河内美穂 『上野英信・萬人一人坑』 ②

昨日のブログでの書き忘れ。

上野英信の志を引き継ぐ者の一人として紹介される小柳伸顕さんの談話から。
１９６８年から釜ヶ崎でケースワーカーとして無国籍、不就学の釜ヶ崎の子供問題に取り組んできた人だ。

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　ぼくはまあ、上野がどうかっていうライフヒストリーよりも、提起した問題を引き継がなければならないだろうと思ってやってる。原発事故が起こったときもそのね、あれをやってるのは
日雇い労働者でね。エネルギー政策の犠牲者はいつもね、最先端の技術の中で犠牲になってきたということですね。(原発事故のあった)福島だってあれ、炭鉱がなくなってでしょ？石炭がなくなってとにかく町興しするかって、原発ね。エネルギー政策っていうのはやっぱりね、石炭から石油になったときにね、大量の解雇でね、石油から原子力になったときもまた……。そこへずっとこう、いわゆる日雇いというかたちでね。
　原発を建設するときにも釜ヶ崎からかなり行ってるし、大飯の原発なんか事故を起こしたときには、今なんか考えられないですけど、汚染された水をね、釜ヶ崎の労働者が雑巾で拭き取っていたんです。しかもその頃、労働者と会って話したらね、「外せ」って言われたっていうんですよね、五分とか二十分でガイガーカウンターを外せってね。仕事進まないからってね。だから自分はどんだけ放射能を浴びてやっているかわからないって。いわゆる原発ジプシーになって回っている人はね、これがね、合わせていくらっていうのは出てこないですよね。ばくはもうね、こんな労働者を犠牲にしてエネルギー産業を支えることについては反対だなというふうに思いますよね。日本の核がどうっていうよりも、そんな過酷なね……。
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この本には直接関係ないが、日本経済の二重構造を常に問題にしてきた上野英信。
この一見とんちんかんな抜粋も許してくれるだろう、、、。




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