天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

ワルナスビとはよき名前

2020-07-12 17:00:04 | 自然


「雑草という名前の草はない」というのは真理である。嫌なものでも人は名前をつけて仲間に取り込んでいるといえる。
ワルナスビ(学名:Solanum carolinense)もまさしくそういう植物。和名:悪茄子とはよくつけたものである。座布団いっちょう!である。


ナス科の多年草。日本も含め世界的に帰化している外来種である。アメリカ合衆国南東部(カロライナ周辺)の原産。果実はソラニンを含み有毒。家畜が食べると場合によっては中毒死することがある。
和名(悪茄子)は、これらのたちが悪い生態により付けられた。英語でも「Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)」、「Devil's tomato (悪魔のトマト)」などの悪名で呼ばれている。外来生物法により要注意外来生物に指定されている。


ワルナスビを初めて手にしたのは数年前。アパートの植込みの草取りをしていたときのこと。一株を引き抜こうとして手に棘が刺さってすぐやめた。痛いことを除けば花は五角形で芯に黄色い蕊が立って印象鮮明であった。
この花は野川公園に群生していた。
花なら何でも興味を示す弘子さんがいなかったらワルナスビの名前も知ることはなかっただろう。彼女も要注意外来生物ならば引き抜いて退治すべきということに反対しないだろうが誰もそんな情熱をもっていないだろう。とにかく痛い。

新型コロナウイルスはワルナスビに比べて命名がお粗末である。情愛というのか情緒に著しく欠ける。
命名は既成の名前の組み合せないしアレンジでなされることが多く、この世にすでにあるものを使って新たに生まれたものに対応する。
今年付き合った草花では、ナヨクサフジは藤の花のイメージをもったなよなよした草の花であり名前に情緒があった。ギシギシは立ち姿の感じを音感にしたのだろうか。ハルシャギク、小判草も音感がよく実物とマッチした。

ナヨクサフジ

 小判草



ハルシャギク

1年に約7000頭も生まれる競走馬の命名に関係者はかなり苦慮しているようだ。したがってどうしようもない名前が出て来るが、オレハマッテルゼは楽しかった。2006年に高松宮記念で優勝した。馬名は石原裕次郎主演の映画『俺は待ってるぜ』が由来だそうだ。
52回有馬記念を勝ったマツリダゴッホは祭と画家ゴッホとのドッキングか、これはよい二物衝撃であった。
新型コロナウイルスもワルナスビも困りものであるが後者は笑える要素がある。悪者の命名にもユーモアがあっていいのではないか。
コロナは太陽の大気の外層の真珠色の光のこと。あのような神秘的なものをこのウイルスに与えたのは誰じゃ! ゆえに禍が尽きぬ、とまでは言わぬが。
コメント
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