【一面読み比べ】 毎日新聞の「中国撤退ビジネス活況」は、中国衰退の序曲?
2014.07.08(liverty web)
複数の新聞を読み比べれば、全く違うニュースが載っていたり、同じニュースでも価値判断が異なることに気づく。大手6紙の7月8日付朝刊の一面記事を紹介する。
宇宙安保戦略 日米が連携(読売)
日本政府が、宇宙の安全保障分野に関する利用指針となる「国家安全保障宇宙戦略(日本版NSSS)」を策定する方針を固めた。人工衛星からの海洋監視などで日米の連携を強化し、宇宙の軍事利用を加速させる中国をけん制する狙い。
親に隠された私(朝日)
生後、親に隠され戸籍がなく、学校に通えず、社会から存在を認知されないまま育った人々のルポ。17歳まで戸籍がなく、ほとんど字が書けない少女。込み入った話になると「わからない」を繰り返す。21年間、パチプロの父親との車上生活が続いた男性。父に捨てられ、保護され、22歳で新たな戸籍を得た。
人口抑制へ地方戦略 女性の世界会議創設 首相単独会見(日経)
安倍晋三首相が、地方の人口減少に歯止めをかけて活性化させるための総合戦略を年明けにまとめる考えを表明。世界の女性リーダーを集めた国際会議を日本で毎年開催する計画などを明らかにした。
中国撤退ビジネス活況 税や解雇の対策指南(毎日)
人件費や土地代などの高騰、政治リスクなどの理由から、日本企業が中国から撤退する動きが加速。そんな中で、撤退の相談に乗るコンサルタントや弁護士が増え、「撤退ビジネス」が活況を呈している。上場企業の撤退事例は、3年で6倍以上に急増している。
STAP論文 撤回理由書 共著者の合意なく書き換え 細胞の由来説明を変更(産経)
STAP論文の著者が英科学誌ネイチャーに提出した撤回理由書が、共著者の合意がないまま書き換えられていたことが分かった。小保方晴子・研究ユニットリーダーや若山照彦・山梨大教授など、誰が書き換えたのか共著者の間で水掛け論になっている。
川内原発30キロ圏 自治体の大半 代替避難所メド立たず(東京)
今秋にも鹿児島県の川内原発が再稼働する可能性が出る中で、周辺自治体に取材。個々の住民に指定されている避難所が、放射能汚染で使えなくなった場合、代わりの避難所がほとんど確保できていないことが分かった。
休刊日明けの火曜だが、一面のトップ記事はバラバラ。中でも、もっとも目を引くのは、毎日新聞の連載記事。以前まで、日本企業の中国進出を助言していたコンサルタント会社が、今では、撤退・縮小を支援。外資系企業が解散するためには地元政府の許可が必要だったり、その許可を得るために、過去の税金支払いを調査されるため、膨大な手間と時間がかかるという。
また、従業員の解雇にも「経済補償金」が必要だが、従業員の補償金積み増し圧力が強く、実際には、法廷額以上の金がかかる。一面から続く三面には、「中国『世界の工場』衰退」「工業区が『鬼城(ゴーストタウン)』化」の見出しも。左翼的で親中寄りのスタンスと見られる毎日新聞が、中国の現状を真正面から捉えている点で興味深い。(格)
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2014年4月号記事 なぜ「中国のバブル崩壊が近い」と言われるの? - そもそも解説 3分で分かる「世界の政治・経済のなぜ」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7421
2012年6月号記事 2020年中国は民主化する(近未来シミュレーション) - シリーズ 日本と中国の未来 第2回
http://the-liberty.com/article.php?item_id=4197
2014年7月号記事 インタビュー 天安門事件から25年 日本は積極的に中国に民主化を求めてほしい
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