一身二生 「65年の人生と、これからの20年の人生をべつの形で生きてみたい。」

「一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」

カトリックとプロテスタント

2012年09月26日 | 聖書

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≪カトリックとプロテスタントの共通点≫

カトリックとプロテスタントの信じる神は全く同じ共通の唯一の神です。
キリスト・イエスもまったく同じです。
どちらも聖霊の働きを認めます。
聖書もだいたい同じです(カトリックには外典があります)。
洗礼も同じです。プロテスタントの洗礼をうければ、カトリックの洗礼は受ける必要はありません。

≪カトリックとプロテスタントの相違点≫

教会
プロテスタントは地上の教会は人間の作った組織と考え、民主主義的な特徴をもった組織よって運用します。
教皇や教会の権威は認めていません。プロテスタントにとって教会は目に見えない信仰でむすばれたものです。

一方、カトリックの教会は、聖ペトロの後継者であるローマ教皇を中心として形成される信者の集まりです。
したがって、カトリックの教会はその位階制度として目に見える存在です。
教会の司牧に関する権威はイエズス様によって直接与えられたものです。
また、カトリックの教会はキリストの神秘体としての霊的な目に見えない存在でもあります。
カトリックの教会は人間的要素と神的要素の一体化したものなのです。

聖書
プロテスタントは聖書中心主義です。聖書の解釈は個人の良心に任されます。

一方、カトリックは聖書を聖書としたのは教会であると考えます。
聖書があって教会があるのではなく、教会があって聖書があると考えるのです。
したがって、聖書の解釈は教会の仕事です。
*参考図書『キリスト教の常識』(セラフィノ・フィナテリ著、聖母の騎士社pp238-257)

秘蹟
多くのプロテスタント教会は洗礼・堅信または洗礼・聖餐を除きカトリックのすべての秘蹟を認めていません。

ミサ
プロテスタントにはミサはありません。
カトリック信徒には少なくとも年に一度、ミサに与る義務があります。

神父と牧師
牧師はプロテスタント教会の信徒の代表で基本的に信徒と同じ身分です。また、結婚できます。
一方、カトリック教会の神父は叙階の秘蹟をうけて神父になります。
また、神父には秘蹟を中心とする信徒にはない権能が与えられています。
とくに告解の秘蹟では神の代理として信徒の罪を許します。
信徒の悩みや罪を聞くため、ふさわしい知識と人格が求められます。
そのため、神父になるには長い勉強と修練が必要です(イエズス会では10年以上)。
ちなみに神父の行う秘蹟は神父がどのような状態であれ有効です。
つまり、神父の人格や罪に関係なく成立します(1584)。
神父は独身でその生涯を司牧に捧げます。
司祭はその犠牲に対して特別な恵みを受けています。それは次のようなものです。
「司教が受ける恵みはおもに勇気の恵みです。すなわち、すべての人、とくに貧しい人、病人、困窮者
に対する無償の愛をもって、父のように、羊飼いのように、教会を力強く賢明に導き擁護するための
恵みです。」(1586)

マリア
大部分のプロテスタントの教会はマリアを特別に考えません。「イエスはヨセフとマリアの自然の子である」(マルティン・ルター)というのが、その基本姿勢です。

一方、カトリックでは、マリア様は天使のお告げを従順に受け入れ、汚れのないまま(処女のまま)イエズスを懐胎し、生んだため、特別の恵みを持ち,地上の生涯を終えると、肉体と霊魂とともに天国に上げられたと信じます(聖母マリアの被昇天)。
信徒はマリア様に主へのとりなしを求めます(天国にいるマリア様に対し、神様にいっしょに祈ってくれるように頼む)。
マリア様は女神ではありません。マリア様はわたしたちの誰よりも早く天に上げられた恵まれた方です。

教会のおきて
プロテスタントには教会のおきてはありません。カトリックにはあります。それは次の5つです。

1.主日(日曜日、または日本では土曜の夜も認められる)と守るべき祝日(復活祭、クリスマスのミサ)を聖とし、ミサ聖祭に与るべし。
2.少なくとも年に一度は必ず告白すべし。
3.少なくとも年に一度はご復活祭のころ聖体を受くべし。
4.定められたる期日(日本では灰の水曜日と聖金曜日)には償いの務め(大斎、小斎)を果たすべし。
5.各々の分に応じて(日本では収入の2~5%とされる)教会維持費を負担すべし。

*カトリックの歴史が長い国・地域によっては毎週金曜日に肉を食べないところもある。

告解
カトリックでは犯した罪を司祭に告白し、許しを請います。司祭はその権能により、神に代わって
罪を許します。これを告解の秘蹟といいます。七つの秘蹟の一つです。信徒は大罪をもったまま死ぬと
天国に入れないので告解の秘蹟によって罪を許してもらう必要があります。
プロテスタントには告解はありません。

離婚
カトリックでは婚姻の秘蹟によって結び付けられた男女の関係は解消できません(不解消性)。
民法上の離婚は、倫理的に容認されていますが、容認には条件を伴います。
別れて再婚すると、その人は恒常的な姦通の状態にあると考えます。
また、結婚前の性的交渉も禁じています。

飲酒・喫煙
カトリックでは度を越した飲酒、喫煙は慎むべきであると考えますが、適度の飲酒・喫煙なら禁じてはいません。
プロテスタントでは概して飲酒、喫煙を禁じています。

避妊・妊娠中絶
カトリックでは自然に反するような避妊行為(コンドーム、経口避妊薬など)を禁じています。
妊娠中絶も禁じています。
プロテスタントは概して容認する立場を取ります。

聖人
カトリックには聖人がいますが、プロテスタントは認めていません。よく知られた聖人は
セント・ニコラウス(サンタクロース)と、セント・バレンタインでしょう。