目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ザ・マジックアワー ★★★★★

2008-06-08 01:57:41 | ★★★★★
三谷幸喜監督、脚本の映画、観てきました。
笑いが絶えない傑作でした。

邦画の限られた予算でも面白い映画は
十分に製作できます。むやみやたらにアイドルや
それに近い存在を配して出来もしないアクションや
派手なCGを使わなくても十分に面白い映画が
撮影できるんです。ちゃんとした脚本と
ちゃんとしたスタッフとちゃんとした監督と
ちゃんとした役者がいて、ちゃんと興行できれば
自然と映画はヒットするはずなんですね。

でも今日この映画観てて思ったんですけど、
そういうきっちり作ってある映画って意外と
少ないんですよね。。。

この映画を観られて私は幸運でした。
とにかく佐藤浩市の好演が光ります。
深津絵里もさすがの演技です。特に
ステージのシーンなんかはあまりの
年齢不詳っぷりに驚きました。少女みたいに
見えなくもない、
共演の綾瀬はるかが霞んでしまうくらいに。
でも今回は完全に
脚本と佐藤浩市の勝利でしょう。
現代なんだけど、現代っぽくないセットを使って
作り上げた街の中で繰り広げられる
「映画のような」話はとても面白くて
デラ富樫を演じる佐藤浩市の売れない役者っぷりが
最高に面白いです。役者ってすごいんだな、と
改めて思わされました、色んな意味で。

この映画、言葉の隅々までうまく作ってあって
ちゃんと破綻や矛盾がないようにセリフ回しも
作ってあるんですよね。
殺し屋を演じきる佐藤浩市が途中で矛盾する
ことを言わないように聴かないように
うまーく脚本が練られている。だからこそ、
周辺の役者もまたすごい生きてくるんですね。
寺島進も西田敏行も今回は真面目にやってるのに
コメディアンになってしまうところが
この脚本の面白いところでしょう。
ここまで計算されつくされている笑いなのに、
自然に笑いがこみ上げてくるんですよね。
三谷監督の前作もかなり面白かったですが、ここまで
お客さんが普通に笑った映画は
ちょっと思い出せないです。


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