カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

武田泰淳 「審判」 『武田泰淳全集第二巻』所収 筑摩書房

2016-03-19 18:58:31 | 本日の抜粋
戦争を知らない世代は、戦争を勉強しなければならない。

人類史が始まって以来、戦争が絶えた事はほとんどない。
しかし、歴史のエアーポケットのように戦争の無い空間が世界には散在する。
世界は、そのエアーポケットから学ぶしかない!

そのはずなのに、そのはずなのに。
何故か、戦争に憧れる人がいる。

日本の場合、今はおまま事だが、過去が過去だけに世界にとってはおまま事では済まされない。
それが、世界が日本を見る目だ。


戦争を知らない世代は、戦争を勉強しなければならない。
武田泰淳の戦中の殺人を読む。

  *****
「殺そうか」
フト何かが私にささやきました。
「殺してごらん。
ただ銃を取り上げて射てばいいのだ。
殺すということがどんなことかお前はまだ知らないだろう。
やってごらん。
何でもないことなんだ。
ことにこんな場合、実さい感情をおさえることすらいらないんだ。
自分の手で人が殺せないことはなかろう。ただやりさえすればいいんだからな。
自分の意志一つできまるんだ。
そのほかに何の苦労もいらんのだ。」
伍長が立ち去ったあと、この地球上には私と老夫婦の三人だけが取り残されたようなしずけさでした。
五月二十日の午後です。
かすかに靴の下の土が沈み、風がゲートルをまいた足のあたりを吹き抜けたらしい。
私は立ち射ちの姿勢をとりました。
老夫の方の頭をねらいました。
二人は声一つたてません。
身動きもしません。
ひきがねの冷たさが指にふれました。
私はこれを引きしぼるかどうかが、私の心のはずみ一つにかかっていることを知りました。
止めてしまえば何事も起こらないのです。
ひきがねを引けば私はもとの私でなくなるのです。
その間に、無理をするという決意が働くだけ、それできまるのです。
もとの私でなくなってみること、それが私を誘いました。
  *****

人は、戦争というスイッチが押されることで、いとも簡単にその人間性を変質させうるものなのだ。
そんな、情けない自分たちを変えてくれるものは無いのか?

答えは用意されている。
『愛』だ。
気恥ずかしいけど、それしか無いのだ。

君はISISの人を愛せるか?
君は安倍坊を愛せるか?

否!だと言ったら、君はどこかで間違っている。
間違ってる本人が言うのだから本当だ。



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