ゆうべバレーボールW杯第8戦を見た。相手はセルビア。
第1セットを26―24で取ったときうまくやったなという気がした。セルビアにミスが多くて取れた感じがした。
第2セット後半、セルビアはサービスが安定してきて、「サービスで崩してブロックで止める」がはまり出した。強烈スパイクがバンバン決まり出した。
第3セットもセルビアが取ったとき目が疲れて、3-1でセルビアが勝つだろうと思って寝た。
今朝試合結果をみると負けは負けだがフルセットに持ち込んでいた。
あっぱれである。
日本の女子バレーボールは日紡貝塚、大松博文の昔からわくわくさせてきた数少ないスポーツである。
荒々しいミハイロヴィッチと可憐な古賀紗理那
セルビアはとにかくでかくて高い。
彼らの平均身長188.5㎝に対して日本は179.5㎝。9㎝は天と地の差。
エースミハイロヴィッチやポシュコヴィッチが3mの高さからバンバン打つスパイクは戦争用語でいう「巨艦巨砲主義」。海軍は戦艦大和・武蔵を造ったがバレーボール界はそうはいかない。
巨砲に対して日本女子は農耕民族の律義さで落穂を拾うようにレシーブし、つないで返す。
泣ける要素を女子バレーは永遠に持っている。
「艱難辛苦汝を玉にす」とか「臥薪嘗胆」とか「石にかじりついても」とかいった今や風前のともしびの美徳を彼らは体を張って見せてくれる。
バレーボールという団体競技の特殊性があるのかもしれない。
同じ団体競技であるソフトボールやバスケットボールにないわくわく感をバレーボールが持つのは空間の狭さゆえだろう。
限りのある閉鎖空間はまるでエンジンのシリンダーに似て力が逃げない。
ソフトボールは広い空間であるしバスケットボールは広くはないものの右へ左への移動があって仲間がつながっているという感覚はバレーボールには及ばない。バレーボールは同じ空間をぐるぐる回りどこへも行かない。
そういった構造があってバレーボールは日本人が本質的に好む一体感を見せてくれる。
エース木村沙織と気鋭の若手古賀紗理那はまるで姉妹のように似ていてうるわしい。
余談だが、長岡望悠をはじめて見たときこれが女子バレーボール選手かと目を疑った。
男の子っぽい風貌にして髪型もボーイッシュ。とっさに映画「ウォーターボーイズ」に出た女っぽい金子貴俊と調和すると感じた。二人が漫才をしたら盛り上がりそう。
男性と女性をひとつの性の中に相当量持つのはえも言われぬ魅力である。
長岡望悠選手と金子貴俊さん