今日は、大御所ツアーというのに参加しました。
日本料理 銭屋です。
あられ茶に食前酒と続いて、しゃきしゃきの青いお野菜と椎茸と菊のおひたしからお料理がスタートです。青菜、椎茸、菊とそれぞれに丁寧に仕事がしてあってから和えてあります。特に椎茸の絶妙な塩加減が利いています。
お造りのわさびの手前に、茶色い1cm角くらいのゼリー状の添え物があります。これはなに?「
ばくだい」というのだそうです。調べてみると漢方の一種でもあるみたいですよ。
揚げ物は、胡麻豆腐の薄衣。胡麻豆腐は本当にエモイワレヌ味わいです。とろっとした食感が白子みたいで、でも白子のようにはしつこくない。友人はこれにいたく感動していたのですけれど、私はポン酢に浸っていたのが残念でした。ポン酢の味が濃すぎて、胡麻の風味が消えちゃう。ポン酢を別皿にするか、揚げ出し豆腐の出汁だったら、より美味しいはずだと思いました。(余談ですけど、
ポン酢の語源、ご存じでした?)
椀は、鱧と松茸。鰹だしに柚子がきいていて、ほっとします。松茸は長野産。金沢では鱧は食べないと聞いていたんですけれど、とれないから食べないというわけではなく、能登のほうでは鱧が結構とれるんだそうです。でも他にも美味しいお魚はたくさんあるから、骨切りがめんどくさい鱧はあまり使わないのだとか。
お料理も美味しかったのですけれど、器も素敵で、目にも楽しかったです。写真、とりたかったんですけれど、ちょっと恥ずかしくてほとんど撮れませんでした。しかも手ぶれしちゃってよくわからないですね。秋が大皿で出てきたんですよ。秋ですよ~秋。
ひとり分ずつ取り分けてくださいましたよ。あわびの肝の塩辛。子持ち昆布。銀杏。手まり風のゆりね。酢でしめた蒸しえびに卵の黄身を寒天で寄せたもの。孫芋。棒寿司。などなど。
びっくりしたのが。栗。写真上部の中央にあるんですが見えますか?真ん中の栗の実は栗そのものなんですが。イガイガも食べられるんです。鬼殼部分はすり身。それに茶そばをイガイガに見立ててぶすぶすっと刺して揚げてあるんです。塩味でバリバリ食べるんです。口の中がすごいことになっちゃうのですが、楽しい食感です。今は10月だから茶色がかったイガイガですが、9月頃いただきに来ると、イガイガがもう少し緑がかった色だそうです。常連さんにも配慮されて、たった1ヶ月の季節の違いもちゃんとお料理の中で見せてくれるんですね。遊び心と気遣いが嬉しい一品。
焼き物は「
のどぐろ」と「
あわびのステーキ」が選べたのですけれど、ひとりがあわび。もうひとりと私はのどぐろ。何時間か煮込まれたあわびは非常に柔らかくって、そして燻されたいい香りです。粒マスタードを少しのせていただくのが、絶妙の味わい。脂ののった、のどぐろは、杉板に挟まれて出てきました。口にすると、鼻からいい香りが抜けていきます。(帰ってきて知ったんですが、あわびのステーキやのどぐろ、そして他にも色々
お取り寄せができるらしいですね。きっと美味しいに違いないです。)
炊合せは、孫芋、穴子、粟麩、豆苗。ふんわり穴子に孫芋がとろりん。粟のお麩は初めて食べたけど、生麩って本当に美味しいのです。豆苗のシャキシャキもとっても嬉しい。
お食事は、松茸の炊き込みご飯と湯葉のお味噌汁。お釜で炊いたのがそのまんま出てきます。いい香りです。至福の美味しさです。お代わりもしてしまいました。一緒にいった2人はさらに3杯目もいただいていましたよ。
食事の後は果物。柿と
ピタヤ。ピタヤは初めて食べました。優しい味わいにキウイみたいなぷちぷちつぶつぶの種があります。食べた~これで終わりだ~と思ったら、最後に、栗きんとんとお抹茶。栗きんとんには生姜のすりおろしが少し入っていて、おっっと思いましたよ。
残った松茸の炊き込みご飯、折り詰めにしてお持ち帰りさせてくださいました。いたれりつくせり。
なんだか3日分くらい食べました。本当に美味しい大御所ツアーでございました。
****追記****
お持ち帰りした松茸の炊き込みご飯。うっすらおこげ部分がありました。しかも冷めていてもしっとりして美味。すばらしい。