天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

駅伝の残酷な楽しみ

2016-01-03 06:31:59 | スポーツ


きのうの箱根駅伝往路の成績で目をみはったのは青山学院大の強さだけではない。
10位11位が同着で拓大と城西大であったこと。ここから24秒遅れで12位が東京国際大、13位は30秒遅れで日体大、14位中央学院大でも37秒しか遅れていない。
5チームの近年まれにみるだんご状態。
上の方はよほどのアクシデントがないかぎり青山学院大が逃げ切るような気配だが中盤の10位確保する闘いはどきどきする。
人のつくった脚本にはない面白さがやってきそう。

見るほうはいいが走るほうはさぞかしたいへんだろう。
「自分は負けるとチームに迷惑がかかる」というこころの持って行き方が実に日本的であり、それをきちんと形にしたのが駅伝という競技である。
西欧にこういった集団を重んじる走る競技が根付くのであろうか。
ラグビーの「one for all, all for one」という精神性とも違う。駅伝も「one for all」に関しては一緒であるがレースの中で「all for one」はない。捻挫しても骨折しても助けはない。
山梨学院大は毎年強力な黒い助っ人を出場させてごぼう抜きを見せてくれる。彼らが納豆や味噌汁に慣れ、集団に個が奉仕して喜ぶ心性を獲得していくのを見るのもうれしい。
正月、駅伝に熱中するところに日本人の昔から変わらぬ心性があるのだろう。

きのう9時ころ自宅から南下して川崎へ駅伝を見に行こうとした。
ところが南武線がポイント故障で行けなかった。見る前からうきうきして
手旗振り走者迎へる明の春
という句ができたが現場へ行けなかった。
見物は往路がいい。もっといいのは仲のいい人と箱根の湯宿へ泊って見ることである。

さて本日、どこが10位に狂喜しどこが11位で泣くのだろうか。
駅伝は残酷で楽しい。
コメント
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