
密室は感染症が怖いので2年ほどカラオケルームに入っていない。歌謡曲は歌わなくなったが童謡はしゅっちゅう孫に歌っている。歌える楽曲が増えた。
何度も歌っていると「この歌詞、変だなあ」と感じる部分に遭遇する。ぼくの覚えた「森のくまさん」は以下である。
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ある日 森のなか
クマさんに 出会った
花咲く 森の道
クマさんに 出会った
クマさんの いうことにゃ
お嬢さん おにげなさい
スタコラ サッササノサ
スタコラ サッササノサ
ところが クマさんが
あとから ついてくる
トコトコ トコトコと
トコトコ トコトコと
お嬢さん お待ちなさい
ちょっと 落とし物
白い 貝がらの
ちいさな イヤリング
あら クマさん ありがとう
お礼に 歌いましょう
ラララ ラララララ
ラララ ラララララ
クマさんに 出会った
花咲く 森の道
クマさんに 出会った
クマさんの いうことにゃ
お嬢さん おにげなさい
スタコラ サッササノサ
スタコラ サッササノサ
ところが クマさんが
あとから ついてくる
トコトコ トコトコと
トコトコ トコトコと
お嬢さん お待ちなさい
ちょっと 落とし物
白い 貝がらの
ちいさな イヤリング
あら クマさん ありがとう
お礼に 歌いましょう
ラララ ラララララ
ラララ ラララララ
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赤い文字の
クマさんの いうことにゃ
お嬢さん おにげなさい
お嬢さん おにげなさい
は変だと直感した。鬼ごっこではあるまいし、熊が自分で逃げろといっておいて追いかけるのは不自然。
調べてみると、この歌の元の詞はアメリカ。原詞は
クマは僕を見て
僕も熊を見た
クマは僕を見定めて
僕も熊を見定めた
クマは言った
逃げなくて大丈夫?
銃も無いのに
僕も熊を見た
クマは僕を見定めて
僕も熊を見定めた
クマは言った
逃げなくて大丈夫?
銃も無いのに
という内容。ははあ、そういうことか。細かいところをはしょっているのである。
日本語の歌詞で、逃げろと言ったのはクマではなく小鳥だったというバージョンもあるという証言がある。証言者の山田美智子さん(幼稚園教諭)によると、彼女は、
小鳥の言うことにゃ
お嬢さん おにげなさい
お嬢さん おにげなさい
と教わったとか。これなら意味の流れはすっきりする。けれどぼくは
クマさんの いうことにゃ
お嬢さん おにげなさい
お嬢さん おにげなさい
は、結構おもしろく気に入っている。クマさんの遊びこころ、ちゃめっ気が出ていてニンマリする。可愛い子をもてあそぶ男の心理に納得する。あらゆる作品に一ヶ所くらい妙な箇所があるというのは奥行に通じる。
そんなことを思いつつ、今日も結に聴かせるだろう。リズムのいい曲である。
