目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー ★★

2011-04-06 23:22:09 | ★★
今回はネタバレします!気をつけて!!


(あらすじ)
2011年。火野映司 / 仮面ライダーオーズは怪人と戦っていたが、それはヤミーではなくイマジンだった。まもなく、モールイマジンは少年の記憶を辿って過去へ逃亡してしまう。映司とアンクはモールイマジンを追って現れた時の列車「デンライナー」に乗り込み、1971年11月11日へ向かう。

まもなくたどりついた1971年の世界で、自分以外のグリードが目覚めていないことをいい事に、メダルの取り放題を企み、過去の外へ飛び出したアンクを映司とモモタロス達が追いかけている頃、野上幸太郎 / 仮面ライダーNEW電王はモールイマジンを倒すが、その爆発の衝撃によってアンクは自分を取り押さえようとした映司に押しつぶされたときにセルメダルを1枚落としてしまう。誰もそれに気づかないまま、アンクを取り押さえて一行は現代へ戻った。

ところが、現代へ戻った映司とアンクが見たものは、悪の組織「ショッカー」に支配された日本だった。1971年の世界でアンクが落としたセルメダルがショッカーに回収されたことがきっかけとなり、当時の仮面ライダーである1号と2号は敗北。そのため、V3以降の仮面ライダー達は誕生しないことになっていた。そして、ショッカーは後世に現れる多くの悪の組織と同盟を結んで世界征服に乗り出し、日本を自らの支配下へ変えてしまっていた。

生き残った仮面ライダーは、特異点ゆえに時間の影響を受けない幸太郎と、彼に同行していたために辛うじて仮面ライダーとして存在する映司のみとなった。幸太郎らデンライナー一行は歴史を修正するために再び過去へ向かい、映司とアンクは現代に留まって怪人軍団の前に立ちはだかる。しかし、そこにショッカーに敗北してその頂点に君臨する怪人の称号を持つ悪の戦士に変貌した、1号と2号が襲いかかる。

(以上 wikipediaより)

さて、先週末にライダーの最新作を見てきましたよ。この映画、仮面ライダー40周年記念作品ということで随所にそれらしい描写が多数出てくるのですが、本当に何ともはや・・・。序盤から中盤の流れは結構良かったんですよ。

「この過去に行って、その時の自分たちの行動のせいで、現在に戻ってくると暗黒の世界が広がっていた・・・」という展開はモロにハリウッド超大作で大ヒット作品、ロバート・ゼメキス監督の「バックトゥザフューチャー パート2」のお話の構造とまるっきり同じです。そのため、そもそもこの話の構造自体が非常にしっかりしている。鉄板の構造なのですよね。タイムパラドックスモノは風呂敷を広げている間は非常に面白い。

そして、中盤のデストピア描写はなかなかいい。こういうエクストリーム!な状況になってくると、普段はおちゃらけているオーズの面々ですが、特に映児のキャラクターは本来であれば献身的なヒーロー像であり、クウガの雄介と被るキャラであるため、このデストピアでも決して諦めずにみんなのために、子どもたちのために頑張る!という描写は非常に胸が熱くなる描写でありました。やっぱりヒーローはみんなのために戦わなくちゃ!

この映画、色々言いたいことはあるものの結構途中までは我慢して観られるレベルの映画だったのだが、終盤、ライダー全員集合のところから一気にお話が破綻する。

ここまでタイムパラドックスモノとしてお話を進行してきたのに一気に「みんなの想いは歴史も何も関係なく、仮面ライダーを復活させるのだ!特に理由もなく。」という展開でデンライナーが仮面ライダーを連れてくる。そこから一人一人のライダーが名乗りを上げる!と周りの観衆が知らないはずのライダーたちの名前を声をあげて応援するのだが、ここらあたりから本当にひどい。

このショッカーが支配する2011年の世界には「存在していなかったはずの2号より後のライダーたちが現れると彼らの名前を呼びまくるわけだが、そんなご都合主義はあんまりなんじゃないかな、と思う。ディケイドは最初から破綻していたからそれはそれでつらいものがあったんだけど、ここまで普通に映画として進行してきていきなり全てのお話を投げ出してしまうのはあんまりだと思う。あんまり観客をバカにしないほうがいいと思う。子どもはそりゃあ、喜ぶだろうし、この映画は大人向けじゃないって言ってもやはりこういうお話の展開はひどいと思うのです。

責めてどうして彼らがこの時代にやってこれたか、くらいは種明かしもしくは設定的なこじつけをしてもいいんじゃないだろうか。5分くらいで。そして40年間、雌伏のときを経てようやく、1号2号がショッカーグリードを倒すべく裏切る、って言うんだけど、40年も待つって相当じゃないか。それもなんだかなあ、って思うし、テディの犠牲って何だったんだろ、モモタロスの涙もやっすい涙になっちゃったなあ、だなんて思うわけですよ。興ざめ。
1号2号は40年もチャンスを待ってたってことならば素面の本郷猛を出してもよかったんじゃないの?声も藤岡弘、御大だったわけだし。そこは観てみたかった気がする。Wの2人をチョイ役で素面出演するくらいならこっちを実現させて欲しかった。ライダーはゴーカイジャーと違って原作へのリスペクトが無さ過ぎる!
単におもちゃとかカードが売れたらいいのかもしれないけど、それでもやっぱり原作に携わった人たちがもっと活躍する話でもいいやんか、と思う。せっかく1号と2号がここまで活躍する話なんだしさ。

あと、友情出演でズバットやキカイダーも出てくるんだけど、ズバットまで出すならここもちょっと伏線張るとかさーⅤ3もいるんだからさー、ただ「出す」だけがファンサービスじゃないですよ、と言いたい。いや、それでも出てくるとファンは喜んでしまうんだけど、こんな出方ではつらい。

みんなが見たいのは異世界の1号でもなければ、並行世界の1号でもなければ、新約1号でもなくて、あの本郷猛の仮面ライダー1号が見たかったんだよ。
もう、そろそろ藤岡さんも年齢的にもやれる最後のチャンスなんじゃなかったのかなあ、と思うわけですよ。宮内さんも見たかった。

これってファンのわがままなのかねえ。。戦隊モノではゴーカイジャーで素面の役者さんをあれだけ大切にしているのになあ。。。ライダーってやっぱり役者側からの抵抗とかもあるのかなあ。。。

ままま、色々といいたいことはあるのだけど、ディケイドのときよりかはなんぼかマシですし、見終わった後の気分の悪さみたいなものもなかったし、正統派ヒーローモノとしてはまあ、そこそこなのかな、と。ただ、こういうコンテンツばかりを子どもに見せるのはちょっと違うんじゃないかな、と思う。いくら子どもが見る映画とはいえ、もっと丁寧に話を作って欲しいぞ、私は。


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