NHK教育では安否情報が流れています。
「心配しています」
「連絡ください」
たくさんの人にとって、たくさんの大切な人が、それぞれにいる。
本当に心配ですよね。
こんなとき、どんな言葉が、被災された方たちの励ましになるのだろう。
言葉じゃなく、あたたかいお茶かもしれない。毛布かもしれない。
包み込む手のひらかもしれない。
私の場合。たぶん。詩なんだろう。
阪神淡路大震災が起きた後、書きとめた詩があります。
中桐雅夫さん(1919~1983)の「きのうはあすに」。1995年12月31日の朝日新聞天声人語にも取り上げられていました。短い詩の終わりに。
きょうはきのうに、きのうはあすになる
どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる
でなければ どうして この1年を生きてゆける
絞りだすような言葉です。生きていくのは苦しいことの方が多いのかもしれないと改めて感じさせる言葉です。
先日、コメントで、見晴さんから銀色夏生さんのお名前が出てきて、金色冬生さんを思い出しました。ふざけた名前と思いながら…一冊。詩集を持っています。
金色冬生『水鉄砲に涙をつめて』サンリオ、1994年
(絶版らしいから、ほしい方がいらっしゃったら、コチラで復刊させようね。金色冬生さんは、栃内淳さんという有名な方らしい。私は栃内淳さんが何者かも知らなかったのだけれど。)
高校生の頃。『詩とメルヘン』という雑誌を購読していました。やなせたかしさん編集により30年間続いてきた雑誌。残念ながら昨年から休刊になってしまったのだそうですけれど。金色冬生さんの詩には、その中で出会いました。
詩集のタイトルにもなっている「水鉄砲に涙をつめて」の終わりの一節。
だれか一人が悪いとすれば
それはきっと僕だから
水鉄砲に涙をつめて
この胸を
撃ち抜いてくれ
ずきりとしました。
格好つけているようで、とってもぶざまで。
潔さそうで、ほんとはとても苦しくて。
水鉄砲なんて可愛らしいおもちゃを使って、こんなに切ない表現するなんて。
『詩とメルヘン』が好きだったのは、詩に合わせて絵が載っていたから。特に渡辺宏さんのパステルが好きでした。『水鉄砲に涙をつめて』も渡辺宏さんの装丁。渡辺さんのパステルは、月や時計や、大きなものの真ん中にぽつんと人がたたずんでいたり、猫が座っていたりする。優しい孤独に包まれている。そんな感じ。最近の作品は以前とはちょっと変わってきているみたいですけれど。
渡辺宏さんの装丁だと迷わず手にとってしまいます。それで出会ったのが薄井ゆうじさんの本。
薄井ゆうじ『星の感触』講談社、1994年
装丁の絵とおんなじ、優しいお話です。他にも『くじらの降る森』講談社、1996年(ハードカバーはコチラ)、『ドードー鳥の飼育』(短篇集)集英社、1998年など、タイトルを見ただけで読みたくなるような本があります。短篇集のタイトルになっている「ドードー鳥の飼育」はオンラインでも読めます。
そうそう。やなせたかしさんと云えばアンパンマン。アンパンマンミュージアムはとっても楽しいところです。高知はちょっと行くのが大変だけれど、ここにはちゃんと愛があるよ。ロールパンナちゃんの哀しみも知ってしまうと、アンパンマン、人間くさくてあなどれないなあと思うのです。
「心配しています」
「連絡ください」
たくさんの人にとって、たくさんの大切な人が、それぞれにいる。
本当に心配ですよね。
こんなとき、どんな言葉が、被災された方たちの励ましになるのだろう。
言葉じゃなく、あたたかいお茶かもしれない。毛布かもしれない。
包み込む手のひらかもしれない。
私の場合。たぶん。詩なんだろう。
阪神淡路大震災が起きた後、書きとめた詩があります。
中桐雅夫さん(1919~1983)の「きのうはあすに」。1995年12月31日の朝日新聞天声人語にも取り上げられていました。短い詩の終わりに。
きょうはきのうに、きのうはあすになる
どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる
でなければ どうして この1年を生きてゆける
絞りだすような言葉です。生きていくのは苦しいことの方が多いのかもしれないと改めて感じさせる言葉です。
先日、コメントで、見晴さんから銀色夏生さんのお名前が出てきて、金色冬生さんを思い出しました。ふざけた名前と思いながら…一冊。詩集を持っています。
(絶版らしいから、ほしい方がいらっしゃったら、コチラで復刊させようね。金色冬生さんは、栃内淳さんという有名な方らしい。私は栃内淳さんが何者かも知らなかったのだけれど。)
高校生の頃。『詩とメルヘン』という雑誌を購読していました。やなせたかしさん編集により30年間続いてきた雑誌。残念ながら昨年から休刊になってしまったのだそうですけれど。金色冬生さんの詩には、その中で出会いました。
詩集のタイトルにもなっている「水鉄砲に涙をつめて」の終わりの一節。
だれか一人が悪いとすれば
それはきっと僕だから
水鉄砲に涙をつめて
この胸を
撃ち抜いてくれ
ずきりとしました。
格好つけているようで、とってもぶざまで。
潔さそうで、ほんとはとても苦しくて。
水鉄砲なんて可愛らしいおもちゃを使って、こんなに切ない表現するなんて。
『詩とメルヘン』が好きだったのは、詩に合わせて絵が載っていたから。特に渡辺宏さんのパステルが好きでした。『水鉄砲に涙をつめて』も渡辺宏さんの装丁。渡辺さんのパステルは、月や時計や、大きなものの真ん中にぽつんと人がたたずんでいたり、猫が座っていたりする。優しい孤独に包まれている。そんな感じ。最近の作品は以前とはちょっと変わってきているみたいですけれど。
渡辺宏さんの装丁だと迷わず手にとってしまいます。それで出会ったのが薄井ゆうじさんの本。
装丁の絵とおんなじ、優しいお話です。他にも『くじらの降る森』講談社、1996年(ハードカバーはコチラ)、『ドードー鳥の飼育』(短篇集)集英社、1998年など、タイトルを見ただけで読みたくなるような本があります。短篇集のタイトルになっている「ドードー鳥の飼育」はオンラインでも読めます。
そうそう。やなせたかしさんと云えばアンパンマン。アンパンマンミュージアムはとっても楽しいところです。高知はちょっと行くのが大変だけれど、ここにはちゃんと愛があるよ。ロールパンナちゃんの哀しみも知ってしまうと、アンパンマン、人間くさくてあなどれないなあと思うのです。
金色さん、はじめて聞く名前でびっくりしています。
金色さんもすてきなことばをつづるのですね。
水鉄砲の詩、じんとしてしまいました。
きくさんのようにことばで励まされる人もきっとたくさんいるように思います。
詩ではないけれど、ことばでできることとして
私も震災の記事を書いてみました。
本当にね。今はとにかく、食料やお水、電気、雨や寒さをしのげる場所が最優先ですよね。孤立している55集落もどうやって頑張っていらっしゃるのか。テレビはニュースしか見ていられません…。
金色さんの水鉄砲には私も撃たれちゃったんですよ。
「くじらの降る森」に出会って以来、私も薄井さんの本が大好きです。
「樹の上の草魚」が一番スキ。
あれ?題名あってたかなぁ…。
私もTBさせて頂きます☆
こちらこそTBありがとです。
合ってます合ってます。「樹の上の草魚」。
ちょっとあとがきを読んで笑ってしまうのですよね。
薄井さん好きな方に出会ったのが初めてでちょっと嬉しかったんですよ。