食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回顧録、初診にして癌告知』

2013年01月08日 17時38分18秒 | 回顧録

『TV番組はピン芸人のものか』

政治にソッポを向いてから新聞、TVの見るものが変わってきた。以前は政治討論とか

選挙などの番組は必ず観ていたし、新聞やネットでも注視していたが、大きく言えば東

日本震災以降だ。自民党は政権を奪還し気色ばんでいるが、震災すら政治の駆け引き

にしている様を見て、この政党が政権に復帰しても日本の政治力が向上することはない

と思わせた。

案の定、失敗を繰り返して止めたはずの政策を先祖返りさせて、新しい自民党の政策と

おっしゃる。どうぞ、ご随意におやり下さいませ。

TVのチャンネルはそうした番組を避けると、ピン芸人の参加番組ばかりと言っていいほど

だ。それに今流行のおネエがわんさかといる。ピン芸人のことを知らなかったのに、最近は

妙に詳しくなり良いことなのか下らないことなのか自分でも分からない。今までは十把一か

げで観ていたから知らなかった、TVに出るまでに随分と苦労した人ばかりで、私は若い

人ばかりと思っていたのに結構、年をとっているではないか。

それはそのはず、そんな簡単にはブレークしないから努力と我慢に我慢を重ねた、運のい

い人だけが残っているのだ。

日本の政治家どもに言いたい。ピン芸人のような苦労と努力が足らないから、ろくな政

出来ないんだと。

『回顧録、初診にして癌告知』

さて、どこの病院に行こうか。知識はゼロに近いから、私の心の中にある事柄で消去して

た病院が松江市立病院だった。食道がんの手術が得意なのか不得意なのか、癌治

療に長けているのか、何も分からなかったし調べようともしなかった。行ってみて、頼りなさ

そうだったら違う病院にすればいいと思っていた程度の選択基準。

素人に先生や病院のスキルが分かる訳はない。まずは第一印象で納得出来たら、おまか

すればいい、素人がネットで調べた知識を振りかざし、先生から詳しく説明を受けても分

かる筈はない。先生と意見交換をしていい治療方法が編み出せるのだったら私もそうする。

要は自分の納得性の問題だから、自分が納得できなければ、自分で別の結論を出せばい

いのだ。平成21年8月19日、出陣の日。予約はしないで急患という形で診察を受けることに

した。初診だからカードの作成、問診票の記入は『時々、ものが詰まる』とし、内科の診察を

お願いしたら、『今日は予約で満員のため、総合診療に行って下さい』

診てもらえるなら何処でもいいから、それに従う。ここでは診察のためのもっと具体的な問

診票を書かされ、最後のところに『がんの場合、告知を希望するや否や』とある。癌の判定

をしうために来ているのに、それを告知されなかったらここに来た意味がなくなるから、

く大きな○をしておいた。

いじいじ、しながら待つこと1時間余、やっと順番が来て『あれこれ』と説明すると『今日は

でお見えの様ですから、健康診断のつもりで胃カメラを呑んでみましょう』

『何が健康診断だ。癌の確認に来たの』なんて、粋がっているではないか。ここから所謂、

落の底、検査地獄への旅の始まりだった。予約なしの飛び込みで、胃カメラ検査を受け

られるなんて田舎の特典?。

診察の為の衣装に着替え、喉の麻酔や注射を打たれ診察室横の待合室で待つ。同じよう

胃カメラの患者が緊張した面持ちで名前を呼ばれるのを待っていた。こんな状況下にい

るとお互いが戦士のようで、頑張っていきましょうかと、声なき声で励ます。胃カメラは何回

も飲んでいるから様子は分かっており、最初の飲み込みさえ上手くいけば、後はジッと耐え

るだけ。最初が肝心と逆に緊張してしまう。名前を呼ばれ診察台に横向きになり、穴の開い

たマウスピースみたいなものを咥えさせられる。その穴からカメラを入れてチェックをして。

今回は割とスンナリの方だろうが、予想していたよりは苦しく感じた。

『楽にして、肩の力を抜いて』とか言われるから、自分で思っている以上に緊張して、身体が

膠着しているみたいだ。時折、医師が『映像モニターを観るようにして下さいね』と言う。『こ

な串刺しの状態になっていて、そんな画像など観る余裕なんかあるか』今度は看護師が

『楽にして下さいね』と声を掛ける。カメラを移動させながら写真を撮っていたようだが、思っ

ていたよりも時間が長いではないか。『さっさと癌の位置を確定しカメラを抜いてくれ』と願う

も、カメラを飲んでいることが段々と苦痛になり、もう我慢できないと思うようになってきた。

すると『はーい、xx Cm』とか『xx yy 取りまーす』とか言い始めた。

『ははーん、やっと癌の位置がわかり、その部分を採取しているな』身体の中ではカメラの先

についているピンセットのようなもので、癌細胞を採取しているであろう、時々、腹の中が

っ張るように感じた。


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