目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

BECK ★★

2010-09-26 23:05:24 | ★★
川崎109シネマズで鑑賞。
いやー、物議をかもしている映画ですが、そこそこ面白かったです。ハロルド作石原作の漫画を実写映画化ということですが、ビジュアル面では非常に再現度が高い。堤監督は20世紀少年でもこういうキャスティングで臨んでいたけど、今回も同じように「あ、似ている~」と言われるようなキャスティング。BECKの5人は本当に雰囲気が出ている。千葉の完成度は非常に良い。桐谷さんは非常に良い仕事をしたと思う。特筆すべきはラップをきちんと歌っていること。相当の練習をしたのだろうけど、非常に好感度が高かった。あと、原作のキャラクタに非常に忠実な演技。とてもよかったです。evolutionという楽曲もレイジそっくりですが、それはそれで狙ってやっていることだと思いますのでいいと思います。安易なJ-popにしなかったのはえらい。そこはNANAよりもよかったところですね。

そのほかにも水嶋ヒロもきちんとした英語で帰国子女役を違和感なく演じていた。本当に帰国子女というところがニクイ。彼のような役者が多ければ日本人役者の世界での活躍は間違いないのだけど。今後の動向にも注目したい。作家やらずに役者で大成してもらいたい。

地味に個人的にはサク役を演じた中村蒼も大いに評価したい。いい笑顔。妻夫木のような役者になりそうな予感。

コユキ役の佐藤健は演技は悪くなかったけど演出が・・・歌の演出が・・・。

さて、歌の演出ですが、これは本当に残念でした。やはりコユキの歌の演出の問題は避けて通れない問題であるし、原作でもそこは曖昧に描かれていたものの、やっぱりきちんと描いて欲しかった。映画の公開規模から考えても本当にオーディションで凄い声の人を連れてきて欲しかったなあ。いや、原作ファンの間では「歌わなくて正解」という声の人も多いのだとは思うのですが、やはり色んな人が映画を観るわけで。1回目の真帆の前で歌うシーンはごまかしが聞いていて演出上はよく出来ていましたが、その後は何かの宗教みたいなシーンになっていしまいましたね。終盤では「カラオケ」状態。なぜ、歌詞を出したのか。メロさえ流れずオケだけが延々と流れてその聞こえない歌で人々が感動する、どんどんライブ会場に行く、というのはどうにもこうにも。演出には連続性がありはしましたが、さすがに何度も見せられるとかなりの違和感を感じてしまいました。

あと、外国人のキャラクター描写の問題ですがマットは結構かっこよかった笑。
そのほかのキャラは原作に忠実ではありましたがちょっといまいちでした。

全体の話の流れですが、シネマハスラーでも町山さんが指摘していましたが、あまり苦労せずにフェスに出場できる描写がありましたが、コユキが練習しているさまを描くのと同じくらい、もしくはそれ以上にバンドで練習している様子も丹念に描いて欲しかったですね。バンドで売れるのってそんなに簡単ではないし。

総じて映画館で見るべき作品かどうかは微妙なところです。
別にDVDで見ても良かったかもしれません。


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