渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『ワイルド7』(2011)

2021年12月26日 | open


『ワイルド7』(2011)

突込みどこ満載の痛快駄作、その名も
『ワイルド7』。
原作とはて~んで違う作り。
まあ、映画はエンターテイメント
だから良いのだが、一番のミスキャ
ストは、ゲリラハンターのユキが
深田恭子という配役。これがひどい。
大根だし、運動神経鈍くて超どん
臭いし、バイク乗れないからトレー
ラー積載での特撮での跨って走って
いるかのような撮影でのフォームは
ド素人無免以下だし。ユキではない。
深キョン一人でダメな映画をとこ
とんさらに駄目にしている。
オープニングから少しの間は努力賞
的なアクションシーンだが、あとは
もうトンデモセブンになってる作品。

オープニングの銀行強盗のシーン。
北九州市であることバレバレの
道路標識のまま。でも都内設定。
戸畑区というのがそのまま写って
いる。


ラストシーン。
これは北九州空港の橋だが、先に
衛生打ち上げ施設がある設定で、
そこはCGをかましていて、よい
ラストだった。
んが。この最後のケツについた
新メンバーユキの乗り方のしどい
事。吹き替えだろうが、これは
しどい。台車に載せての撮影も。
瑛太たちは監督から「背を丸めろ」
と演技指導あったが、この女は
無視のようだ。もっとも、乗れて
る女は今は世の中ほぼいない。皆
背中に福田照男さん言うところの
直角定規を入れてたり、逆にそっ
くり返ってる。ステップにはだら
しなく足を置いているだけ。
腕は突っ張らかってる。危険載り。

この映画、一番良くないのは、
最後のテロップの時に、撮影
風景を内輪ネタ風に撮って流
していることだ。学芸会。
全員にカチンコを持たせて、
大林宣彦『時をかける少女』
(1983)と同じことをやって
いる。
僕たち頑張って作りました感を
出そうとしてる監督のセンスを
疑う。これは観ていてきつい。
年賀状で子どもの写真だけの賀
を送ってくる馬鹿な親の親バカ
を見るほどにイタい。

だが、爆破シーン、銃撃シーン、
バイクの走行シーン等々はかな
り演出が良い。
物語のダメダメ感はアクションで
どうにか見るに堪えるようにして
ある作品だ。
ただし、リーダー飛葉が感情的
に激昂して「守りてえんだよ!」
とかチンピラみたいに叫ぶ事など
は、原作では絶対にあり得ない。
この脚本を書いたライターは
原作をちゃんと読んでいるのか
とさえ思う。
ま、すべては監督の責任。
映画の良し悪しの全責任は映画
監督にある。そういうもの。
チームで作るのが映画だから。

飛葉の銃がコルトウッズマンで

あるのは、原作者の望月三起也
先生が「それだけは絶対に譲れ
ない」として主張した結果だ。
それゆえ、撮影当時、どこの
メーカーからも発売されていな
いモデルガンのコルトウッズマン
ゆえ、MGCの
30年近く昔の中古
を探して何丁か
買い求めてステー
ジガンを製作
した。原作では
ファーストシーズン
の後のシリー
ズから飛葉が使用
するマグナム
ウッズマンだ。相棒のクロスも
同じウッズマンを使う。

.357弾設定。
それはオープニングで正確に表現
されていた。ただ、リムドカート
でリボルバーのような薬莢だった。
詰めが甘い。

ところが、何度も観てしまうと
いう不思議な駄作だ。
まるで超駄作『彼のオートバイ.
彼女の島』(1986角川)のよう
な妙な力を持っている映画だ。
隊長役の草波を演じた中井貴一

はさすがに上手い。
彼は熱烈な原作ファンだった。


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