月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

思い出毒キノコ

2009-07-22 00:59:09 | キノコ
これを初めて見かけたとき、私はオオクロニガイグチだと思った。

なんだか柄の網目がえらく強力で、図鑑のと違うような気もしたのだが、他に似てるやつもないし。ネット上で調べると「食える」との情報が。間違ってもおいしそうなキノコには見えないけど、けっこうたくさん生えてるし、意外とうまいのかもしれん、試してみよう……ということで。

新鮮そうなのを一本採ってきて、さすがに躊躇して、次の日の晩に半分だけ茹でて食べてみた。(よくよく考えると、この躊躇が本能の知らせだったような気がする……)

ん?

口に入れた途端、予想外の事態が口の中で起こっていることが理解できず、それでも味を確かめようと噛み続けていたけど、数秒後にはようやく事態を理解した脳ミソが反応して、あわてて吐き捨てた。何じゃこりゃ?舌がしびれる……

くしくも数日後、本屋の新刊として並んでいた『日本の毒きのこ』(小学館)でそっくりのキノコが新種として掲載されているのに気づいた。これはもしや、と思い、おそるおそる、発見者の中條さんという方に連絡をしてみることにした……

ということで、当時、三河地方でしか確認されていなかったミカワクロアミアシイグチの分布が名古屋でも確認されたわけである。

いやー、危ないね。味でわからない毒だったらヒットしてたよ。知り合いには「いつか毒に当たって死ぬぞ」って言われるんだけど……まあ、今となっちゃいい教訓だな。いっそのことヒットした方が面白かったかもしれない、なんてのは今だから言えることか。

悪食の方、ご参考までに。


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