カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

『花を奉る 石牟礼道子の時空』 藤原書店編集部編 

2016-03-16 18:36:13 | 本日のこういうのが好きだ
一風変わった形式の一冊だ。
藤原書店が出版した『石牟礼道子全集』、『石牟礼道子詩文コレクション』などに寄せられた解説を集めたものだ。
その解説者の総数は100名を超える。

ある意味では読みにくいものとなっている。
100余名の人々の文体はそれこそ100余あるわけだから。
でも、そこには共通点がある。
皆、石牟礼道子の人柄や作品に感銘を受けた人々だ。

ある者は、水俣病患者であり、救済運動に共働した者。
ある者は、著作に触れ、ある種の感銘を受け、その後の活動に影響を受けた者。
ある者は、今回初めて石牟礼作品に触れる者。
ある者は、石牟礼道子の創作能に関わった者。
そしてある者は、身近に石牟礼道子の日常を共にしている者。

徳さんが取り分け感極まったのは、この10年間介護ヘルパーとして石牟礼道子の身辺のお世話をしている米満公美子さんの一文だ。

2011年、石牟礼道子が久々に水俣を訪れ、胎児性水俣病患者のいる明水苑を訪れる際に付き添ってた時の話。

  *****
(患者の一人、加賀田清子さんが)
「石牟礼さんもたいへんなことがあると思いますが頑張ってください。これからもたくさん詩を書いてください」と声をかけられると石牟礼さんの目に滲んでいた涙がどっとこぼれ落ちました。胎児性の患者さんをずっと見守ってこられる中で、数しれないたくさんの涙を受け止めてこられた石牟礼さんが、やっとこの一点において解放された瞬間だったように思います。
「私が詩を書いていることを知っているの」と石牟礼さんがお尋ねになると、清子さんは当然のように、「知っていますよ」と答えられました。私は石牟礼さんの問いかけを聞いたとき、石牟礼さんがどのような気持ちで水俣病の患者さんたちに寄り添ってこられたのかを改めて知りました。何にでも限りなく限りなく想いを馳せていかれる方だということを日頃から思っていましたが、石牟礼さんが掛けられたのは、ここにおいてもひっそりと、限りなくひっそりと寄り添ってこられた心情の具体的な言葉だったと思います。
 お別れのときの名水苑の玄関ロビーは、石牟礼さんのまわりをたわむれるように車椅子で弧を描く半永さんたちが、言葉などいらない、まるでキラキラと輝く妖精のようでこの世の楽園でした。私はその美しさが目に焼き付き、石牟礼さんもほんとうに幸せそうにほほえんでおられたことが嬉しくて、帰りの車の中で涙が止まりませんでした。
  *****



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