ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

父の認定調査

2015-06-11 | ほとほと日記
今日は仕事はお休みでした。

介護保険更新申請に伴う父の認定調査があり、立ち会うために私は実家に行ってきました。

介護保険の要介護度認定は、地域のケアマネジャーが本人に面談して身体機能や認知力の現状を実地調査する「認定調査」と、主治医が医療的側面から評価をする「主治医意見書」が第一次資料となります。
特に認定調査の結果は非常に大きく影響しますので、私は立ち会うことにしたのです。

朝9時半開始なので、通勤者がたくさん乗車する電車を乗り継ぎ、千葉県I市の実家に行きました。
ほとんど同時刻に調査員の男性が到着し、一緒に自宅に入ることになりました。

父はいつになくキチンとした身なりで、散髪をすませたばかりのようでした。
母には「あまりちゃんとしないでよ。パジャマのままで髪の毛もくしゃくしゃくらいの方が良いんだ」と電話で言い含め、母も了承したような言葉を返していましたが、実際は全く理解をしていなかったようです。

調査員の男性は私や母に気を遣いながらも、着実に質問をして行きました。
父はどうしても「自分はまだしっかりしている」と訴えたいので、実力以上に答えようとします。
私は内心でハラハラしていましたが、母が存外的確に父の実態を伝えてくれました。
母としては要介護区分を高くして介護保険サービスをたくさん使えるように…と言った思惑は全くなく、ただ持ち前の馬鹿正直さを発揮していたのですが。

調査が終わると、ケアマネさんは事業者の顔に変わり、父にデイサービスを勧めはじめました。
リハビリが出来る。お風呂に入れる。好きだった囲碁も出来る…。

母は父が外部の人と関わることに拒否的なので(単に理解不能の領域なので怯えている…とも言えますが)、どうしても否定的な発言をします。
私も、父がデイサービスに向いているか…と聞かれたら「そうでもないと思う」と答えるでしょう。
社交性のないタイプなので、見知らぬ人の集まるデイサービスに行くことはストレスになるかも知れません。

ただ、そのマイナス面を考えても、定期的に外出をして体操をしたり多くの人と交わることは、心身のリハビリになると思います。
ですから、母を諭すようにやんわりと勧めていました。

そうやって調査員と母、私の三人が父の今後についてしばらく論じていると、デイサービスのパンフレットに目を落としていた父が、
「決めるのはオレなんだからな!」
と、強い口調で言いました。

それを聞いて、私は嬉しくなりました。
その通り、決めるのは父自身です。
その矜持と覚悟が健在ならば、父はまだまだやって行けることでしょう。