稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

No.57(昭和62年4月10日)

2019年06月15日 | 長井長正範士の遺文


○一刀流の教え
改めて逐う(おう)て押えて隙に乗じて勝つべき實体(じったい)を見極め、
勝つべきところで、わが気剣体一致をもって、切込んで勝て。

切る時には、両足に切りを乗せ、両手に切りを集め、
物打ちを働かせる正しい心の切りをもって切れといっている。

故に現代のように道具を纒い(まとい)、竹刀を使って行う稽古でも、
素肌と思い、丸い竹刀でも、反り、鎬ぎがある真剣と心得、法にも適った
技法をもって必殺必勝の攻防をかけてこそ真剣味をもつ剣道が学ばれるのであると。

私はこの素晴らしい一刀流の精神技術を如何に竹刀剣道に表現するかという事を
絶えず念頭に入れ稽古に励んでおり、少しでも本物の剣道に近ずきたいと思っている。

右の教えは簡にして要を得た名文である。何遍も読んで心の糧として修養して頂きたい。

○剣道を正しく学ぶと、万事の観測が正確で、予見が適中し、
必然的に心も行いも正しくなり、人格が立派になり、
必勝不敗の人生を完了し得るに至るであろう。

それには、ただ観念的に思いをめぐらすばかりでなく、
具体的に先ず剣を正しく使う稽古から入らねばならない。

○奥伝の「捨目付」について
形に見える目付を一切捨て去ること。
過去を見て、現在を悟り、現在を見て未来を察するという巧智を捨て、
過去、現在、未来の三色を透見して無色の中に臨在する永恒を真観し、
万全の真相に突入する明哲至極に到達せよと教えているのである。

ここまでくると奥の深さが無限に深いことを思い知らされるのである。
お互いに生涯を通じ精進して行こうではないか。(この項終り)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読みと閃き(木曜会定例稽古、2019年6月13日)

2019年06月14日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時15分まで。今年19回目。
参加者20名ほど。気温、湿度とも、やや高め。

---素振りでのお話---
大きく上下振り。
左手は頭の上以上に上げる。
上げた時の右手は鍔元、下ろした時は左拳にくっつける。
大きくゆっくりリズム良く。止めないように。
ヒカガミが曲がると身体が上下して姿勢が悪くなる。常に伸ばす。
左足で右足を送るような感じ。
ヒザは曲げない。左足の踵は浮かせ過ぎない。

一歩前進一歩後退の正面打ち。
大きく上下振りと同じ要領で、打った時の左拳は鳩尾の位置。
この時の剣先の位置と自分の顔とは出来るだけ遠くなるように。
剣先は放り込むように。下ろした時の竹刀は床と平行になるように。

すりかぶり。
アゴを引いて胸張って両足の踵は少し浮かす。
足の向きに注意。撞木足にならないように。
左足に体重を乗せて身体がブレないように。
高速すりかぶりでも頭の上まで振りかぶること。

---本日の稽古内容と稽古中でのお話---
面を着けて3人一組。
七段のK山さん、六段のS田さんと組となった。

大きくリズムよくの切り返し。呼吸法の切り返し。
二足一刀の遠間からの大きくゆったりとした面打ち。

鍔元まで入った間合からの面打ち。右足だけ出しての面打ち。
出来るだけ姿勢が崩れないように。剣先が自分から遠くなるように。

遠間で構えて発声(間をおき)自分の打ち間まで入って(いったん止まって)の面打ち。
遠間で構えて発声、123と三歩で入って(いったん止まって)の面打ち。
123の、3の時に、相手の鍔元を、左手を少しだけ上げて割っていく。
横から押さえるのでは無い。摺り込む感じ。
鎬と鎬が離れないように中心を滑らし真っ直ぐ入っていく感じ。
剣先が高いところから打とうとすると脇が空いてしまう。
手元を攻めた中から面を打つと稼動範囲が大きくなる。

(同じ要領で)摺り込んだところからの返し胴。先々の後の先の技。
相手が打とうとするところを摩擦で感じて胴に返す。竹刀が離れては駄目。
(応用技で師匠の高校の時の得意技を見せてもらった・・張って面みたいな・・)

遠間から前後左右に(理由のある動きで)間合いに入っての面打ち。

9歩の間合いから、間合いを詰めて、相面勝負。
懸かる気持ちだけの連続稽古である。(捨て切る稽古)

相面5本連続打ちの稽古。(打ち負けない稽古)
特に女性は昇段審査で相手に打ち負けていてはいけない。
打ったあとにすぐに構えることが大切。

剣道は読みと閃きである。読みは先々の先、閃きは後の先。
読みは「こう出たら相手はこう来るだろう」で、閃きは予測しない動きに対しての対応。
審査でも稽古でも、この「読みと閃き」を養うことが重要である。

かかり手が自分から間合いに入る。
元立ちは、それに応じて、面か小手を打つ。5本連続。
それに対して、かかり手は読んだ技、閃いた技で返す。
相手が打ってくる一瞬を溜めて見極めないと駄目。
相手と一緒のタイミングで打っていては駄目。
自分から一歩、すっと入らないと上手く出来ない。
最後は自分から「はいっ、はいっ」と声を掛けながら一歩入っての稽古。

---終礼でのお話---
最後の稽古は「入り」の勉強に繋がる。
触刃交刃の間合いから、いかに相手を誘うのか崩すのか。
相手が打ってくるところを先々の技で、相手が変わるところを後の先で。
剣道は先々の「読み」と、後の先の「閃き」が大事である。
相手と自分との気が繋がり離れない稽古。気を抜かない稽古。
「ヤァ~!」で触刃交刃に間に入ったら静かに息を吐きながら一歩入っていく。

---賀来俊彦範士八段から師匠がお祝いに戴いた言葉の披露---
「勝負を超越して、ひたすら理のあるところを求められた たまものと敬服いたしております」

打った打たれた、打ちたい打たれたくないというところでは無く、理のあるところ、
こう攻めれば相手はどう出てくるかという「技前の部分」を稽古することが大事である。
K山先生は「スイッチを入れるまでが剣道」と言われ気がつき七段に合格した。
打ったところばかり気にする人が多いが、
当らなくてもしっかり残心を取るという(剣道に対する)姿勢が大事である。


(最初の素振りに集合しようとする場面)


(稽古終了)


(へとへとだが充実感と反省で一杯である)


(賀来俊彦範士八段から師匠が戴いたハガキ)


【感想・反省点】

呼吸法の切り返しはつらい。2回で体力の限界を感じてしまった。
相面からの稽古からはハードで、
笑ってしまうほど無茶苦茶に疲れてしまったが、
読みと閃きの稽古は、とても良い稽古だった。

しかしながら自分の不甲斐なさに呆れてしまう。

自分から一歩入るには入るのだが気持ちが「待ち」になっている。
待ちの気持ちがあると溜めにはならない。遅れるからだ。
結局、疲れて来ると、遠間から強引に入って、一か八かの賭け的な技しか出ない。

汗だくで息が上がりまくり。クタクタに疲れて稽古終了。
疲れきっているのに妙にハイテンションになってしまうのが剣道の面白いところでもある。

家に帰っての、冷えたビールが楽しみである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館定例剣道稽古(矢田中学校、2019年6月12日)

2019年06月13日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。
----------------------------------------


【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
----------------------------------------

井上館長を入れて参加人数は12名。
うち小学生の初心者2名。S初段は初参加。
(A君は2年前まで長正館に所属してたが初心者としてやり直すのだ)
常連のS口二段は足の故障のためお休み。たまには休むのも良い。
先週よりも湿気が少ないが、防具稽古は8人で疲れたのか早めに終わる。
長正館の稽古は厳しくは無い。良いところでもあり悪いところでもある。

現在、月に4回の定例稽古と月2回の月例稽古で、合計、月6回の稽古だが、
状況を見て、もう少し増やしたいという気持ちはある。まだ気持ちだけだが。


(時間前は、I口初段とH尾三段による自主的な剣道形稽古)


(F六段が遅れて来たため、準備運動と素振りはK芦五段が号令をかける)


(井上館長には、初心者2人の面倒を見てもらった)


(手前は、本日より稽古に参加したリハビリ剣のS初段)


(中学校で初段を取ってから10年近く稽古していなかったそうだ)


(S初段とI口初段)


(K野三段とK芦五段)


(H尾三段によるTちゃんへの指導)


(稽古終了)


(F六段)


【感想・反省点】

稽古は、H尾三段、I口初段、S初段、K野三段、Tちゃん、K芦五段、F六段と稽古。
毎回、ガンガン打ち込んでくるS口二段が休んだので少し楽だった。
相変わらずF六段には面を打ち込みたいが果たせずである。
試合巧者のような電光石化のような技は私には出来そうにない。

そういや以前、誰かに言われたことがある。
「粕井さんの面は速くは無くて、打ってくるのが見えるけど打たれますねえ」

いやはや、やっぱり遅いのだ・・・。

相手に気づかれる前に打ち込んでみたいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ライティングレールの取り付け

2019年06月12日 | つれづれ
①奈良に「とんぼ堂の工房」を作る計画
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/d/20190327

②和室改装中(中間報告)
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/d/20190601

天井の桟もきれいにしたのでライティングレールを付けることにした。
このライティングレールはホワード株式会社の廃品から貰ってきたもの。
駐車場のある別館を売却した時に出たゴミから照明器具と一緒に拾ってきた。

ライティングレールを天井の桟にネジ釘で止める。
新しく取り付けてもらった壁のコンセントを外す。
天井と壁の隙間にケーブルを通し、コンセントの穴まで出す。

実はこのコードを通す作業が一番大変だった。
天井と壁板との間には分厚いロックウール断熱材があって隙間が無い。
そこにケーブルを通そうとするが抵抗にあって進まない。

針金で通そうとするが、途中で曲がってしまってうまく行かない。

最後はスパナにタコ糸をくくりつけ、
スパナを隙間に無理やり押し込んだら、あとはするする下まで降りた。
スパナを穴まで誘導して、天井側の糸にケーブルを結んで引っ張って通した。

ここで問題発生。

付いていたダブルコンセントは、
買っておいたシングルコンセント+スイッチの取り付け金具が違うのだ。
ダブルコンセントを金具から外すとバラバラになってしまった。
どうやらダブルコンセントは金具と一体化しているようだ。

金具が違えば作業は出来ない。次の日に持ち越しとなる。

翌日、仕事帰りにホームセンターへ行って金具を買う。
帰宅してすぐに作業をすれば良いのにビールを飲んでしまう。

さんざん飲んだあとで「あら忘れてた」と作業開始。

飲んで不慣れな電気工事などするものでは無い。
簡単な配線なのに間違ってブレーカーを落してしまった。
真っ暗になって間違いに気づいて手直し。で、無事終了。


(元のダブルコンセントの穴に天井からケーブルを通す)


(ダブルコンセントの金具は汎用のフルカラーの金具と規格が違う)


(酔っ払った頭で配線したらショートしてしまった)


(あわてて手直し)


(壁に押し込んで固定する)


(上からカバーをはめ込んで完成)


(動作確認で完了)

ライティングレールは、取りあえずの位置に固定したが、
元の和室用の照明器具の位置も含めて、使い勝手を見ながら位置の変更をするつもり。
完成品ではなく、不完全なものを時間をかけて、
あれこれ考えて手直しし、自分の好みに改造していくのが好きである。
急がず、少しずつ手を加えていくつもりである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

庭にキュウリの苗を植える

2019年06月11日 | つれづれ
2年前に89才で死んだお袋は、
この時期になると必ず「キュウリ植えたか?」と聞いてきた。

お袋の血を引いたのか、私は土いじりがけっこう好きなほうだ。
兄達が土いじりをしたことは見たことが無い。
私だけ母方の農民の血を濃く引いたのかも知れない。

ちなみに私の息子たちは3人とも興味が無いらしい。
もう少しヒマなら自宅の庭にはトマトや茄子の畝が並んでいるに違いない。

キュウリの苗は4本だけ植えた。これで充分。
農薬を使わない自宅のキュウリは美味い。
夏の食卓のちょっとした楽しみである。


(小さな畝に4本だけ植えた)(さおは折れた竹刀の再利用である)


(植えた数日後には花が咲いた)


(女房が貰ってきて植えたアジサイの色がきれい)


(ついでにほっちゃんの写真を撮る)


(ふりむくとブサカワだった)


キュウリを植えるとホッとするのだ。

ウツのせいなのか、ボケたからなのか、
ほとんど喋らなくなったお袋との、最後の会話らしい会話が
「誠、キュウリ植えたか?」だったから、なのかも知れない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第42回、神宮武芸奉納会(2019年6月9日)

2019年06月10日 | 剣道・剣術
6時45分にロビーに集合。すぐに出発する。
近い駐車場は満杯寸前だ。間に合って良かった。
全員が集合するのを待って内宮参集殿に移動する。

着替えて8時半から移動し、神楽殿で御神楽を拝見する。
全部で45分ほど。30分間は正座したが、あとはシビレて足を崩した。
参拝は、御垣内(みかきうち)参拝である。内側の玉垣の中に入るだけだが。

朝は晴れていたが徐々に曇ってきて大雨になる。
懸念していたアルコールは抜けていた。


(伊勢神宮内宮の宇治橋鳥居前、朝の7時過ぎ)


(7時半頃に全員集合)


(宇治橋の上で)


(神楽殿)


(参拝を終えてYちゃんとツーショット)


(プログラム)


(代表者演武)


(空いた時間に集合写真・雨なので廊下で撮った)


(我々の演武は午後である)


(代表者演武)


(N村さん撮影)


(N村さん撮影)


(N村さん撮影)

仕事が溜まっていたので、終了後に急いで独りで帰った。
途中で富田林に寄って用事を済ませる。
17時には事務所に到着したが、仕事は21時を回ってしまった。
さすがに疲れた。この時期(仕事が忙しい時期)に丸々1日半を取られるのはツライ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊勢神宮奉納演武前夜懇親会(2019年6月8日)

2019年06月09日 | 剣道・剣術
6月の第2週は伊勢神宮内宮での奉納演武である。
正式には「神宮武芸奉納会」と言う。
小野派一刀流長正館から出場するのは8名。
うち5名が前泊、残り3名が日帰りである。

ということで前泊組は懇親会となる。
この数年は伊勢市駅前の居酒屋を使っている。
毎年「飲み過ぎないように」と言い、自分に言い聞かせているのだが、
案の定、かなりの量を飲んでしまったのは言うまでもない。


(伊勢自動車道の安濃SAにて眠気覚ましのコーヒータイム)


(居酒屋の前で西の空を撮影)


(ここの居酒屋はリーズナブルで何を食べても美味い)


(中締めでの1枚)

気がついたら夜中の3時で身体が冷え切っていた。
部屋に戻ってTVを点けて横になったのまでは覚えている。
明日は、小野派一刀流の秘伝「酔剣」を演武するかも知れない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なんば養正会(2019年6月7日)

2019年06月08日 | 剣道・剣術
大阪、難波の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)。
なんば養正会。大人の稽古は19時~20時15分(夜間の場合)まで。
----------------------------------------------------------

なんば養正会のホームページ。(管理人は私です)
http://doujyou.net/youseikai/
----------------------------------------------------------

仕事で車を使って難波まで。時間があったので稽古に参加。
昔の同僚との飲み会を断ったのは稽古のためでは無いので念のため。
(昔の同僚、ココ見てたらごめんね~)

行ったら、何人かに「川上村行くんですか?」って聞かれた。
この土日(6月8日-9日)に奈良県は川上村で恒例の養正会の合宿である。
奈良の上垣範士の指導を2日間も受けられる内容の濃い合宿だが、
毎年6月第2週は、伊勢神宮での古武道奉納演武に出るので出席が適わない。

府立体育館はまだ冷房が入ってなくて湿度が高かった。
稽古は自由稽古(地稽古)からアキレス腱だけ伸ばして参加した。


(基本稽古)


(1分間の回り稽古)


(稽古終了)


(終礼の時に、昇段審査の証書伝達)


【感想・反省点】

10人ほどと連続して稽古した。
途中で竹刀が割れ、2回も交換した。

感想も何も、この時期の3日連続稽古はツライ。
さすがに年を感じる。後半は足がまったく動かなかった。
終了後に「打ったあと、止まってないで、もっと前に出なさい」
と指導したが「実は、人の振り見て我が振り直せやねん」と付け加えた。

すっと入ることを意識したが、入った瞬間に相手が打ってくる。
入り方が悪いのか、その前の構えが悪いのか、あとの攻めが無いのかはわからない。
悩みは続くのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木曜会定例稽古(2019年6月6日)

2019年06月07日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時15分まで。今年18回目。
参加者20名ほど。

---始礼でのお話---
昔聞いた話や書物の内容が今になってわかることがある。
素直に求めることが大切。剣道は教えてくれない事が多い。

---素振りでのお話---
肩を使うこと。アゴを引いて胸を張る。
足と手の動きは連動させる。踵を(少し)上げる。

---本日の稽古内容と稽古中でのお話---
面を着けて3人一組。私はSS会のH田さんと2人組となった。

大きくリズムよくの切り返し。
二足一刀の大きくゆったりとした伸びやかな面打ち。

鍔元まで入った間合で、ゆっくりとした面打ち。
右足を一度止めて打つ、右足を出して打つ、
右足出して左拳を目元口元まで上げて打つ面打ち。

交刃から中心を割って入っていく面打ち。
無理矢理ではなく、そのままの形で入っていくことが大切。
右左と入っていくのでは無く、右足を出しつつ中心を割りながら打っていく打ち方。
剣先を入れる時は、左手を少し上げて擦り込んでいく。
思い切って相手の懐まで入ったら相手は対処できなくなる。

構えがしっかりしていないと入れない。
構えた時の足の配力は、左足が7、右足が3。
打つ時の足の配力は、左足が8、右足が2。
この時、踵は下ろす。力の配分(足の中の力の配分)は、爪先に5、踵に5。
右足に力が掛かっていると、いったん身体を起こす必要があるから遅れる。
軸がブレて無ければ、相手が下がっても連続技が難なく打てる。

「入り」と「攻め溜め」は別物。山岡鉄舟は「ゆるりと入る」と言った。
目線も身体の位置も変えないで真っ直ぐ入る。奈良の賀来先生は「しゅっと入る」と言った。

入って、攻め、溜め、打ち。入るのは難しい。
右左と入ると左足が残る。左足で送り出すように入る方法。
揺りかごのように(爪先上げて)入る方法。

相手の中心を取りながらの出頭面、出小手。

出頭面、出小手、相小手面、返し胴の稽古。


(素振り)


(交刃の間)


(力まず、自然に中心を取って入る)


【感想・反省点】

お相手のSS会のH田さんは、木曜会初心者なので、
何度も基本の面に戻って稽古した。

足を出しながら打つ方法、左手を上げて打つ方法は、
違う方法で長年やり続けていた剣士には難しいと思う。

自分としては、まだまだ中心を割って入っていく気持ちに欠けている気がする。
少しの躊躇でもあると中心から外れてしまうのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館定例剣道稽古(矢田中学校、2019年6月5日)

2019年06月06日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。
----------------------------------------


【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
----------------------------------------

参加人数8名。うち小学生の初心者1名。
常連のS口姉妹はお休み。井上館長は見取り指導。
途中から入館希望のSさん(社会人女性初段)が見学に。
人が増えるのは嬉しい。長正館の将来が楽しみである。

初心者のK賀君は井上館長が指導した。
礼法から足捌き中心。

地稽古はとても蒸し暑く20分短く終了した。
社会人剣道は無理をしないことが大切である。


(時間前はH尾三段とI口初段の剣道形自主稽古)


(準備運動と素振り、基本稽古はF六段が担当)


(基本稽古)


(井上館長による初心者指導)


(I口初段とH尾三段)


(同じく)


(同じく)


(同じく)


(同じく)


(同じく)


(同じく)


(稽古終了)


【感想・反省点】

我ながら湿度に弱い。
5人と続けて稽古したら動けなくなってしまった。
いまの時期に汗を出して身体を暑さに慣らさねば真夏の稽古は大変だ。
そう思いながらもすぐに限界を感じてしまった。
疲れてくると集中力も無くなる。しかし打たれた言い訳は出来ない。

本日、稽古の合い間が無かったので写真は少ない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.56(昭和62年3月30日)

2019年06月05日 | 長井長正範士の遺文


○相手を理解して励ませば實を結ぶ
文芸評論家の小林秀雄氏が亡くなった後、小林氏の追悼集の中で、
小林氏の義弟に当る田河水泡さんが「一番印象に残るのは、私が衰微していた頃、
ホンモノはつぶれないんだよ、キミはホンモノだよ」と励ましてくれた事。
そういう事は絶対言わなかった人だけに、大変うれしかった言葉でしたと言っておられた。
「君は本物」の言葉は田河さんにとって、どれだけ力強い励ましになった事であろう。

○親の励ましが子供を立派にする
相手を見抜く点で、親、とりわけ母親にまさるものはないと思う。
平安時代に地獄と極楽を説き、その著「往生要集」で知らされる源信が十六才の時のこと。
(源信は十三才の時、母のすすめで出家し、比叡山で勉学にいそしんでおり大変秀才であった)

彼は選ばれて村上天皇の御前で仏典の講義をするまでになった。
天皇は、その学才を賞され、立派な白布を下賜されたのである。
これは誠に素晴らしい栄誉で源信はよろこび、その気持ちを書き添えて、
白布をふる里の母に送ったが、母は送り返して、その手紙に「天皇さまの御前で、
おほめにあずかるのは名誉なことです。でもあなたはお坊さんです。
現世の名誉や利益に迷うことは、有難い仏教の教えに、そむくことではないでしょうか。
夢のようなこの世で同じように迷って生きている人々に名を知られ、
それを名誉と思うとは何事です。永遠の悟りを極め、仏さまの御前にこそ、
あなたの名を挙げて下さい」と書いてあった。

源信は手紙を抱いて泣き伏したということである。
やがて立派に成長し高僧になったのである。
母の厳しい手紙が源信に本当の悟りへの道を開かせたのである。
母の厳しい手紙が源信に本当の悟りへの道を開かせたのである。

○励ましは人と人とを継ぐ心のかけ橋である。
そしてその橋を渡っていくものは愛と思いやりである。
励ます人の深い愛と温かい思いやりが素直に励まされる人の心に伝わらなくてはならない。
励まされる人も、励ましてくれる人を理解し、尊敬しなければ、
励ましも、ただのおせっかいに終わってしまう。

○あのイギリスの映画監督、デビッド・リーンの名作、
戦場にかける橋も汽車を通すための橋づくりが映画のテーマではないので、
戦場にあって敵、味方が対立する時でさえ尚、敵、味方を超越した人と人との心の交流、
即ち「心のかけ橋」がこの映画の最大テーマであった
「戦場にかける橋」が人間同士の「心のかけ橋」だったからこそ、
あの過酷なビルマ戦線で多くの尊い人命が救われたのである。

今、人を励まそうとする時、われわれは持てる力の限りを尽くして、
相手が立ち直り、立派に成長してくれることを願い乍ら最大の努力を払わねばならない。
励まされた人は必ずこの励ましに心から応えてくれるに違いない。現在、とがめることの多く、
励まされることの少ない世の中で、親と子、先生と生徒、友と友、先輩と後輩、男と女・・・。
互いに励まし、励まされ、支え、支えられて日々を生きていきたいものである。

時には又自分で自分を励まさねばならない場合もある。
こんな時は、他人をよく理解して励ますように、己を厳しく見つめ
「自分よくじけるな!」「最後までやりぬけ!」などと励まさねばなるまい。
人生には苦労がつきものであるが、わがとわが身を励まし乍ら、
このリハーサルのない人生を価値あるものにしていきたい。この項終り。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小野派一刀流「あんちょこ」の見直し(2019年6月3日)

2019年06月04日 | 剣道・剣術
あんちょことは「安直」の転で、参考書、自習書、虎の巻のこと。

初めて長正館の門を叩いた時のことはよく覚えている。
事前に何の連絡も入れず、早朝の稽古にいきなりお邪魔した。
古流の道場だと聞いていたので、気の弱い私は恐る恐る扉を開けた。

心配は無用で、入館希望と言うと稽古着に着替えなさいと言われ、
そのまま仕方の列に並ばされ「前の人をマネてやってみなさい」と言われた。
わけのわからぬままに、四苦八苦、大汗かきながら大太刀50本を最後までやった。

何だかわからぬが「一刀流は面白い」と思って今に至るわけだが、
ともかく技を覚えるのが容易では無い。
大太刀だけでも60本、表裏で120本はあるのだ。
剣道形が10本しかないのに苦労するのだから想像に難くない。

で、笹森順造著「一刀流極意」を買って読んだのだが、
これは難解で理解するのに骨が折れる。私は賢くは無い。


(笹森順造著「一刀流極意」)

困ったので、日本武道館制作の「古武道シリーズ」の
小野派一刀流のVTRビデオテープを買い求め、
食い入るように何回も見てみたが長正館の遣い方とは少し異なるようだ。

そこで稽古中に稽古の内容をメモにして、
あとで思い出しては加筆訂正して「あんちょこ」とした。

元々は自分用として誰にも見せなかったのだが、
自分が指導者になってみると、初心者の指導用として有効なので、
館員のレベルに応じて手渡しし、参考にしてもらっている。

もちろん技の手順を簡単に書いてるだけで理法理合までは書いていない。
取りあえず、曲がりなりにも稽古について来れるようにする補助用である。

月例稽古で「刃引」の指導をしているが、
初心者もいるのでこの「あんちょこ」の必要性を感じ見直してみた。
取り掛かると夢中になる。おかげで難波の養正会での剣道稽古は休んでしまった。

手直ししたものが完成したのでプリントアウトして、
次の5月16日の一刀流月例稽古参加者全員に手渡すつもりである。



(大太刀、払捨刀、刃引、高上極意五点、小太刀、合小太刀、三重、ハキリ合の「あんちょこ」がある)


(刃引の「あんちょこ」を10年ぶりに見直し加筆訂正した、45歩は「しごほ」で「よんじゅうご」では無い)


小野派一刀流長正館ホームページ
http://doujyou.net/choseikan/index.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館、月例稽古(2019年6月2日)

2019年06月03日 | 剣道・剣術
長正館の月2回の日曜稽古。
前半は一刀流、後半は剣道稽古。
通称「月例稽古」は東住吉区湯里小学校の体育館。
----------------------------------------


【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
----------------------------------------

---小野派一刀流稽古---
参加人数9人。(うち1人は剣道形を行う)
館長はM上初段の剣道形指導。

刃引の初心者もいるので久々に刃引稽古をする。
刃引は地味に見える形だが非常に実戦的で奥深い形だ。
打方をFさんと二人で務める。蒸し暑くて汗が止まらなくなった。

---剣道稽古---
参加人数11人。見学者1名。
七段1名、六段4名、五段1名、以下5名。
最後に審査の立合い稽古を行う。7月の地方審査(五段まで)の対策である。
扉を開けているが風が無く蒸し暑い。


(小野派一刀流刃引の稽古)


(横でM上初段は剣道形の指導を受ける)


(休憩時間にI口初段とM上初段の剣道形稽古)


(準備運動と素振りはF六段の号令で)


(F六段に掛かるM上初段)


(K藤六段)とF本六段のバトル)


(I口初段とM三段)


(同じく・小手に打ったが鍔に当った瞬間)


(S口姉妹、切り返しの指導)


(稽古終了)


(長正館では六段以上が上座)


(館長は足の怪我で最後まで見取り指導)


【感想・反省点】

月2回の一刀流の月例稽古は、毎週稽古の定例稽古内容とは内容を変えている。
基本的に大太刀ではなく、刃引、払捨刀、高上極意五点の稽古を行う。
いずれは、小太刀、合小太刀、三重、ハキリ合の稽古もやるつもりだ。
打方としての初心者指導もしたいと考えている。
参加者、状況を見ながら判断していきたい。

剣道では、真っ直ぐ入ること、習った技を試すことの2点を意識した。
頭ではわかるのだが、なかなか出来るものでは無いと痛感した。

見学に来た女性が水曜日の稽古から参加したいと言う。
(先週、問い合わせがあった女性とは別だった)
人が増えるのは嬉しいことだ。焦らず楽しんで欲しいものである。
そして、自分も長正館全体も、より剣道の質を高めたいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一刀流と宝剣会の稽古(2019年5月29日)

2019年06月02日 | 剣道・剣術
自宅の改装でドロドロになったのでシャワーを浴びて着替えて事務所まで。
時間まで仕事をして佐川急便に寄って荷物を出して中野中学校まで。
ああ忙しい。あわてていたので帯を忘れてしまった。

帯は着けると腰の安定感が増すような気がする。
忘れても、しばらくすると慣れて違和感が無くなる程度だ。
でも帯はしたほうが良い気がする。絶対に。

早めに着いて、雑談をしているうちに稽古の時間になって、
相方と伊勢神宮の演武稽古を一回だけした。
新人の中国人留学生の上海から来たSさんはN村さんが指導する。
私は長正館の書類なんかを点検していたら帰る時間になってしまった。
事務所に戻って出荷案内メールなどの処理をする。ああ忙しい。

夜は宝剣会の稽古。
嬉しいことに4年前に中国は大連勤務になったH田さんが戻ってきていた。
彼は私より4つ下で、私よりも遥かに強く、一緒に七段を目指していた。
良い意味でのライバルで稽古の質も高くなる。これは嬉しい。

遅れて行ったので、いきなり石丸師範に切り返し、打ち込み、最後に切り返しをさせられた。
息が上がるが、こういう打ち込み稽古はここだけでしかしないのでありがたい。

そのあと、H田六段、O畑五段、A山七段、そして石丸師範。
最後はまた打ち込みと切り返しで、腕が上がらなくなった。へとへとである。
N村五段とは時間切れで稽古できなかった。

稽古終了後は剣道形稽古。久々にH田六段と組む。
珍しく石丸師範から指導を受ける。


(中野中学校での一刀流稽古風景、その1)


(中野中学校での一刀流稽古風景、その2)


(中野中学校での一刀流稽古風景、その3)


(生駒市武道館の前)


(急いで行ったが稽古は始まっていた)


【感想・反省点】

H田六段は大連ではほとんど稽古をしていないと聞いた。
4年間の稽古のブランクがあるが真っ直ぐに打ち込んでくる勢いは衰えていない。
小手から面に飛んでくる得意技には注意していたつもりだが見事に一本取られてしまった。
来週は伊勢神宮の演武で来れないが楽しみが増えた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和室改装中(中間報告)

2019年06月01日 | つれづれ
3月27日に和室を改装するという記事を書いた。

奈良に「とんぼ堂の工房」を作る計画
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/d/20190327

6畳間の和室の押入れ2箇所を潰して10畳近い板の間にする計画だ。
見積もりをお願いしたら120万円を超える見積もりが来た。

いやいや、そんな立派なものはいりません。
押入れ潰して、床を板の間にして、天井はぶち抜いたままで、
窓はそのままで、壁は厚みのあるベニヤ板張っておけば良いです。
塗装も壁紙もいりません。エアコンも今あるものが剥き出しでいいです。

へぇ~と少し呆れられたが、最低限の工事だけしてもらった。
床と壁さえ仕上がっていれば、あとは自分で何とか出来る。
請求書が来ていないのでいくら掛かったのかはまだ知らない。

天井の張りのボードを外したあとだけあまりに汚いので除去することにした。
ボードは接着剤で格子状の張りに止められていたらしく、
スクレバーやナイフで取ろうにもどうにも取れない。

で、電動ディスクグラインダーと防塵ゴーグルの登場となる。
ただいま作業中。すさまじい埃の中で悪戦苦闘中。


(改装前)


(改装終了、上の写真とほぼ同じアングル)


(接着剤のあとが醜い)


(あとは自分で何とかするぞ)


(悪戦苦闘中)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする