Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

東日本大震災 3

2011-03-16 20:30:04 | 教師修業
 18時過ぎに小中学生の子がいる職員の勤務が解除になりました。
 後ろめたい気持ちもありましたが,「家の無事を確認したらまた来ます」と教頭と約束し,学校を後にしました。

 家に近づくと,車がたくさん止まっているのが目に入りました。
 家族の身に何かあったのではないかとドキドキしましたが,向かいにあるファミリーマートに駐車できず,私の家の前に駐車しているのが理由でした。

 妻も娘も無事でした。娘を抱き締めました。
 私の両親も駆け付け,部屋の片づけを手伝ってくれていました。
 家中のものが溢れ返り,凄まじい状態になっていました。
 
 大変だったのは蓄熱暖房機が倒れてしまったことです。
 熱を持ったまま倒れているので,このまま放置していれば火事の恐れもあります。
 熱さと重さがものすごく,私と父の力だけでは起こせません。
 隣の親戚を呼んで大人4人でもう一度やってみましたが起せず,火事の恐れを懸念してコードを引きちぎりました。
 その後,何とか起こすことができました。
 
 食材などを調達するため,ファミリーマートに向かいました。
 行列ができています。停電し,ものが散乱した状態。自家発電での営業です。
 このような状況で営業してくださっているファミリーマートに感謝の念が湧きました。
 
 恐怖で不安に陥っている娘を置いていくのは忍びなかったのですが,21時に再び学校に向かいました。

 既に児童は全員引き取られ,避難所が開設されていました。
 1500人以上の方が避難しています。
 ストーブの設置,アルファ米の配給など,できることをしていきました。
 
 12日の午前1時半にいったん帰宅し,5時に再び出勤しました。
 
 朝食,昼食の配給など,自分勝手な言動をせずしっかりと順番を守るなど,理性ある行動,秩序ある行動をする日本人の素晴らしさを実感しました。
 避難されてきた方が2000人近くにも及び,備蓄している食材も足りないので,おにぎりもピンポン玉大です。
 それでも何の文句も出ませんでした。
 配給のためのボランティアを募ると,すぐに多くの方が名乗り出てくれます。

 途中,校長,教頭や市の職員などが席を外し,実質的に私がリーダーのような立場になりました。
 この時間帯は,だんだん避難されている方のイライラが募ってきた時間帯でした。
 給水車が来たのですが,足りなくなってしまい,次はいつ来るかの約束もないまま戻っていってしまいました。
 来るかどうかも分からない給水車を,200人近くの方が寒い中並んで待っています。