関税を批判していたWSJが「トランプ氏が貿易戦争に勝利した」と論評 ─ トランプ関税の評価が一変する日も近い
2025.07.18(liverty web)
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《ニュース》
トランプ関税を批判していた米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、「TACO(いつもビビッて退く)は忘れろ。トランプは貿易戦争に勝利している」と題した記事を掲載し、従来の評価を一変させる内容を発信したことで注目が集まっています。
《詳細》
市場関係者などの間では、トランプ米大統領が強硬な姿勢をとっても、朝令暮改風にコロコロ方針を変える様を見て、同氏を「Trump Always Chickens Out (いつもビビッて退く)」と呼び、その頭文字をとって「TACO」と皮肉る声が上がっています。さらにトランプ政権が貿易交渉で妥結した国が少ないこともあり、そうした見方が広がりを見せていました。
これについてWSJ経済担当チーフコメンテーターであるグレッグ・イップ氏は、「トランプ氏の目標を誤って解釈し、合意をまとめることの重要性を過大評価している上、同氏の関税引き上げ意欲を甘く見ている」と指摘。仮に交渉に合意しても、アメリカは引き続きほぼすべての輸入品に10%の相互関税を課している以上、「本人の成功の定義によれば、すでに貿易戦争に勝利していることになる」と論評しました。
つまり、関税全廃を求める声はもはや雲散霧消し、トランプ政権と交渉する各国は関税率の引き下げを勝ち取ることで"勝利"と見なし、市場も「関税がある前提」で反応しているなど、世界は「トランプ関税」を受け入れたと言えるわけです。
それを示すのが、このほど交渉に合意したインドネシアです。アメリカはインドネシアへの関税率を19%にする一方で、インドネシアに対する輸出では関税と非関税障壁の撤廃を得ました。
インドネシア大統領府の報道官は、「ベトナムがアメリカとの交渉によって関税率が20%に引き下げられた時、この交渉の成功に対して称賛の声が上がった。今回、私たちの関税率は(32%から)19%に引き下げられ、ASEAN(東南アジア諸国連合)各国よりも低い水準になった」と成果を強くアピールしています。
インドネシアは、ベトナムやASEANと比べて関税率が低い点を「勝利」と発信し、インドネシアの株式市場もそれを好感。さらに関税ニュースに対する反応や批判も、だんだん弱まっています。
前出のイップ氏は、「報復措置に出る国が限られるため、同盟国への関税も辞さないトランプ氏と考えを異にする共和党議員たちは、同氏に反対しにくくなっている」「トランプ氏は、ついに関税という手段を自分のものにした。自由に引き上げられる上、引き下げを求める圧力もほとんどない」などと指摘し、アメリカが最終的に勝利したかどうかは分からないとしつつも、トランプ氏は貿易戦争に勝利したと評しました。
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