
今月22日日で終了する『古代ローマ帝国の遺産』展、どうしても
もう一度、あの美像たちに逢いたくて再び訪れてきました。
前回と同様、大変な人込みで札幌にも熱心な美術ファンが多いことに
驚きました。多分、私のように再来場者も多いのでは…。
イタリアをイメージさせる鮮やかな赤い正面から、古代ローマワールドへ。
堂々たる「アウグストゥス座像」に挨拶し、順路に従い壁画や工芸を愛でる。
古代ローマ帝国とは、紀元前27年から300年続いた絶対国家を言うらしいが
今回の美術展には、紀元前3世紀~後3世紀の作品が中心になっている。
練りガラスと貝殻で装飾した巨大な「モザイクの噴水」が、素晴らしい


しかし今日の第一目的は、「アレッツォのミネルウァ」との再会。
ルネッサンス期にトスカーナ・アレッツォで発見された、ブロンズの女神像。
戦いの神ミネルウァは、兜と胸当てを付けて毅然と遠くを眺めている様子が
実に優美にして神秘的、私の貧しい語彙力では表現できないのが口惜しい。
高さ150,5cmとのことだが、ずっと大きく見えた。
破損が激しく右手の欠けているのが、むしろ独特の美を醸し出しているよう。
右手には恐らく槍のような武器を…など、想像してみるのも楽しい。


最後の部屋には先日ご紹介した「豹を抱くディオニュソス」「ペプロスを着た女性」と
並んで、高さ221cmの「カリアティド」が…。
カリアティドとは、古代建築の神殿などに柱として飾られた女性像。紀元前1世紀頃に
ローマのアウグストゥス広場を飾っていたカリアティドと、考えられるそう。
端正な顔と堂々たる肢体、大地を踏みしめ、頭上に古代建築を支える精巧な女性像は
実に美しく力強い。
偉大な栄光のローマ、紀元79年の噴火で埋没した悲劇のポンペイを偲ぶ美術品に触れ
人類の叡智と手技に感嘆しつつ、ひと時のタイムスリップを楽しみました。








