カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

開沼博 『はじめての福島学』 イースト・プレス

2015-06-08 17:58:42 | 本日の抜粋
カッカしてる時に、冷たいお茶でもどうぞ、と差し出された気分である。

福島の現実を、それもよく知らないままに感情で語りがちな我々に、
「避難」「賠償」「除染」「原発」「放射線」などステレオタイプな言葉だけで語りがちな我々に、
誰でもが入手できるデータを使って、福島の現在を語ってる本だ。
お前たちで勝手に創る福島イメージを払拭せよ!と。

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 若い人はもちろん、高齢者の方の中にも、積極的に郡山・いわきに引っ越している人もいる。「いわきに来たら病院が近くなってよかった。前は5時に起きて電車で通っていたのが、今は車で30分だ」「スーパーが近くなって買い物も便利になった。前はいわきまで週末に片道1時間近くかけて来ていたところも近くなった」などと言いながら。
 もちろん、原発事故がなければ、そのような選択をせざるを得ない立場に追い込まれることはなかったでしょう。しかし、実際に拠点となる便利な地域に住むことで、その地域に吸い込まれていく人口がある。
 つまり、今後20年、30年かけて緩慢に起こるはずだった変化を、原発事故は2、3年のうちに、10倍速で進めたわけです。それが福島で起こっていることの一端であることはぜひご理解いただきたい。
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福島は日本の先取り形態の地域だという主張である。

本の末尾に、「福島への有難迷惑12箇条」というのがある。

① 勝手に「福島は危険だ」ということにする

② 勝手に「福島の人は怯え苦しんでいる」ことにする

③ 勝手にチェルノブイリや広島、長崎、水俣や沖縄やらに重ね合わせて「同じ未来が待っている」的な適当な予言してドヤ顔

④ 怪しいソースから聞きかじった浅知恵で、「チェルノブイリではこうだった」「こういう食べ物はだめだ」と忠告・説教してくる
 
⑤ 多少福島行ったことあるとか知り合いがいるとか程度の聞きかじりで、「福島はこうなんです」と演説始める

⑥ 勝手に福島を犠牲者として憐憫の情を向けて、悦に入る

⑦ 「福島に住み続けざるを得ない人々」とか「なぜあなたは福島に住み続けるのか」とか言っちゃう

⑧ シンポジウムの質疑などで身の上話や「オレの思想・教養」大披露を始める

⑨ 「福島の人は立ち上がるべきだ」とウエメセ意識高い系説教

⑩ 外から乗り込んできて福島を脱原発運動の象徴、神聖な場所にしようとする

⑪ 外から乗り込んでくることもなく福島を被爆回避運動の象徴、神聖な場所にしようとする

⑫ 原発、放射線で「こっちの味方か?敵か?」と踏み絵質問して、隙を見せればドヤ顔で説教

おのおの方、心せよ!



本日のおまけ

今年の3.15の毎日新聞の開沼さんへのインタビュー記事より。
徳さんの印象に強く残った部分である。

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福島や他の被災地では、地域産業の活性化や高齢者支援、子ども・若者を主体にした地域づくりなどさまざまなテーマで面白いプロジェクトが進んできています。中心にいる人たちと言葉を交わしながら、政治的な志向を見ていくと、その多くが、いわゆるリベラル層ではなく、保守層であることにも気づきます。リベラル層はそこに学ぶことが多いのではないでしょうか。彼らの特徴は行動が先にあることです。何かを批判している暇があれば、まず自分たちが動く。

 彼らは地元の有力者や若者、人を集められそうな人に片っ端から声を掛けて組織を作ってお金を集めます。先祖から受け継いできたものを軸にまとまり、地元の上下関係を大事にしながら、地元の再生の象徴になりそうなものを作る。それを見るたびに、昭和の土建国家の時代はこのメカニズムがものすごいスピードで回転して、日本の風景を変えていたのだなと思います。いまだに存在する地方の自民党、保守層の強さはこれなのだと、改めて見せつけられた思いがしました。

 こうした動きは地元に必要なことを考えて動いているゆえの強さがあり、思想やイデオロギーと関係なく誰も反対できません。さらに、4年間やってきた人たちが生み出してきた成果は確実に地元に残っています。
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