
今年もイスラム暦ラマダンが始まった。ラマダンはイスラム暦の第9月、
毎年11日ほど早まるから凌ぎやすい季節は良いが、猛暑のラマダンは
幾ら熱心なイスラム教信者・ムスリムにとっても、相当に辛いことだろう。
今年の暦では、8月11日から9月9日までがラマダン期間に当たるらしい。
2005年、モロッコを旅したのは10月下旬から11月初めだったが、ちょうど
ラマダンの真っ最中、異文化の面白い体験が出来た。
現地ガイドもドライバーも真面目なムスリムで、太陽があるうちは飲食せず
午後6時のアザーンが聞こえると、一目散に食事を始めていた。
ガイドの話では、日没から明朝の太陽が昇るまでの間に3度の食事を摂るそう。
食べて寝て起きてまた食べて寝る…だからラマダン中は太るのだと笑っていた。
現地スーパーも、時間になると店員が食事タイムを取るため一時休業していた。
また娯楽も控えるそうで、ベリーダンスの衣装は露出度が低く、動きも緩やか。

ラマダンはイスラム五行…信仰の告白・礼拝・喜捨・巡礼・断食…の一つで
強制されるものではないが、熱心な教徒たちは宗教的試練と受け止めているとか。
今頃、灼熱のマラケシュ・フナ広場の屋台お兄さんや、水売りおじさんたちは、
猛暑のなか難行苦行に耐えながら、ムスリムの誇りを胸に頑張っていることだろう。