渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

あくまでヴィジュアル的に

2023年02月07日 | open


キューのフェルールの長さは、
このハオキュー位の長さが一番
バランス良く見えるように思え
る。
あくまで、外見上。

私のオリジナルは22ミリにして
ある。
これは性能面から弾き出した。
内部構造も少し工夫した構造に
してある。それはある狙いから。
ひと工夫のひとヒネリ。
ボブ・ランデとジナの先角の内
部構造からヒントを得た。
私のオリジナル先角は能力最高。
一つ欠点がある。
緻密かつ精度の高い内部加工で
あるので、きちんと請け負う業
者が殆ど無い。
私も昵懇の業者が廃業してから
は全く他者に製作依頼していな
い。
私個人は一般的な取り付け技法
しかできない。
先角は何でもかんでも一辺倒の
方法で装着すればよいというも
のではない。ただのネジ切りで
のねじ込み接着などでは、ガチ
ガチの棒のような打感になるの
がオチだ。キューの事を深く考
察しないと、キューの能力を損
なう。
その視点、思想の無い加工は、
リペアとしていくら作業が巧く
とも「下手(げて)」の仕事であ
るといえる。

かつての2000年頃までのプール
キューのノーマルソリッドシャ
フトの先角の長さは1インチが標
準だった。どのメーカーもそう。
長すぎるメウチを除いて。
1インチはかなり長い為、重量も
増して、キュー先の振動減衰性
も悪く、トビが大きく出るのが
プールキューのノーマル仕様の
一般的な性質だった。
キャロムの世界では、その現象
を減殺する為に、既に半世紀以
上前から先角を短くしていた。
プールの世界でも、日本のプロ
たちは1970年代、80年代には
象牙先角を短くする事でブレの
少ないキューにカスタムする事
が実行されていた。ごく一部の
キューをよく知る層のみだが。
私もそうした先達の知見から学
び、早期から先角は短めに改造
していた。
1990年代末期に至ってもそうし
たカスタムは首都圏では常識だ
ったが、中国四国地区ではその
キュー先の軽量短小化のカスタ
ムは存在せず、私のキューの先
角が短いので珍しがられた。
人が集まって来て「何これ?」
と囁き合う程だった。

その後、ハイテクシャフトが登場
し、Mezzなどは先角の徹底した
軽量化を標準化した。
だが、その傾向は極度に加速し、
今では極端に短い先角の物も増え
た。
見た目のバランスが悪く、正直
言うととてもカッチョ悪い。
短くしても、ハオキューあたり
までがヴィジュアル的には良い
ように思える。
そこまで極限的に短くする程、
ある一定寸法以上は短くしても
さほど実用効果にも差異が見ら
れないからだ。
であるならば、見た目がバランス
良い物のほうがいい。
これは、あくまで美的感覚とセン
スの問題だが。

日本刀でも、おそらく造のよう
な体配は不恰好この上ない。
「おそらくこんな変な姿の刀は
無いだろう」という意味で「おそ
らく造」と命名された。いわば、
冗談ギャグで名称がつけられた。
真理としては、不細工はどう転ん
でも不細工なのだ。

キューの先角に関しては、性能上
差異が微細であるならば、見た目
が精悍なほうが不細工な物よりも
いい。と、思える。
あくまでも、美的センスの問題だ
が。
だが、そうした事は、インダスト
リアルとしてのデザイン性だけで
く、ファッション等にも繋がる
スマートな「粋」にも関するもの
かと思う。
それらの取捨選択は生き方の問題、
というような。

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