目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

キャプテン・アメリカ ザ ファーストアベンジャー ★★★

2011-10-19 13:44:56 | ★★★
キャプテン・アメリカ ザ ファーストアベンジャー



今回はWikipedia先生がいきなりネタバレ全開なので、お気をつけ下さい…。

(あらすじ)
現代。北極の科学者たちが氷の中から赤、青色の円盤を発見する。

時代は遡って第二次世界大戦中の1942年3月。ナチスの将校であるヨハン・シュミット(ヒューゴ・ウィーヴィング)の部隊がノルウェーのトンスベルグを侵攻し、強大なパワーを持つコズミック・キューブを奪い取った。一方、ニューヨークでは、強い愛国心を持つ青年スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)が兵士に志願していたが、肉体的問題を理由に何度も入隊を拒否されていた。スティーブが親友のバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)と共に未来技術の展覧会を訪れたところ、そこでも兵士が募集されており、諦めきれなかった彼は今一度入隊を申し込んだ。そこで戦略科学予備軍(SSR)の科学者であるエイブラハム・アースキン博士(スタンリー・トゥッチ)はスティーブの強い意志を知り、彼にチャンスを与える。スティーブはSSRが行う「スーパーソルジャー計画」の被験候補者となり、チェスター・フィリップス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)とイギリスのエージェントのペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)の下でテストを受ける。フィリップスは当初、スティーブを使うことに反対していたが、彼の勇気を知ると、アースキンの主張に納得した。実験前夜、アースキンはかつてナチスに協力させられ、シュミットに不完全な超人血清を与えて副作用を起こさせていたことをスティーブに明かした。

場面は変わってヨーロッパ。シュミットは部下のアーニム・ゾラ博士(トビー・ジョーンズ)にキューブを使わせ、新兵器のエネルギーにさせた。さらにシュミットはアースキンの居所を把握し、彼のもとへ暗殺者を送り込んだ。そしてアメリカではいよいよスーパーソルジャー計画が実行に移され、スティーブには超人血清が打たれ、「ヴェータ線」が浴びせられた。実験は成功し、彼の身長は伸び、筋肉質な身体となった。だがその直後、実験の立会人に混じっていたシュミットの暗殺者ハインツ・クルーガー(リチャード・アーミティッジ)がアースキン博士を射殺してしまう。スティーブはすぐさまハインツを追いかけ、捕捉するが、彼は隠し持っていた青酸カリによって自殺してしまう。

アースキンの死により血清の製造法は失われ、スーパーソルジャー計画は凍結されてしまい、スティーブは唯一の超人兵士となってしまった。スティーブは戦場へは出ず、米国上院議員ブラント(マイケル・ブランドン)の依頼で星条旗をモチーフにしたコスチュームを着て、「キャプテン・アメリカ」というマスコットキャラクターとして活動することとなったが…

(以上Wikipediaより)


途中からはなんとなく展開が読めはするものの、キャプテンアメリカという題材をこれまで登場したアベンジャーズの面々と次作で共闘させようとするとこういう展開にせざるを得ないのよね。それにしても、70年かあ…。可哀想なキャラである。

それにしても、キャプテンアメリカ、である。その意匠からもネーミングからもまさにアメリカ合衆国の象徴として作中でもマスコットとして生み出されたわけで、星条旗を盾と衣装に使ったこの上ない愛国心溢れるキャラクター造形である。主人公のロジャースの心情としては愛国のために命を賭ける人、というよりは周りの仲間やその国のために戦う人を守りたい、助けたい、力になりたい、という気概で戦う人間であり、父親も母親も既に他界しており、何度も志願兵になろうとする。アースキン博士が語る、彼を選んだ理由はとても共感出来るものだった。

力のあるものはその力の有り難みがわからない、だが、力のない弱きものは力を常に欲しているからこそ、力の恐ろしさも有り難みもわかっている、ということ。

アメコミはスパイダーマンといい、バットマンといい、アイアンマンといあ、必ず、あざとくなり過ぎないように必ず人生の先達に彼らの存在意義や生きる理由、戦う理由を与えさせている。それは至極単純なメッセージだったりするのだが、ヒーローたちが人生の先達から諭される形を取ることで、お説教臭さを敢えて映画全体の作劇に利用しているのだが、この作品でもそれはとてもうまくいっているように思う。ただ、本人が望んでるからといって生体実験のモルモットにしておいて、博士が死んだら本人にそう望ませて、国威発揚、国債販売マスコットやらせるというのも中々酷い国だなあ、と感心するけども。そういう意味では、この映画はアメリカという国を決して美化して描いてはいないよね。ロジャースの人格は素晴らしさは描くが、単純にアメリカや作中の「フィクションのキャプテンアメリカ」を礼賛する映画にしなかったことで、アメリカ国外での観客動員も伸ばしてるものと推測する。
彼の真の成長はマスコットを辞めて、救出作戦に参加するところから始まり、ステルスを墜落させるところで完成されるので次作以降のアベンジャーズにおけるリーダー的な役回りに大いに期待したいところ。

彼のメインの武器は盾である。これは洋邦問わず、スーパーヒーローモノとしても珍しいし、その戦い方は映像化して映えるのか心配していたが、とても上手に映像化したなあ、と感心した。盾は防具であり、人々を守る象徴ではあるものの、人と戦う時には殺傷能力は高くない。作品としてはこの盾をうまく描けるかは結構大事なポイントだったのではないだろうか。

最初から最後まで娯楽映画として、単発でも楽しめる映画だが最低限、世界史レベルの第二次世界大戦を知らないとストーリーはよくわかんないことになるかもしれない。あと、3Dは不要だと感じた。

この映画は壮大な前振り映画でもある。それは冒頭の極寒の地での描写もそうだし、この映画自体もアベンジャーズの壮大な前振りなのだ。アイアンマン1と2、マイティソーくらいは観ておいた方が、よりこの映画を楽しめると思う。スタークが誰か、とか、キューブって何なのか、とかわかるからね。

あと、アベンジャーズシリーズを観てる諸氏はわかりきってることだとは思うけどこの映画で一番アガるのはエンドロールの後である。決して席をお立ちにならぬよう…。


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