホームステーしたこ
とのあるEさんが12月の半ば前に来日するので、足を延ばして我が家まで来ると
いうことを思い出した。その日は決まっていたから、先生にそれまでに治療を終えられ
るようにお願いしたところ、逆算して1か月経たない11/25から始める予定にして貰えた。
病院から直接、メールを送ることが出来ないので文章を渡して娘の家から送って貰っ
ていた。こうした時、携帯電話は威力を発揮することは承知しているが、大の携帯嫌い
でしかもそれでメールのやり取りなんて真っ平ごめんだから、文明の利器の恩恵に与か
ることはできない。そうとは言え、一人で山仕事をしていると危険がいっぱい、ケースバ
イケースで直ぐに連絡をとれるようにと通話のみ契約で携帯を持っている。普段は用無
しだから、何処に行ったものか行方不明病にとりつかれ肝心な時は捜索してからでな
いと使えない代物。



