カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

池澤夏樹 『星に降る雪/修道院』 角川書店

2015-05-02 18:04:36 | 本日の抜粋
  *****
「ぼくはこれからどうすればいいか?自分を殺すことはできない。どんなに絶望してもそれはできない。さっきからずって考えていたのはそのことだ。主はそれを許さない。これからもずっと生きたまま、主と対話を続けなければならない。主は時には主のままで、また時にはどなたか聖者となって、天使となって、あるいは悪意に満ちたミルトスとして、現れるだろう。今ぼくがいちばん恐ろしいのはアダの声が聞こえることだ。アダがぼくをなじることだ。それは耐えがたいけれど、しかし耐えるしかない。無間の地獄。地獄は人の中にある。つまり主の中にある」
  *****

この本には二編の小説が載っている。
この抜粋は「修道院」より。

ミルトスは主人公ミノスの親友であり、アダは最愛の恋人。
その二人をミノスは殺す事になる。

二人への殺害は、殺意無き殺人とも言える。
その懺悔の美しさを描いたとも言える小説だった。


この〝殺意無き殺人〟
意外と身近な問題なのだ。

こんな事が徳さんたち世代に最初にもたらされたのは1960年代のベトナム戦争だった。
苦境に追い込まれた米軍は枯葉剤をジャングルに散布してべトコンの隠れ蓑を除外しようとした。
この時、民間人への殺意はなかったはずだ。
でも、現実の被害をこうむった多数は民間人。
必要悪とされる。

この構図は今もって変わらない。

この必要悪、支払われるべき犠牲、という発想自体が人類悪の一つ。

という認識をあの安倍坊は一切持っておらんのだよ、、、。

ミノスのように敬虔に祈れ!
おじいちゃんの話なんてどうでもいい。




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