今日は8月15日、終戦記念日だ。
その日から、69年もたったのだが、私は戦後生まれなので、戦争の実態は何も知らない。
ただ、戦後の風景を見て育ってきて、親たちやTVで、繰り返し戦争の話を聞いただけだ。
熱帯の地で戦死した伯父のことをずっと「理一は絶対、帰って来ます!」と待ち続けていた祖母もとっくに亡くなった。
戦争を知っていた人たちと一緒にいたころには、ただ戦争の話が怖くて嫌いであった。
学校でも社会の近現代史のところは省かれることが多くて、ほとんど何も知らないままに大人になり、どんどん戦争から遠ざかって行った。
アジアやアフリカではずっといつもどこかで繰り返されている戦争のことを他人事と聞きながら…
でも、最近、これから日本はどうなるのかと、無知な私でも、気になり始めている。
今日は義母の病院に夫と一緒に行って来た。
もう7年ほど母は寝たきりで、何もわからなくなって横たわっている。
病院の先生に呼ばれたので2人で行ったのだが、母はずっと静脈注射だけで持ちこたえている。
でも、時々は胃ろうで食事を入れた方が良いということで、手術(と言ってもとっても簡単なものだったが)受けることになった。
これまでにも時々付け替えの手術はしていて珍しい事ではないのだが。
母の顔を見て「お母さん、今日は終戦記念日ですよ!」と話しかけてみた。
ちょっと目を開けるような素振りをしただけだったが…
母は結婚前には徴用で飛行機を作る工場に行っていたと話していたことがあったが、戦争の話は何も聞いたことがなかった。
88歳の母はもういろんな臓器が具合悪くなっていて、身体中やせ細っているのだが顔の表情はいつも明るい。
人工栄養だけで生き、何もできず寝ているだけの状況ではあるが、母の顔を見ると、まあ、これでいいのかも知れないと思う。
苦しんでいるのでないなら、生きられるだけ生きていてほしいとも思う。
木莉
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