カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

驚異の動物七不思議

2010-03-26 19:17:16 | 本日の抜粋

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その日、孵卵日数が四十日をこえたので、あるいはヒナがみられるかも知れないという期待をもって孵卵室をのぞいた。
「キョキョキョ‥‥」
 突然、孵卵器の中から聞きなれない鳴き声がもれてくる。ヒナだ!と思い、早速孵卵器の扉を開ける。しかし、どんなに中を見渡してもヒナはいない。並んでいるのは、クリーム色の卵だけである。キツネにつまれたような感じで見ていると、再びあの鳴き声が身近に起こった。
 何と、その鳴き声は、卵の中から聞こえてくるのである。耳を近づけてみると、その不思議な鳴き声と共に、カサカサというヒナの身じろぎの音まではっきり聞こえる。
「キョキョキョ‥‥‥」
 隣の卵も鳴いた。まるで厚い卵の殻を介してヒナ同士が会話しているようにみえる。
 私はしばし茫然とした。卵が鳴いている、というその現象がいかにも現世のものとは思えぬような不思議な感覚があったからである。(中略)
 この現象が〝卵内ピッキング〟と呼ばれるものであることをあとで知った。
 しかも、親による抱卵の場合には、もう一つの現象が加わる。卵内ピッキングが起こると、これに呼応するように、親鳥が卵にむかってその種特有の鳴き声を上げるのである。
 どうやら、親と卵の中のヒナは、殻を介して鳴き交わしているらしい。
 この現象は、孵化前二十~三十時間もつづく。
 この鳴き交わしが、親子の関係を構築する上で極めて重要な意味を持つことが、その後の経験で徐々に明らかになってきた。

『驚異の動物七不思議』所収 中川 志郎 「ダチョウの卵はなぜ鳴くのか?」より 文春文庫ビジュアル版

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テレビなどで時々取材しているが、ペンギンなどの群れの子育てを見ると、感動的なものがある。餌を捕りに海に出かけた親鳥たちが多くのヒナの中から自分の子どもを間違えることなしに識別する。その能力に唖然とするが、その仕組みは、このピッキングにあったようだ。

このようなことは自然の中で放置されてこそ、本来の姿を保ちうる。

この当たり前の事実を、人間は無視する。動物園という奴だ。

よく子育てを放棄された子どもの動物が話題となり、我々にはその親を非難する気持ちがどうしても湧いてしまうが、そもそもの成り立ちが反動物なのだ。

≪動物園≫、、、。

動物愛護協会のような団体から、動物園そのものの存在を巡って議論されたなどという話を聞いた事がない。

そして、人間はその自然を加速度的に破壊し尽さんとしているのだから話にならない。

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