渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

夫婦の会話

2021年12月28日 | open
 

かみさんから「お願いがあるの
だけど。これ頼まれてくれない?」
と言われ、「あいよ。お安い御用
だ」と答えてふと思って言った。
「お安い御用、てな言い方、
すげー古くない?」と。
かみさん答えた。
「超絶古い。『がってんでい』より
いいけどね」
と。
今どき、そんな言葉使う奴ぁいねー
っつーの。
「てやんでぃ」とか「ベラボーめ」
とか「〜でやんす」とかさあ(笑
ど根性ガエルの梅さんや五郎だっ
て、もう50年前の話だ。
おいらが子どもの頃にはいたし、
おれらも使ってた(笑
あと、やったぜベイビー!てな
のが流行った。
今上陛下がご幼少のみぎり、
「やったぜベイビー!」と言って
美智子さまに「それはどういう
意味ですか?」と問われたのは
有名な話だ。

ま、言葉てのは、時代と共に変わ
って行く。
時代劇なんてね、ウルトラリアル
で言葉をセリフにしたら、全く
現代では通じないと思うよ。
これ、現代劇でも、1960年代の
映画では「女言葉」てのがあって
ですね。今の子、知らない。
「〜わ」を語尾に付けるのは常識
で、「あなた、それはなさらなく
てもよくってよ(貴方はそれをされ
なくてもよろしいですよ)」みたい
言い回しをした。女性たち全員
が。
これ、おいらの高校時代あたり
ではフツーに女子高生も使って
た。「わ」や「〜てよ」を。
これ、文字の字面だけだと関西弁
にもあるので、混同してはいけ
ない。
関西弁での「ようせんわ」の「わ」
は東京弁での女性言葉の「わ」と
は全く異なる。
また、女言葉の「てよ」も東京
でも男が言う「おう。それしなく
てもいいってよ」の「てよ」とは
活用が全く異なるし、意味は違う。
『傷だらけの天使』のショーケン
の最後のセリフ「アキラ。出てけ
ってよ。出てけってよ」の「てよ」
も勿論女言葉の「てよ」とはまる
で異なる。女言葉の「てよ」は
女言葉の「ですわよ」と同意だ。

今は女の子たちが、コンビニ前で
ンコ座りしてた昔のティーンの
「スケバン(死語)」のような言葉を
多くの子たちが使っている。
「ちげーよ」とか「きめーんだよ」
とか。
昔はそれはズベだけ(笑
まじで、きちゃないズベだけ。
ユーツベラーの女たち見てると、
まあ、言葉は昔のズベ公そのもの
なのが異様に多いので文化史的に
勉強になる。
あと、女ツベラーほぼメンヘラ
大集合の定理、てのがある。

ただ、無知は怖いもので、先日、
エレベーターでおばあちゃんが
先に下りる時に「ごきげんよう」
と言った意味がわからないと
若い子がネットに書いていた。
そしてそれに同調するように
「ごめんくださいまし」とかも
何言ってるのかわからなかった、
と。
それはさすがに、日本語勉強しな
さすぎでしょうよ。手紙さえ書いた
こと無いんじゃない?
「かしこ」なんてのは宇宙語みた
いに感じるのでは。
そもそも、今の若い子挨拶さえ
一つもできない。
俺らの世代までかなあ。ギリギリ。
そうした作法と言葉使いの躾けを
日本人として受けたのは。
今は、どんどんアメリカンみたい
だもんな。
仕事中ガム食いながらプレゼンの
スピーチとかするのかね。客先訪問
や教壇での講義とかでチョコ食いな
がらとか。やらねえと思うけどなぁ。
思うに、知的活動と無縁な域にある
ほど、言葉使いには疎くなるのだと
思いますよ。

とりあえず、野郎どもは室内では
帽子は取れ。
万国の男の常識、礼儀作法だから。


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