けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

大学の9月入学制について

2020-05-07 23:04:34 | 政治
最近、大学の9月入学制に関する議論が注目を浴びている。メリット/デメリット、実現のためのハードルなどを色々議論しているようだが、私はこれらの議論とは別の理由で、9月入学制への移行は必須だと確信している。

多くの議論では、今回のコロナでの学習の遅れをキャンセルするためであったり、グローバル化へのメリットが大きいなどの利点と、高校・大学に混乱をもたらしたり、会計年度とのズレで決算上の問題があるとか、就職活動も混乱するなどの欠点が指摘されているが、この程度の問題であるなら私はどちらでも構わないと思う。というのも、この程度のことで決定的な差があるなら既に決着が付いているはずだし、今回の学習の遅れが問題というのであれば、一旦、9月入学制にしたとしても、その後に同様のパンデミックが起きたら再度、入学時期をずらさなければならないからだ。だから、この辺の議論が本丸ならば、私はどうでも良い話だと思っている。

しかし、決定的な話がここでは議論されていない。それは、新型インフルエンザの脅威は今後もいつ現れてもおかしくないのだが、その脅威は冬の間程高く、高温多湿の時期は(相対的ではあるが)圧倒的な差で脅威が小さいという点である。

例えば、通常、ウイルスが活動しやすい真冬に受験シーズンは訪れるのだが、その受験シーズンの真っ最中に新型インフルエンザの脅威に直面し、その時に緊急事態宣言が発出されたらどうなるのだろうか?

今年の入試は殆ど問題なく終わったが、仮にもう少し武漢肺炎の脅威が前倒しされていたら、今回も「罹患した者は入試を受けさせない」などの判断が下っていたかも知れない。しかし、自分の人生がかかった受験生がそんなのを素直に受け入れられるはずもなく、厳しくすれば厳しくするほど、受験生は罹患の確定につながる医療機関の受診を避けるようになるだろう。それは、単にタミフルを飲めば直る季節性のインフルエンザだったとしても、「新型」と言われるのが怖いから病院になど行けない。結果、インフルエンザで重篤化してしまったり、免疫が弱ったところで新型に罹患したりと、命に係わる事態が続発し、それは受験生だけではなくその家族や、家族の周りの人々にまで伝搬する。

この様に考えれば、罹患者を排除して受験を強行するのではなく、長時間にわたる三密を回避困難な入試は全て中止ないしは延期となるだろう。学生紛争で東大の入試が中止になった時、それはそれで大きなインパクトであったとは思うが、別の大学は普通に入試をやっていた訳だから何とかなった。しかし、全て(ないし大半)の大学が入試を中止または延期していたら、それは暴動が起きてもおかしくはない。仮に延期となったとすれば、今回の例を見るならば、通常2~3月の入試は6月以降に延期されることになる。現役生は半分、浪人気分で延期のタイミングを待つこともできるかも知れないが、浪人生は進学を諦めて働きださざるを得ない者まで現れる。つまり、受験生にとって致命的な事態となる。

そしてこの脅威とは、今後、ずっとずっと付き合っていかなければならないのである。

しかしながら、これが9月入学制となると話は異なる。今回の武漢肺炎もそうだが、ウイルスは一般的には高温多湿と紫外線を嫌う。夏になればウイルスが簡単に死滅するわけではないが、感染力を半減させる効果は容易に期待できる。なので、受験シーズンが定常的に6~8月に行われるのであれば、仮に真冬に新型インフルエンザの脅威に見舞われても、受験シーズンまでの間には時間があるので対策を打つことも可能だし、そのころには受験を強行するリスクはかなり小さくなっているはずだ。

以上の様な問題を回避するには、現在のところ、少なくとも受験が伴う高校と大学は9月入学制に移行せざるを得ない。小中学校も全てそれに合わせるべきかは議論が分かれるが、その辺はおまけの議論なので有識者に任せたい。個人的には全てを9月入学制にして、現在の春休みを廃止し、一方で5/1をメーデーかなんかで祝日に設定し、オセロルールで4/29から5/6までを全て休日にしてしまえば良いと思う。こうなると子供も大人も共通の8~10連休ができるので、年度末で会社を休み難い時期にある学校の春休みより、家族旅行という視点では使い易いかも知れない。

最後はどうでも良い話ではあったが、SARS、MERS、武漢肺炎が比較的短周期で現れる現状を考えると、転ばぬ先の杖と言える話ではないかと思う。少なくとも、来年の受験には間に合わせてほしい。

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