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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

「たかたのばば」と「たかだのばば」 〜流鏑馬〜

2020年05月15日 | open



高田馬場って実際にはどこにあったの?
と思う。
モノのネットペディアによると以下だ。


このあたりは歴史の上でも行政管轄が
めぐるましく変わってきた。



私もこのあたりに長く住んでいたが、地元
の人たちは「たかたのばば」と呼んでい
た。
曰く「『たかだのばば』てのは国電の駅の
ことだ」と。
しかし、住居表示実施の際に、地名の読み
を「たかだのばば」にされてしまった。
似たような例は広島県三原市糸崎にもあ
る。東京では江古田は駅が「えこだ」で
地名読みが「えごた」だったりする。

高田馬場辺りでは戸山公園(旧尾張徳川家
下屋敷)で流鏑馬が毎年行なわれる。










新宿区の指定無形民俗文化財となってお
り、毎年人気を博す。
私も戸山公園の流鏑馬を毎年観るのが
楽しみだった。
小笠原流の騎士が場内アナウンスで名乗り
をあげられる。
それが、また古風だ。
苗字通称(戸籍名)だけでなく、そのあと
に姓と実名(諱)を呼ぶのだ。
例えば、鈴木太郎藤原◯◯(ふじわらの
◯◯)のように。
やはり、姓は源平藤橘が多い。
この馬場での名乗りを初めて聴いた時に
は、鎌倉時代の単騎出馬の時もこうだった
のかなあ、と漠然と思った。
江戸期に実名を名乗るのは、正式な武芸
試合や天覧演武や政治向きの書面で記す
に限られていた。
戸山公園の流鏑馬は、コスプレでもお祭
り行列でもない、本物の日本の伝統武芸
の伝承再現演武として弓を引く。
無論、江戸市中の遊び場の矢場での「あ
たーりー」デンデンとも異なる。
相馬の野馬追も神事として在る。
実際に流鏑馬に眼前で接していると、何か
いい知れない荘厳なものを感じたりする。
カーニバル的なお祭りや民衆的な盆踊りも
縁日の出みせも私は楽しい。
だが、流鏑馬は目の前で観ていると、背筋
をピンと伸ばして座して拝見したくなる。
なぜかビール片手に玉屋〜とはならない。
そうさせるものが流鏑馬にはある。
不思議だ。

それと、見るとおっ!となる。
馬が走るのは、かなりの全力疾走なん
ですよ。
クォーターホース位の大きさの和駒です
が、結構な速度で追います。
なので失中や馬の速度がありすぎて間に
合わず矢をつがえられないこともあったり
もする。
名を名乗っているから、正々堂々とした
「ハレ」の行為なので、仮に的を外そう
とも不面目とはならない。
寧ろ、卑怯な振る舞いこそが忌避される。
だから、流鏑馬は観ているほうにも凛とし
たものが伝心するのかも知れない。
演武を観ているだけで、心が浄化される
ような思いがするのです。
でも、広い馬場がないとなかなかできない
ですよね、流鏑馬は。
全国的に神事としての流鏑馬が復興すれば
嬉しいけど、馬場の確保が大変そうだ。
それでも、全国で116箇所で流鏑馬が行な
われているようです。
益々の発展と継続を祈りたい。


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