『現代ロシアの軍事戦略』の続きです。
「戦略縦深」ということばが出てきました。初めてですね。
この本の中では、NATOの拡大はロシアにとって戦略縦深の喪失につながっていると書かれています。
よく緩衝地帯という言い方がありますが近いかもしれません。
両国間に他国や空間(海とか)があれば急襲されにくいということですね。
ソ連が崩壊したため多くのロシア周辺国と地域が独立を果たしました。
さらにNATOに加盟することでロシアとは直接対峙することになりました。
西欧主要国にとっては「戦略縦深」が長くなり、逆にロシアにとっては短くなったわけです。
ロシア周辺国にとっては軍事的な安全保障をどうするかが重要課題になります。
もちろんロシアに対して複雑な感情(プラハの春、ハンガリー動乱等)があり、ロシアと同盟を結ぶ国はベラルーシ以外ありません。
現状ではNATO加盟を希求することが現実的な軍事戦略になります。
米国が主導するNATOとしても都合がいいわけです。
「戦略縦深」が長くなります。
ただ加盟を希望しても「国内に紛争を抱えている国」は対象外になります。
ロシアはNATOに加盟したくてもできなくするためにウクライナなどを紛争当事国するべく軍事行動をしています。
この旧ソ連周辺国と地域がオセロゲームのように黒白逆転している様子が『現代ロシアの軍事戦略』に書かれています。
続きます。
お読みいただきありがとうございました。