こえてふたり

母から手紙をもらった。

あなたは自分がやりたいことを何ひとつ選べない子だった。
人に遠慮ばかりして生きてきた子だった。
でも。そんなあなたがただひとつ貫きとおしたのね。


そんな風にじぶんで思ったことはないけれども。
人の目にはそんな風に映るものなんだろか。

選んだ道を。ゆっくりと歩んでいこう。
これからは。ふたりで。

ときを

うすももいろをした。
はごろもみたいな。
よあけのひかり。

この手のひらに

透きとおる。風を。
抱きしめる。光を。

そして

そまる。茜色。
おうちへ。かえろう。

この胸に

せまりくるものは。
日常の中に。埋もれている。
美しい色たち。

そう

影を。
それとも。
いつまでも残ろうとする。
空の色を。

わすれずに

いつも。あるんだと。
真昼の月が。教えてくれる。

いつも

風に。光に。解けてゆく。
そして。
ひとつになる。

おもひは

まぶしい。
朝の光に。
包まれている。
くるまれている。

あの日の

首が痛くなるほどに見上げて。
果てしなく。
限界は遠く遠くにある。

かかげた

遠くから。
近くから。
あたたかい声がする。

こころに

今日もおわるけど。

ひとつひとつが。
あったかい場所だよ。

つよさを

くりかえし。
満ちては。
欠けてゆく。

立っていられる

風に乗って
みちびかれて
どこまでもゆく

ねぇ
こんどは
いつ会える

ここで

明日。またね。