内村航平の空中感覚を観ていて、高校のコーチの発言が興味深かった。
内村は中学校を卒業するとともに単身上京した。
彼の演技を見たコーチは、
「演技がきたなかった」といった。
もちろん、図抜けた技術はあった。
実は演技は汚くてもよかった。
それはこの時期からでも問題なく習得できる。
新たな挑戦が始まることになる。
ここで重要なのは、少年時代に遊びながら身に付けた感覚や技術である。
その感覚は中学校以降では身に付かないものだろう。
少年時代に天才と言われたもう一人の空中感覚を持つ男が高橋大輔だと思う。
岡山の倉敷で育った彼は、地方に「すごい選手がいる」と言われていた。
ジャンプもステップもすごかった。
しかし荒削りだった。
現在のような華麗な演技からはほど遠かった。
彼も少年期に、まわりの人に「大ちゃん、すごいね」と言われてジャンプやステップを楽しんだはずだ。
他の子供ができない技を軽々と決めていくことが楽しくないわけはない。
二人を見て思うことは、少年期はスポーツを楽しんで好きになることで十分だと。
サッカーの香川も同じようにボールで遊んでいたに違いない。
もちろん、普通の人は普通にしか育たないが、それもまた楽しい。
※カンコースタジアムに朝日が昇る。