ナイフの鞘はシースと呼ばれ
る。
る。
ホルスターというと主に拳銃
の容れ物を指し、ガンベルト
というとベルト+ホルスター
を指すことが多い。
の容れ物を指し、ガンベルト
というとベルト+ホルスター
を指すことが多い。
さらに、リグというのは、拳
銃のベルトとホルスターとい
う物理的な物体を指すだけで
はなく、装備としてのガンベ
ルト全体のことを指す米語だ。
銃のベルトとホルスターとい
う物理的な物体を指すだけで
はなく、装備としてのガンベ
ルト全体のことを指す米語だ。
ナイフでもこの図のような拳
銃のフロントサイドポジショ
ンホルスターのようなシー
銃のフロントサイドポジショ
ンホルスターのようなシー
スもある。日本国内には個
人カスタム作品以外では全
く存在しない。
人カスタム作品以外では全
く存在しない。
これなどは銃のホルスターぽい。
これも刀身を横にしてベルトに
装着できる仕様になっている。
装着できる仕様になっている。
これもそうだ。
これもホライズンセットのベ
ルトループがある。
横抱きもベルトへの縦吊りも
ある二択のシースだ。極め
て優れた発想とデザイン
だ。
タクティカルナイルの場合は
システムセットパーツにより、
ベルトへの装着向きを変更で
きる。
バックサイドポジションは活
動を阻害せずにとても便利だ。
動を阻害せずにとても便利だ。
シティタクティカルナイフの
場合は、コンシルード性が高
くなるため、米国ではこうし
た携帯方法も特殊部隊員や工
作エージェントでは採用され
ている。
場合は、コンシルード性が高
くなるため、米国ではこうし
た携帯方法も特殊部隊員や工
作エージェントでは採用され
ている。
腰のベルトの位置に刀身が
カンヌキのように横抱きに
なっているのは、実はとて
も実用的にも使いやすい。
カンヌキのように横抱きに
なっているのは、実はとて
も実用的にも使いやすい。
これはタクティカルシース
のためセッティングで装着
向きが変えられるシステム。
のためセッティングで装着
向きが変えられるシステム。
これはベルトに垂らし下げの
タイプのレザーシースのルー
プ幅最大に寝かせて、無理や
り日本刀方式の装着にした状
態。
これは吊り下げ式の標準携行
法のシステムを利用してベル
トループで横抱きにした軍用
プーコ。こちらはナイフ自体
が非常に優れたレンジャーナ
イフだ。災害時にも一番信用
できる。
この位置にナイフを帯びる
のは、とてつもなく使い易
いのだ。日本刀と同じ左腰で
のは、とてつもなく使い易
いのだ。日本刀と同じ左腰で
カンヌキ=地面に並行に真っ
直ぐに差す。
直ぐに差す。
江戸期には、徳川実紀などに
よると、武士の刀のカンヌキ
差しは即抜刀斬りのポジシ
ョンなので、武張ったもの
であるとして、登城武士た
ちはほんのやや刀を起こす
よると、武士の刀のカンヌキ
差しは即抜刀斬りのポジシ
ョンなので、武張ったもの
であるとして、登城武士た
ちはほんのやや刀を起こす
セキレイ差しというポジシ
ョンを平時のフォーマルと
していた。45度まで起こす
とそれは落とし差しといっ
てだらしないものとされた。
江戸期武士の通常はほんの
僅か、鶺鴒(セキレイ)の尾が僅
かにやや水平より角度が付く
ような鞘の角度に刀を帯びた。
ョンを平時のフォーマルと
していた。45度まで起こす
とそれは落とし差しといっ
てだらしないものとされた。
江戸期武士の通常はほんの
僅か、鶺鴒(セキレイ)の尾が僅
かにやや水平より角度が付く
ような鞘の角度に刀を帯びた。
カンヌキは、実は邪魔になら
ない。
ない。
即抜きポジションは、抜刀だ
けではない実用性も偶然に加
味されている。
けではない実用性も偶然に加
味されている。
江戸期の武士などは刀を「抜
きにくい位置」にすることこ
そが作法心得心遣いとされ
ていたという合理主義を排
した社会通念があった。故に
刀掛けでも鳥居形を崩す小刀
上掛けなどは存在していない。
きにくい位置」にすることこ
そが作法心得心遣いとされ
ていたという合理主義を排
した社会通念があった。故に
刀掛けでも鳥居形を崩す小刀
上掛けなどは存在していない。
バックサイドダウンポジション
での装着。
日本刀では、奴差しなどと
も呼ばれるが、崖を登る時
などは、中間(ちゅうげん)の
も呼ばれるが、崖を登る時
などは、中間(ちゅうげん)の
ヤッコでない武士でもこのよ
うに刀の柄を後ろに回して
崖や石垣を登る。
うに刀の柄を後ろに回して
崖や石垣を登る。
普段は非合理であっても建前
を旨とする武士社会ではある
が、戦闘局面では実用性重
視を徹底させていた。武士
は「戦う種族」だからであ
る。
を旨とする武士社会ではある
が、戦闘局面では実用性重
視を徹底させていた。武士
は「戦う種族」だからであ
る。
それに通じる実用性重視の、
というかそれしかない現代ア
ウトドア活動は、合理主義的
な事柄が重視される。
というかそれしかない現代ア
ウトドア活動は、合理主義的
な事柄が重視される。
これは、簡易安全なキャンプ
でさえも、実用性こそが第一
義とされて優位性を持つ。
故にグランピングなどはキャ
ンプでもアウトドア活動でも
何でもない。
でさえも、実用性こそが第一
義とされて優位性を持つ。
故にグランピングなどはキャ
ンプでもアウトドア活動でも
何でもない。
地上最悪の野外活動の紛い物
がグランピングだ。下手した
らテントに電気式エアコンを
設置するかような発想に凝
り固まっているのがグラン
ピングだからだ。
がグランピングだ。下手した
らテントに電気式エアコンを
設置するかような発想に凝
り固まっているのがグラン
ピングだからだ。
ところで、日本国内では、ア
ウトドアで私以外にナイフを
刀のように左腰に差すよう
に携帯する人は見たことが
無い。皆無。
ウトドアで私以外にナイフを
刀のように左腰に差すよう
に携帯する人は見たことが
無い。皆無。
北米などでは非常に多いのだ
が、元来日本刀の帯び方と
同じポジションを日本人が
が、元来日本刀の帯び方と
同じポジションを日本人が
全く採用せず(知らないか
ら?)、日本刀とは無縁の
アメリカ人が実用性から左
腰のベルトにナイフを日本
刀のように帯びることを多
くやっていることは、社会
文化的現象としては非常に
面白い。
ら?)、日本刀とは無縁の
アメリカ人が実用性から左
腰のベルトにナイフを日本
刀のように帯びることを多
くやっていることは、社会
文化的現象としては非常に
面白い。
アメリカでも、標準的で一般
的なナイフの帯び方は切先を
真下にしてベルトにシースの
ループを通してぶら下げるこ
となので、日本人はそれを真
似しているのだろう。
また、多くの入門書などは
「ナイフはこうやって携帯す
るのが正しい」などと、一本
「ナイフはこうやって携帯す
るのが正しい」などと、一本
調子で一つの携行法しか解説
していない。
していない。
日本の野外活動普及者は視点
が狭過ぎる。
が狭過ぎる。
世界観も狭過ぎる。
日本では稀有な存在としてア
ウトドア洋式ナイフを左腰に
カンヌキに差して帯びてい
ウトドア洋式ナイフを左腰に
カンヌキに差して帯びてい
る私は、日本刀の用法を意
識してもいるが、主たる要
因は実用性からというアメ
リカン方式の発想からきて
いる。
識してもいるが、主たる要
因は実用性からというアメ
リカン方式の発想からきて
いる。
日本人は決められた事しかや
ろうとしない。
また、こうだと教えられた事
から抜けだそうとはせず、集
団で金太郎飴をやってそれで
満足している。
ろうとしない。
また、こうだと教えられた事
から抜けだそうとはせず、集
団で金太郎飴をやってそれで
満足している。
ナイフの左腰帯刀形式の帯び
方をしない人だらけなのはそ
のためだろう。
方をしない人だらけなのはそ
のためだろう。
そして、ミリタリーベレーが
かぶれないのが日本人のほぼ
全体であるように、ナイフの
かぶれないのが日本人のほぼ
全体であるように、ナイフの
携帯装着法についても視野を
開かない。
開かない。
いろいろ自分でやってみれば
いいのになあ。
いいのになあ。
教習所が如何に嘘ばかり教え
ている「決め事動作」の伝習
所でしかないことが理解でき
るのに。
ている「決め事動作」の伝習
所でしかないことが理解でき
るのに。
固定観念で凝り固まるのはよ
くない。
くない。
上着で見えないが、左腰のベ
ルトに大型ナイフを差してい
る。(2000年)
ルトに大型ナイフを差してい
る。(2000年)
左手で見えないが、左胸スト
ラップにハンドルを下にして
コンバットナイフを装着して
いる。(「週刊読売」から1984年)
ナイフの携帯装備方法につい
て、固定的な固着に拘泥する
のは思考停止であろう。
て、固定的な固着に拘泥する
のは思考停止であろう。