カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

生物と無生物のあいだ

2008-10-12 19:13:16 | 本日の抜粋
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重窒素で標識されたアミノ酸は三日間与えられた。この間、尿中に排泄されたのは投与量の27.4%、約三分の一弱だけだった。糞中に排泄されたのはわずかに2.2%だから、ほとんどのアミノ酸はネズミの体内のどこかにとどまったことになる。
 では、残りの重窒素は一体どこへ行ったのか。答えはタンパク質だった。与えられた重窒素のうちなんと半分以上の56.5%、身体を構成するタンパク質の中に取り込まれていた。しかも、その取り込み場所を探ると、身体のありとあらゆる部位に分散されていたのである。(中略)
重窒素アミノ酸を与えると瞬く間にそれを含むタンパク質がネズミのあらゆる組織に現れるということは、恐ろしく速い速度で、多数のアミノ酸が一から紡ぎ合わされて新たにタンパク質が組み上げられているということである。
 さらに重要なことがある。ネズミの体重が増加していないということは、新たに作り出されたタンパク質と同じ量のタンパク質が恐ろしく速い速度で、バラバラのアミノ酸に分解され、そして体外に捨て去られているということを意味する。
 つまり、ネズミを構成していた身体のタンパク質は、たった三日間のうちに、食事由来のアミノ酸の約半数によってがらりと置き換えられたということである。

福岡 伸一 『生物と無生物のあいだ』より 講談社現代新書

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これは70年前のシェーンハイマーという分子生物学者の実験結果の記述だ。
70年前の知見を徳さんは昨日知ったことになる。

ものを食べることが単純にエネルギー補給と思っていた浅はかさ、、、、。
徳さんの体に入った食べ物は分子の段階まで消化された後、徳さんの身体中を通り過ぎる。
通り過ぎるだけでなしに、一時徳さんの身体として存在する。そして過ぎ去る。
だけど徳さんの身体そのものは何事もなかったかのように、昨日と同じ身体として認識される。
なんか、東洋思想の只中にいるような気分である。

70年前に徳さんがこの事を知っていたなら(おっと、まだ生まれていなかった)もっと哲学的な徳さんが誕生していただろうに、、、、、。

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