威風堂々のジョージャンっち

ジョージャンっちは何度も死にかけている。
慌てて駆けつけるたびに何度も蘇生して現在に至っている。
逞しい奴だ。

腎臓癌や膀胱癌や呼吸器不全が主な病名だ。
何度も手術を繰り返している。
現在は、気管切開をし、胃瘻の処置がされて自宅ベッドに横たわっている。

でも意思ははっきりしていて、文字盤や口の形で会話をしている。
まあ、簡単な意思疎通に限られるが、それでもジョージャンっちの意思は尊重されている。
一発では聞き取れないが、周り者は一生懸命彼の言葉を聞き取ろうとする。
彼も必死である。
２４時間介護体制が確保されており、訪問看護も一日に二回入っている。

元々のジョージャンっちは重度の身体障がい者である。
でも、今の姿は健常者の老人の病人と何ら変わりはない。

でも、何か変に思わないか？
そこにはジョージャンっちの置かれている環境と、一般ジジババが置かれている状況がかなり違うようである。
ジョージャンっちの置かれている環境の方が圧倒的に人間的だ。

背景は単純だ。
５０年ぐらいかけて障がい者は、人間性を求めて声を挙げ続けた。
その結果勝ち得た最低限度の人間としての権利を、誰も反論出来なかった訳だ。

でも、その人間的欲求の当り前さが、現在のところ、ジジババには適用されていないのだ。
その事に、諸障がい者団体は怒りを表明してほしい。

我々の要望は最低限の人間的生活権である。
それはジジババにも正当に与えられる権利である。
障がい者はジジババと連帯するぞ！との視点を切望する。


現在、週一のペースでジョージャンっちの所に出張治療に行っている。
どんだけ役に立ってるかは神のみぞ知るだが、カイロの荒業を捨て、撫でさする療法を模索中でありまする。



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