高給取りの公務員 財政赤字なのに待遇は一流企業並み?
2016.04.03(liverty web)
安倍晋三首相は3日午後、訪問先のアメリカから、政府専用機で羽田空港に帰国した。
帰国前、安倍首相はワシントンで、2017年4月に予定する消費税の10%増税について、「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、予定通り引き上げていく予定だ」と発言。その上で、「延期するには法改正が必要だ。そうした制約条件の中で適時適切に判断する」とし、増税の再延期も示唆した。
安倍首相は、5月18日に判明する1~3月期のGDP速報値などを受け、再延期をするか否かを判断すると見られ、再延期の場合、衆参同日選に踏み切る可能性が高いという。
公務員は現代の悪代官?
その一方で、再延期には反対論も根強い。政府と地方の債務は、合計で1000兆円を超えており、「増税しなければ、財政健全化が後退してしまう」という理由だ。
確かに、増加傾向にある財政赤字を野放しにするのは問題だが、行政側が、その事態を悪化させている面は否めない。
総務省が2015年に発表した「地方公務員給与実態調査結果」によれば、地方公務員の平均月給は、41万9,584円(一般行政職)。これにボーナス(賞与)を加えれば、平均年収は669万円に上る。民間の平均年収が415万円であることを考えれば、公務員の厚遇ぶりは際立つ。財政破綻した夕張市職員でさえ、約460万円の収入を得ているほどだ。
公務員の給料は、仕事の成果や、景気・税収の変動に左右されることなく、法律で決められている。今年1月に成立した「改正給与法」により、国家公務員の平均年収は、前年比5万9,000円増の666万5,000円となった。
しかし、民間企業が赤字になれば、給与の削減やリストラの断行は当然だ。だが、政府や役人は、もらうものはもらっておいて、増税によって、国民にさらなる負担を押し付けようとしている。もはや、悪代官そのものではないか。
1000兆円の債務をつくったのは誰?
そもそも、1000兆円以上の債務をつくったのは、自民党政権である。
参院選を見据え、安倍政権は「アベノミクスの効果があった」とアピールしても、それは短期的な成果に過ぎない。借金を膨らませてきた自民党政策の誤りを正さなければ、本当の財政再建は実現しない。
参院選では、自民党政権の借金体質に対する審判も問われるべきだ。事の問題を増税の再延期に矮小化してはならない。
(山本慧)
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