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老人ホーム句会は10月15日にお試し句会をやって今日からスタート。
なんと妻が「手伝いたい」という。それで老人ホームへ一緒に行く。
妻は情の深い女で親が病床にあるとき飛行機でしょっちゅう通って介護した。結婚前は保母をしていたが、自分の子を産むと、「人の子をみて自分の子を人に託すのは変」といってやめて育児に専念した。
もともと人を助ける、補助するみたいな感性をしっかり持っている。
今回ぼくが結社の句会、公民館句会を経て老人ホームまで世話することに「いいことをしている」という。
結婚前いっしょに洒落たレストランや喫茶店に入ったことがなく、それはずうっと不満だったらしいがよもや60歳を過ぎて老人ホームへ同行して楽しいとは…人生には未知がまだまだある。
電車を間違って着いたとき約束の10時を2分ほど過ぎていた。
食堂には二人の方がいつ来るのかという顔で待っておられた。
が、前回いらしたほかの4名の姿なし。妻に彼女たちの部屋をノックさせに走らせたが留守であったりもう出る意思がなかったり…結局、二人が残ったようだ。
ぼくが入って三人。
三人の句会発足お茶の花
和子さんは「前回終わったとき二人になると思っていました」と確信したようにおっしゃる。
「麻雀は四人いないとできませんが句会は三人でできます」と寒い冗談をいいながらやる。
妻は手持ちぶさたで帰りに「私はもう必要ありませんね」という。ずいぶん張り切って手助けしたいと思っていたがやることがないのである。
妻と老人ホームへ来るのはこれで最後だろう。
毎回妻と老人ホームへ来るのは妙な気持だったから晴れ晴れした気持ちはする。
三人の句会というのはお茶の花の匂いに通じる。
わびしくてなつかしくて忘れられない茶の花の匂い。ぼくは雨が降り続いている仏間の妙な匂いを連想する。
三人の句会はもの悲しくて悪くない。
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