食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『手術から4年経過』

2013年10月09日 17時55分35秒 | 癌のこと

今日、10月9日は私が手術を受けた日、丁度4年が過ぎた。月日の移り変わりをあり

ふれた言葉で言うなら『遅いようで早い』となる。5年生存率の話をする時には月日の

経つのは遅く感じるが、年末を迎え1つ歳をとるとなれば早く感じる。私は術後、何日

経過したのかを表す術後カレンダーなるものを作っており、それによると今日は1460

日目になる。こうして日数にすると、やはり早いスピードで過ぎているようにも思える。

不摂生が祟ったり事故に遭ったりするものは外的な要因だから、そうしたものを除い

て考えた場合、自分の身体に宿命があるのだろうか不思議に思う。

しかし生きていく内には様々なことが起きるから、生命はそうしたものが複合的に絡ま

って決まる。私は手術をして癌を切除して貰ったが、恐らくこの時点から新しい宿命が

待ち受けていたと思う。自分の願いに叶うものなのか否か、それこそ分からないのが宿

命だ。5年生存率40%を背負いながら術後、幸いにもこれといった大きな不具合に遭わ

ずに済んでいる。5年生存まであと1年になったが恐らく5年を過ぎても癌との関わりを

忘れ去ることは出来ないから、癌細胞の有無に関わらず『癌との共生』は避けられない

と思う。何はともあれ、素直に4年経過を喜びたい。


『白い巨塔と癌』

2013年10月04日 17時37分29秒 | 癌のこと

今日は昼の給食がお休みだったのでお馴染みのラーメン屋に出かけ、お気に入りの

塩ラーメンを頂いた。店は昼前だったから店は閑散としており待つ間、古い週刊誌に

目を通していたら慶大病院の近藤 誠教授の癌の見解は今、一般的に言われている

ものと逆説を持論としており、その結果25年も教授のままで退官すると記載されていた。

その内容は確かに私たちが知識として摺込まれているものとは反対だ。

癌の転移について、癌の幹細胞には転移する性質を持つものと、転移しない性質の

ものの2種類がある。癌が発見された時、転移する性質のものは今の技術では確認

できない小さな時に他の臓器に転移していると言うのだ。治療したりして1年くらいし

てから他の臓器に転移が見つかったと、と言うのは小さい時に転移していた癌細胞

が成長して発見できるレベルになったからだ。

一方、転移しない性質の癌は元々の癌を治療すれば転移はしないから、順調に治

癒していく。

この話のまとめは、癌が発見されて手術をしても転移する癌の場合は既に転移して

いる、転移しない癌は手術で切除しない方法で治療する、つまり切除しなくても癌が

転移する恐れはない。手術による身体に与えるダメージ、低下するQOLなどを回避

できる。また、抗がん剤治療は善玉も悪玉も攻撃する為、身体へのダメージの割に効

果はない。末期がんの人に預言者のように『余命3か月』などと医師の説明がある。医

者でもこんな正確な人の命を推し量ることなど不可能だと言う。

こんな調子で一般論として語られていることの常識性、効果などを否定し続ける姿勢

から白い巨塔と重ねての記事だった。拾い読みだったから正確さに欠ける処がるかも

しれないが、概ねこんな内容で一般論とは逆説だが、私には受け入れられないもので

はなかった。


『枕と逆流』

2013年09月04日 17時05分45秒 | 癌のこと

いい値段をしていた低反発素素材の枕も価格競争で安くなってきた。子供のころは

蕎麦殻か数珠を中に入れたものがポピュラーだった。しかし最近は色々な素材のも

のがあり、専門店では体系に合わせたマイ枕を作ってくれる。

私はフワフワのスポンジ系は駄目なのに日本、海外ともにホテルや宿屋では頭が沈

み込むような柔らかいものが多い。だからずっと堅めの枕を使用、術後は市販品のも

のだと低過ぎ逆流を起こすので、バスタオルを敷いたりして高さを調整していた。

ホームセンターに行った時、低反発枕を発見。どれも普通の高さだから私には逆流

恐れありで、これを使うわけにはいかない。しかし、この枕は2枚重ねになっており、高

くするにはもう1つ枕を買って3枚にすれば希望の高さを作ることができそうだ。幅、長

さは丁度いいから取り敢えず2枚重ねのものを使って、塩梅をみることにした。その高

さは以前のものと同じくらいだと思っていたが、使ってみるとどうも高さが足らないので

バスタオルを追加してみた。万全のはずなのに最近は調子よく、ご無沙汰の軽い逆流

が起こるようになった。3晩も続いたので更にもう1枚のバスタオルを追加。これが計っ

たようにフィットし以後、逆流現象は全く出なくなった。低反発材だから頭の沈み込みは

少ないながら頭は固定されるから私はお気に入りだ。頭が胃より低い状態になれば逆

流になるのは分かっているが、術後はそんな寝相をしていないはずだし、逆流で目が覚

めた時も極端に頭が低い状態ではなかったように思う。どんな姿勢の時に起きているの

か本当の所は分からない。しかし枕の高さを変えてやれば逆流を防ぐことは可能だから、

頭が枕から外れていることではないのは間違いない。そんなに微妙なことではないと思

うが実際にはタオル1枚の高さで左右されるからデリケートなようだ。


『Happy birthday 』

2013年07月26日 18時38分27秒 | 癌のこと

昨日は私の67回目の誕生日だった。病気をしてから毎年巡りくる誕生日を迎える

度に、癌に間違いないと自己診断した頃を思い出す。手術を受け、癌にかかった

食道下部と胃の上部(吻門)の摘出、以後の外科的な回復は順調で、術前に症状

が段々と悪化していた時、苦痛に思っていた食事が何の問題もなく食べられること

を、大変有り難く思う。

また、今のような暑い時期に冷え冷えのコーラを思い切りグビグビと一気に飲み込

むことの快感、術後にとても憧れたこのことも自由自在だ、ヤッホー。

たかが一寸くらい喉につかえるからと言ってオーバーなことを・・・それなら水と一緒

に飲み込めばいいではないかと・・・・病気をした以外の人には理解し難い食事の度

の嫌悪感から解放され、残るは目に見えない内科的な闘いが残されており、完解へ

の5年の歳月を無事迎えることだ。

私自身の健康状態は、前回の検診で腫瘍マーカーSCCが1.0から1.8に(基準値1.5)

大幅にアップしており、次回のCTは造影剤を使った検査を予定している。過去の数

値は何の治療もしていないのに上下していることから、主治医も誤差、個人差の範疇

だろうと経過観察していくとしている。多少の心配はあるが過去の経過と私の考え方

から、ストレスになったり気を重くさせたりすることはなく、『必ず完解』に滑り込むと決

め込み日々、アクティブに過ごしている。


『患者と家族間、意識のずれ』

2013年06月07日 18時03分44秒 | 癌のこと

病気になり入院したり手術をしたりすると、本人は勿論のこと家族も同じように心配

して、文字通り一心同体になり病と闘う。だから医者からの注意や自分で持ってい

る知識から、少しでも身体に障るようなことは避けるよう行動したり、進言したりする。

私も入院中に妻からあれこれと細かいことを言われると、心配してくれていることは

十分判っているのに、過度な受け止め方になることがあった。つまり『五月蝿いこと

を言うな。そうした物言いの方が余程身体によくない』と思わせるのだ。例えば私は

塩辛いものが好きだから塩辛を食べたいと言うと『塩辛いものは避けるよう医者から

言われているのに…』と小言をつかれる。

気分のいい時、悪い時によって受け止め方は異なり、そうしたある日は『もう何も言う

な。このままずっと入院していた方がいい』と言えば『私が身体の心配をしなくていい

ってことなの?』と応える。こうなると、病人と看病人の会話ではなくなってしまい、元来

の目的である早く良くなることへのアプローチとはかなり外れてしまう。この関係には

会話の糊代となる部分、つまり余裕を無くしているから『少しでも決め事から外れるこ

とは許されない』となってしまっている。

また夜遅くダンピング症状に似たワナワナ感が出て『甘いもの』が欲しくなりチョコを

食べようとすると、妻は『夜遅くに・・・・』と小言めいたことを言う。

私にすればむやみに夜遅くチョコを食べようとしているのではなのに、言われなきこ

とを言われてはと、感情を害することもある。ダンピング、甘いものを食べる、このこと

は判っているはずなのに馬鹿なことを言うな。このケースも妻は『夜遅く甘いものを食

べる』この事の害の心配をしているからである。妻は普段から口煩いことはないし嫌

味を言うことなどないから、心底からの心配であることをよく理解している。

このように患者と家族間でも知らずの内に意識のずれが存在していたことを後で気

付き自分でも驚いている。意味合いは少し違うかもしれないが、病気をした先輩の

お言葉。『身体にメスを入れたり、大病すると精神的にも弱り、健常な人には理解で

きないことも起こしうる』だから病気の人と接するときにはその心の中を、そうしたフィ

ルターをつけて見てあげて・・・・。これは自分が病気をして分かったことだから人に

言えるのだとの言。こうしたことを大きく括ってしまうと、『慮(おもんばか)る』というこ

とへの配慮の仕方ではなかろうか。


『癌の起源について』

2013年05月20日 19時09分11秒 | 癌のこと

昨日のNHKスペシャルで癌の起源についての放送があった。別の事をしながら

のチラ観をしていただけだが、起源や生い立ちが分かっても未だそれの予防、

治療の方法は見つかっていない。癌は古くからあるといわれているが、まさか

7,000万年前に存在していたとは思いもしなかった。スミソニアン博物館の恐竜

の骨を分析した結果、癌により骨組織が目視で分かるほど粗くなっていた。

人の癌と同じだと言えるのか否かは別として、癌の存在は昔からあり、問題はい

つどのような経過を辿ると発症するのかと言うことになる。

近年の知見から人間の細胞は壊れると、直ぐに新しいものがコピーされて壊れ

たものと入れ替わる。ところが癌因子が遺伝子のどこかでコピーミスを起こさせ、

いきなり癌細胞になるのか何代もかけて変異していくのか別として、最終的には

癌細胞が作られる。その後も研究は進められ癌細胞の増殖は人間の生殖細胞

の増殖と同じような方法をとっているから、癌は常に増殖しようしているのだと言う。

普通、細胞はコピーミスを起こしそうになるとコピーを中止、つまり自殺して遺伝

子を守る。

ところが癌細胞の増殖速度が速いから、そうしたことを検知するより早く間違った

ものをコピーしてしまうから、間違いを消せないようになっている。

やはり、こいつは相当な悪だ。

癌を発症させるトリガーとなるものについても、色々と論じられているが、これに

ついてもリスクを高めることとしての納得性はあるが、絶対的なことは分かってい

ない。煙草や酒を呑まない、香辛料は食べない人でも食道がんになったり、綺

麗な空気の中で煙草を吸わないで暮らしていても肺がんになる等、いつも引き

合いに出される。その度、『癌になるリスクが高くなるので、止めた方がいい』こん

な説明を受けるはずだ。酒や煙草をしこたま頂いて食道がんになったから、私

などは十分に納得はしてますが・・・


『放射線治療を終えた友人』

2013年02月14日 18時04分15秒 | 癌のこと

リンパ節の癌になり、その影響で顔面内の神経を圧迫したり、癌に侵された部分を

外科手術し、計画されていた何クールかの放射線治療を終えて退院した。

外見上は顔半分に腫れが残っており(暫くしないと引かないそうだ)、以前の人相と

少し違うように見える。目、鼻、口、耳などには神経の関係で影響が残りそうで、口

調も以前と少し違うし、瞼の自律神経は未だ完全に回復していないからパチパチで

きないなど、手術による命を取り戻す代償を払った。

こうした手術はリンパ節の癌の治療ではなく、それによって影響を受けたものを治療

したものだから、苦労した割に効果が大きいとは言えないが、それがなければ生命を

確実に喰いむさぼるから、大局的には大きな効果がある。

手術の関係から経口食ではなく胃瘻によって栄養補給をしていたが、今は口からも

可能になり少しずつではあるが食べられるようになっている。未だ完全とは言えない

らしく遺漏用の器具は埋め込まれたままにしてあり、時期を見て取り外すとのことだっ

た。

『食事も水さえも口にできない状態が2か月も続いている』と一時は嘆いていたが、口

から食が摂れるようになり、やっと術前の自分の一つを取り戻し安堵していることだろ

う。同じ癌でも友人はリンパという臓器のような形態のない部分の癌で、常に身体中を

駆け巡っているから、私のものとは大きく違い複雑だ。ただ彼の癌も私の癌も最高で

『寛解』しかないから『再発』させないことが生き延びることになる、唯一の共通点だ。

幸い、彼は後ろ向きの人間ではないから、今まで辛い治療を受けながら治療の先に希

望を見ながら頑張ってきたと思う。

同病相哀れむ、ネガティブな思考を持たず、同病共に前進といきたいものだ。

『TVでカラオケ』

先日、書き漏らした件の追加。

【PCとTVを接続】

  TVでネット接続不可の場合、PCとTVをHDMIケーブルで接続し、ネットカラオ

  ケサイトをアクセスすれば、TVでカラオケが可能になる。

  この場合、マイクをPCに接続するなり、AV機器側でするなりの事は先日の方法

  と同じ。

 


『中村勘三郎さんのこと』

2012年12月07日 17時53分20秒 | 癌のこと

毎朝、出動前の1時間弱はテレビを観ており、興味ありなしに関わらず色々な情報が流

されるから、大きな出来事は目にしているはずなのに、勘三郎さんの初期食道がん治療

以降の様子は全く知らなかった。だから亡くなられたとのニュースはにわかに信じることが

できなかった。私も妻も『食道がんの手術が成功し静養から回復しておられる』とばかり思

っていた。一部週刊誌では手術後にも肺炎で治療との報道はされたらしいが、それにして

はTVでは何てこともなかったように思う。私たちだけがTVの報道を見そびれたのかもしれ

ないが。

歌舞伎と言う特異の世界で新たな芸風に挑戦したり、頑なに伝統を守る相反することに正

面から向き合っておられた。今の時代だから、勘三郎さんだから出来たのかもしれない。

志半ばの残念無念であろう。歌舞伎を知らない私でも中村勘三郎さんの笑顔はいつまでも

忘れないと思う。

専門医の話では情報不足で確定的なことは言えない、としながら食道がんとの因果関係は

薄いのではと言っておられたのを聞いて、私の主治医は術後に肺炎になること非常に心配

されていたから、体力低下に起因する関係はありうるのではなかろうか。

手術は7月末に終えられたのを私はすっかり記憶違いしており、もっと前だった言ったら妻は

今年の夏ごろの事と言う。食道がんでは小澤征爾さん、桑田佳祐さんなどのこともあり、混同

していたようだ。同じ病気を患った者としては、苦しみはよく分かるので少しでも早く、経過よ

く復調して欲しいと願うものだ。癌は他の病気と違い『完治』という合格通知を受け取ることは

ない。5年生存してやっと病気の『び』の字が薄くなった程度にしかならず、完治とはほど遠く、

それすら私たちにはとてつもなく遠い道のりなのだ。

 

ブログ目次  2011.12.24~2012.04.30 --> 2012.11.25

          2012.05.01~2012.08.31 --> 2012.11.26  のブログに掲載

          2012.09.01~2012.11.18 --> 2012.11.27


『術後1133日目、最近の食』

2012年11月18日 18時29分07秒 | 癌のこと

他の人のブログを見ると術後何日目なんて毎日、更新しておられるのがある。私は自

分の経過カレンダーを作っており、時々それを覗いてみることにしている。Excelで作っ

たただの表だから大そうなものではない。先ほど、たまたま目につき開いてみたら1133

日目ということだった。術後、途中途中で食に関する状況をアップしているつもりだが、

改めて最近のことを綴ってみようと思う。

術後から幸いなことに食べることの苦労は全くない。最初の重湯の時は早くお粥さんが

欲しかったし、お粥さんになると早くご飯が欲しくなっていった。こんな調子で割と早く、

普通食にも慣れていき、癌に侵されていた食道が再建された成果はバッチリだと喜んだ。

手術による食道と胃の構造、機能の変化は避けられないから、空腹感の欠如、消化機

の低下、食べる量の減少などを受け入れざるを得ず、そういう観点からのQOLの低下

は否めない。当初は栄養管理士さんから受けたレクチャーに従うよう努力していたが、最

近は慣れたせいか、術前と同じものを食べており、これは悪いからと特別な制限をしてい

ない。ただ唐辛子のように手術で極端に味覚の変わったものは、自然と避けている。

以前、晩酌は年中行事で夕方から、割と刺激のあるものを肴にビール、焼酎のお湯割りを

飲みながら、煙草をスパスパ、チェーンスモーキング。夕方から寝るまでに灰皿が満タンに

なるほどの勢いだった。昔、独身時代や結婚当初にお婆ちゃんや母が送ってくれていた

『塩干しするめ』をネットで発見してからは、この塩辛いものが大好物になり、酒の肴でもあ

った。術後、晩酌の習慣がなくなり冷蔵庫にビールが冷えていても、いっこうに減らない。

先日もTVで黒ビールの宣伝をしていて『美味しそうだから買ってきて』と頼み、妻が買っ

きたものの未だ封は開かず冷蔵庫の中でそのまま冷え続けている。今の自分の食と体

調の詳しいことは分からないが、得た一般的な知識から危惧されることは、消化機能の低

下でカルシューム摂取不足になり骨粗しょう症の予備軍になりうることだ。勿論、カルシュ

ームに限らずというのが正しいかもしれないが、今更ジタバタしてもしょうがないと、開き直り

つつも補助食品は?なんて思ったりもする。

食べると必ずお世話になる排泄。

これは終始一貫しており、2~3日毎に便通があり、たまに水便のような時もあるが腹痛を伴

うものでもないから、これが私の身体のサイクルということだろう。割と安定しており、お腹を壊

したように突拍子もないタイミングのトイレは殆どなく、自分でコントロールできている。

当初は胃が小さくなり消化機能の低下を助けてやらなくてはと、胃薬を飲んでみたこともあっ

たが、先述のように自分のサイクルと受け入れてから、薬も飲まなくなった。

同じ食道がんの友人も同様のことがあり、薬を飲んでいたと話してくれた。

二人で『なーんだ』

食べることのできる幸せに感謝しながらの毎日だ。


『がん患者の立ち話』

2012年10月21日 18時08分04秒 | 癌のこと

昨日のことだがリンパ腫で放射線治療を終えた友人が一時帰宅し、家の前で4年ほ

ど前に大腸がんを患った人と立ち話をしていた。私は出かけようとしていたのだが、

そこに合流し容態や治療の具合、経験談などに話が盛り上がった。

昔なら『おお丁度いい、ちょっと一杯飲みながら話そう』となっていたろうが、病を貰い

大人になったんだ。だれもそんな素振りはなかった。リンパ節の癌で耳鼻、目などの

神経を除去し足首から取った神経を移殖したそうだ。若い人はくっつきが良いから回

復の可能性は高い。と言うのが彼は瞼の神経が復活していないから、段々と下がっ

きて自分では上げることができない。つまり瞬き(まばたき)ができない。

そうすると目が乾くドライアイのようなことにもなるから目薬は必需品になった。視力も

左右で違いが生じているから、長時間の読書やTVはとても疲れるもと。

一番辛いのは放射線による口内炎、このために胃瘻が施され、水も2か月以上飲ん

いない。食を断たれるのは何より辛いそうだ。

これは私たちも経験している事なのでウンウンと頷く。治療前、自覚症状は何もなか

たが『がん』を退治する手術をしなければならなくなった。命を保つためだ。手術をし

ければ放射線治療だけでは対抗できず癌のやりたい放題になってしまう可能性が高く

なる。命を保つ手立ての一部は整ったであろう。しかし、そのためには代償が必要だっ

た。QOL(Quality Of Life)の低下、術前にこの程度がどれくらいか予測できただろうか。

説明はされていただろうが本当に理解されていたのだろうか。

個人差の事があるから、一般的なことを羅列するしかなくなる。起こるかもしれないし,

起こらないかもしれない。患者が想像し出す結論は曖昧なものにならざるを得ない。

手術をする前の方がよかった。仮に命が縮まっても。と言っても、もう遅いのだ。『私も

元気になり、癌になってもこんな風にできるんだと、人の励みになるようにもしたい』。と

友曰く。暫く間を開けて

『でももし、もう一回手術をするかと言われたら、今度は考えてしまう』

置かれた状況の中で自分にベストと思われる様な形を見つけ出さないと、思考はネガ

ティブにネガティブになって、本当に病に負けてしまう。だから空元気でも出して頑張ろう。

3人でこんな結論に達したのである。


『ICUのこと』

2012年09月16日 18時36分14秒 | 癌のこと

昨晩の懇親会で一緒した方は心臓に人工弁を埋め込んでいると言っておら

た。坂を上っていたら息苦しくなり、何か変な気がしたので取り敢えず病院に行

ってみた、ほんの一寸心配だったから。軽ーい気持ちで行ったら検査の途中で

医者が『あれ!』と小さな声に続き『車椅子を持って来て』と何がどうなっている

のか分からなかったそうだ。

『直ぐに入院。絶対安静。守らないと、心臓が止まることもある』と告げられ、劇

な展開に『そんな急なことを言われても』・・・・こんな日常的な言葉が出たとか。

その方は結局、人工弁を埋め込む手術をされICUは僅か1日で卒業だった。IC

Uで人口呼吸器を使用して心臓と肺の代わりをさせる訳だが、人間の臓器は動

かないと段々と縮小していくものだとか。私なんかは心肺の代行だからパーフェク

トに近いものだと思ってしまう。これを聞いて、主治医から説明を受けた時のこと

思い出した。

『XXさんは長年にわたり喫煙されてきたから術後、ICUに居る期間が週単位で必

要になるかもしれない。ここからはできる限り早く出られることが負担経減と回復に

つながる』

先生は具体的な中身には触れられなかったもしれないが(当時、沢山の説明を受け

たが、殆ど分かっていなかった?)成程、こんなような事を説明されたのだ。私は『どう

せ同じ病院、一般病棟より設備の整っているICUの方がいいのでは』と思っていた。

理由はもっと別のこともあるかもしれないが、ICUの中にいれば安全・安心とう側

は否定できないが、重篤な患者が入る所だから早く出ることは、重篤らの脱出

になる。

私は妻の話だと3日間がICUで、4日目はすぐ隣の個室、5日目にナースステーシ

ョン隣の個室、6日目にやっと自分の部屋に戻りついた。

他の人の闘病記と比してもICU滞在は長かったようだ。

ここでの滞在記は殆ど、記憶なしの為、語ろうにも語る術なし。


『8/23以来のアルコール』

2012年09月15日 21時12分07秒 | 癌のこと

術前まで呑兵衛だったのに晩酌も要らなくなってしまい、何かの催しがあ

り懇親会でもあれば口にする。また、子供たちの家族が集合になると、婿

殿たちと一緒に細々と杯を交わす。

新しいビールや発泡酒が販売された時、目にしたら物珍しく購入するが、

それすら口が欲しがらず忘れてしまう。

こんなこと、在り得ないのに我が身に起こっているのが不思議の不思議。

癌になり治療をしたら、習慣が純粋無垢の時に戻ってしまったかのようだ

が、術前の酒は呑め呑め、煙草は吸え吸えも悪くはないと懐かしい気が

する。

今日は、ある会合後の懇親会で酒を頂いたから、ショート・ブログ。


『多重がん』

2012年09月07日 19時08分34秒 | 癌のこと

ネットで見ていて知った言葉で、私のように食道と胃に別々の癌を発症し

たものを、そう呼ぶ。正式には

『多重がん(Multiple Primaries):同一人に報告されるべき2つ以上の

独立した原発腫瘍が発生した場合を言う。重複がんともいう。異なる臓

器または器官に夫々独立した腫瘍が存在する場合と、同一器官内に2つ

以上の異なる組織型の腫瘍が独立して存在する場合がある。』

多重がんと言っても、私の胃癌は食道がんのついでに見つかったもので、しかも

自覚症状は食道がんの陰に隠れてしまっていた。手術にしても、食道がんのつ

いでに始末して貰ったような感じのため、自分が胃癌患者であるという意識も食

道がんの陰になって低い。よくよく考えなくても癌が2つの臓器にあったということ

は、大変なことなのに、『一度の手術で治療できた』、これが大変だという意識を

抑えたのだと思う。

食道を摘出後、胃を再建して食道の代用としなければならないのに、胃にも癌が

あり、一部を摘出した後に再建した。この施術は計画の中では最終案だった。

もし胃がんが予想よりも悪かった場合には、今回のような結果にはならず、どんな

ことになったのか分からない。

ただ、ラッキーだったのは食道がんと胃がんはともに近かったため、一緒に摘出

できたことだ。胃は予定よりも短かくなったから、引っ張り気味になっていると思わ

れるが、それによる違和感は全くない。

胃がんに対する注意は、食道と同じなのか、先生からはそれぞれに分けての説

明はない。今のところ共に順調だから、ということかもしれない。

『多重がん』でも、時期がずれての発症だと、とても今の私のような心境ではおら

れないと思う。絶対に。


『他人の闘病記を読んで』

2012年09月06日 18時29分29秒 | 癌のこと

過日、色々な検索サイトから『食道がん闘病記』を検索して読んでいると記載し

た。時代を感じさせるのは、ブログの発信が携帯によるものが主流になりつつある

ということだ。簡単に開設でき簡単に更新できる手軽さから、特定サイトには沢山

のブログが登録されているが(本人の登録ではなく検索サイトのシステムが自動的

に拾ってくる?)、残念ながら、一時の思いつきで始め、1年で10数回の投稿しかな

いようなものが結構ある。私も参考にしたいから、あちこちと探してみるが、私よりも

逼迫した心境でおられる人には、そうしたものは残念ながら参考にはならない。

非難しているのでも批判しているのでもない。事実を言っているのだ。

当然の事、他人の闘病記を探すとき『食道がん』の中でも出来るだけ、自分の症

状や治療方法に似通っているものになる。と言いながら、自分のブログが、他人

から見て、そうしたキーワードがある訳ではないから、分かり易いとは言えない。

このことは、ブログ開設時にも書いているが、発症、通院検査、術前の抗がん治

療、手術・・・・・・と時系列で体系づけた構成を考えず、思いついたままに始めた

ところに原因があった。

病院でリアルタイムに投稿していれば、もっと日々の動きや心境を詳しく残せたか

もしれないが、回想記のようなところもあるから仕方はない。

だから、状況説明にしても淡白なものが多い。例えば、ICUから一般病棟に戻る

のにベッドから車椅子に移動するのに、立ちくらみがしたとか、しがみついてやっ

と車椅子に乗ったなどを交えて詳しい記述に対し、私は淡白に『足元がふらつく

ことはなかった』と記している。

日記のような所は素通りして貰い、何処かにあるかもしれない欲しい情報を探し

て頂くしか方法はないと思う。

同じことを何度も書くことになるかもしれないが、他人のブログ内容を参考しなが

ら、過去に記載した事の補足説明を加える必要があると感じている。私の経験し

たことが、どなたかにでも参考になればと思い始めたブログ、それは今でも変わり

なく、このブログを共有の場としたい。

 『イノシシの再襲来』

先週の土曜日に近くのイノシシの罠に50Kgくらいのものがかかったと聞いた。我

が家の山に出たものと同じかもと期待していたが、残念ながら外れ。一昨晩にお

出ましになり、あちこちを掘り返してござる。

今のところ、特に困ることはないが、シイタケの原木を倒したり、客土してきれいに

した所などをひっくり返されると、ちと困る。

本格的には、電気柵で防止できるが、そこまで緊急性はないから暫く静観。

 


『便利な通販』

2012年08月25日 18時07分09秒 | 癌のこと

日本人だけの特性かどうか知らないが『限定品』、『訳あり商品』に魅かれるらしく

ネット通販の宣伝文句は、これに尽きる。ネットでの買い物はオークションがあるし

Amazonは個人的売買の仲介のような形をとることもあり、買い方も様々だ。

田舎には専門性のある店が少ない。例えばPC関連商品でも家電量販店になけ

れば諦めるしかない。また、食材にしても一寸、凝ったものや専門性の高いもの

は手に入りにくい。そうした点、通販は便利だが、品物を直接見るわけではない

から不安とのお付き合いが必要になる。よくよく吟味したつもりでも外れもある。

もう一つの問題は送料だ。買ったものより送料の方が高いこともある。どうしても、

そこでなければ手に入らない、そんなケースは最悪だ。

また、支払いにしても銀行振込の場合は振込手数料、代引き手数料の負担があ

るから、高い安いを比較をする場合には、忘れてはならない。ならばクレジットカ

ード、購入時期と支払い時期のタイムラグがあり、自分なりに管理しておかないと

『しっぺ返し』を食うこともある。

家電量販店の価格とネット価格(送料・振込料込)では10万円くらいだとネット価

格の方が2~3万円は安い。地元でのサービス重視か価格重視で選択は異なる

が、故障時の対応を自分で出来るか否かが分かれ道だ。

食材にしても家電でも何でも、通販は便利で大変、重宝している。山で使うチェ

ーンソーの刃や、刃を研ぐ機械やらもお世話になっている。

ただ、せっかちな私には、直ぐ手元に来ないことが不満種。


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