きのう5日目に栃煌山―稀勢の里が闘った。二人とも4戦全勝、無傷であった。
敗けていない二人をなぜ5日目で対戦させなければならないのか、ぼくは日本相撲協会の首脳部が何を考えているのか理解できない。
差しみのいい栃煌山(左)が完勝
白鵬が休場した事態をあまり重く見ていないような気がした。休んだ白鵬関にはお疲れ様、十分に治してからまたお願いします、という気分。ほんとうに怪我の少ない「無事是名馬」の浮沈艦であったことをこの休場によって再認識した。
そして、
白鵬休場秋風に雨まじる
という気分は否めない。
ほかの力士たちがいかに屋台骨を支えて盛り上げてゆくかである。
簡単にいえば負けなしで何人が何日目まで引っ張れるかである。
それが白鵬のいない場所の大きな課題であるはずなのに、いちばんわかっているはずの協会自身が5日目で必ず全勝が消える取組をなぜつくるのか。
5日目のお客様に対して見ものが必要というのは理解できるが全勝力士をなくすことを思いうと愚策ではないか。
せめて中日で勝ち越しをかけてぶつけるという気の回し方ができないのか。
これで全勝を栃煌山と照ノ富士の二人にしてしまった。
照ノ富士はすさまじい出足で5連勝としてかなり期待させる。
白鵬の穴を埋めるということは、誰かが14勝で優勝することを意味する。12勝の優勝であったら、どんぐりの背比べであり、やはり白鵬の穴はとてつもなく大きい。
今日の相撲をみると照ノ富士にはそうとう期待できるが14勝まで期待するのは酷かもしれない。
まあ13勝でも横綱が近いと思わせる相撲を取ってくれれば及第としたい。
日本相撲協会に何の関係もない一市民がこんなに心配しているのに当の協会は能天気である。
満員が続くからといって白鵬の穴が大きいという意識がないと思わぬところで入場者数は減る。
日本相撲協会、はたきこまれないように注意せよ!