



















最近ショックだったニュースは、ベニスのHOTEL DES BAINS

アメリカ資本に買い取られ、マンションに改修されるという話。
このホテルは、1971年製作『ベニスに死す』の舞台になった老舗ホテル。
撮影時から40年が過ぎたが、映画好きにとって聖地にも似た憧れの場所。
主人公の老芸術家が、至高の美少年タッジオに魅せられた恍惚と苦悩を
描いた名作であった。あの豪奢なホテルがマンションに…ねぇ

一度あの場所に立ってみたい…、触れてみたい…、『ベニスに死す』を
体感したい…。そんな夢が儚くも、ガラガラと音を立てて崩れてしまった。
もう映画の中でしか逢えない、幻想ホテルなのねぇ…












ヴィスコンティ監督は、探し求めたタッジオをスウェーデンで見つけた。
当時15歳だったビョルン・アンドレセン。世の中にこんなに美しい少年が
存在するなんて…、この一作だけで消えたビョルン少年もまた幻想か。
ヴィスコンティもダーク・ボガードも既に亡く、40年の時が流れ去った。
今夜はDVDで、懐かしいオテル・デ・バンと美麗ビョルン・アンドレセンを
心ゆくまで堪能するとしましょう。